「性加害という言葉はそぐわない」

前回の「アダルト保育園」を書いている途中で「性加害という言葉はそぐわない」というとんでもない字面を掲げたニュースが目に飛び込んできて驚きました。

ところで本題の前に。ちょっと気になったのですが、

『妊娠可能な15歳から49歳の“日本人女性”も全人口の20%しか居ません
さらに20歳から40歳に絞ると全人口統計上6%です、(中略) 妊娠可能な日本人女性は絶滅危惧種です、優しくしましょうね』

という投稿がバズっていたのをXで見かけて、6%はさすがに少なすぎないか?と思って検証しました。
下記の日本政府の統計サイトで2023年の人口を計算したところ、20〜40歳の日本人女性は1266万人でした。全人口に対する割合は11%ほどです。


そもそも全人口の6%は750万人程度なので、20で割ると20〜40歳の女性の出生数が平均37万人ということになってしまいます。出生数が80万人(女40万人)を切ったのがつい最近だから、やっぱり6%は少なく見積もりすぎですよね。
見たところ、当該ポストはほとんど突っ込まれずに事実として拡散されているようなので気をつけた方がいいですね。

では本題に。
下記のニュースですが、酷い話ですね。被害女児を守る気が本当にゼロで驚きました。

2年生女児が複数の6年生の男子児童から下半身を触られる性被害を受けたとされる問題で、加害者側の男児らが同じ日に「悪ふざけで(2年生女児を含む)4人程度の体を触った」と説明していることが26日までに、分かった。
一方で市教育委員会は他児童への影響を理由に校内調査をしない方針で、報道機関に対して「体に触った以上のことは確認できず『性加害』という言葉はそぐわない」との認識を示した。

「悪ふざけで」という言い方も気になりますが、他児童への影響を理由に校内調査をしない方針とは。
調査しないことのほうが被害者にとっては影響大きいんじゃないんですかね。
しかも、調査しないのに「性加害という言葉はそぐわない」なんて結論だけはしっかり主張するのですか。

問題発覚後はインターネット上で市教委や学校側の対応に批判が集中。市教委は「誤解に基づく過剰な非難とともに犯人捜しで子どもたちの安心・安全が脅かされている」と指摘した。
「性加害」と報じられていることに「重大な性犯罪行為が行われたと推測されることから実態をより適切に捉えた表現をしていただきたい」と報道機関に求めた。
女児の保護者は「娘が受けたのは性被害。市教委は自分たちの責任を問われないために性加害事件と扱おうとしない」と行政側を批判。被害女児は新学期が始まってからも外出を怖がり、学校に通えない状態が続いている。

どのような記述が誤解に基づいていたのか、具体的に教えてほしいですよね。
小学2年生の女児が強いトラウマに苛まれているのに、「性加害という言葉は実態を適切に捉えていない」ならば、ではどう言えばいいのでしょうか。
「イタズラ」か「悪ふざけ」ですか?

それで、被害女児には性被害なんて受けてないと教え諭して、加害男児には君は性加害者ではないから世の中の連中や女児の母親が言ってることは気にすんなと教え込むのですかね。

教育委員会と学校側は、もしかして本気で、触るだけの痴漢行為を性加害だとは思っていないのでしょうか。
「服脱がされたり挿入とかされてもいないのに性被害はウケる笑」という感じなんでしょうか。「痴漢被害よりも痴漢冤罪がー」と言ってそうです。
女性教師の付き添いなしではトイレに行けない女児に「(加害男児が)来るわけないだろ」と心無い言葉を浴びせかけた男教師がいたのも納得ですよ。

やっぱり少年法をどうにかしないとダメなんですよね。
なぜ幼い児童が深く苦しんでいるのに、加害者をお咎めなしで同じ学校空間に戻してしまうのか。

今回の事件は被害者の母親が強く訴えたことで注目が集まりましたが、親が訴えていなければ闇に葬られたままだったろうことを考えると怖いです。

性的な加害行為ですら、加害児童を矯正院のような場所に入れる処置ができない。学校に触法少年を丸投げして、一般の教師が加害児童と被害児童の双方に適切な指導とケアをするなんて無理ですよ。

少年法は時代遅れですよね。
そもそも少年法がぴったり合っていた時代があったかどうかもわかりませんが。少年犯罪の割合は男子が圧倒的に多いことを思うと、実質的に加害未成年男子を守る法律です。

成人したばかりの男が「未成年のうちに悪さしておけばよかったー」なんて嘆いている姿は珍しくありません。でも女性でそんなこと言う人を見たことはないです。
加害未成年男を守るだけの少年法。早く改正してほしいです。

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