『YOUR TIME ユア・タイム』要約【鈴木祐】時間がない人生を変える時間術とその方法
「時間術」に興味はあるけれど、ビジネス書に溢れる多くの時間術に疑問を感じていませんか?
この記事では、あなたの人生を変える最後の時間術とも言える、鈴木祐さんの「YOUR TIME ユア・タイム 4063の科学データで導き出したあなたの人生を変える最後の時間術」を取り上げます。
鈴木祐さんは、メンタリストDaigoさんから信頼を得るサイエンスライター。
本書は、「時間不足から脱却できない」と悩んでいる方に向けて、時間術の3つの真実に迫りながら、本当に効果的な時間術を探求しています。
彼が伝授する本物の時間術には、あなたの人生を変える力があります。ぜひ、記事を読んで、本当の時間術を手に入れてください!
1. 時間術を使うほど、バカになる
いつも時間が足りず、何かに追われている
もっと大切なことに使う時間を増やしたい
限りある人生を、このままの過ごし方でいいのだろうか
など、時間の使い方に満足していないすべての方へ。
本書では、科学的根拠に基づき時間不足を根本から解消し、あなたにとって有意義な時間を増やす方法を具体的に解説しています。
まず著者は、現代人が時間不足から脱却できない原因は、時間術における3つの真実に隠されていると言い、これまでの時間術を真っ向から否定しています。
時間効率を気にしていたら、作業効率は下がるし時間をマネジメントしようなんていう発想は無理で、ほとんどの時間術は時間の使い方と無関係だそうです。
それぞれ深掘りしていきましょう。
真実1:時間術を駆使しても仕事のパフォーマンスはさほど上がらない
時間術は大量にあるのに、時間の悩みを抱えている人が減らない謎を解くために、著者は時間に関する研究を2,000件近く調べ上げたそうです。
さらに、認知科学・心理学:経済学:医学の各分野の国内外の専門家約20人に最新の見解を尋ねています。
その結果分かったことは、万人に効果がある時間術は未だ一つも見つかっていないということ。大半の時間術には大した効果が認められておらずまともな検証すら行われていないのが普通だったということです。
加えて、時間術は仕事のパフォーマンスの改善には効かないという報告も多数見つかりました。つまり、多くの時間術はなんとなく自分はこのやり方でうまくいっている気がするという話に過ぎず、科学的な根拠があるものはほとんどないです。
一方で面白いことに、時間術は仕事の質や量を高めてくれないけれど、仕事の満足度や幸福感は高めてくれることが分かっています。
その理由としては、時間術を使いスケジュールを組むことで、あたかも自分の人生を自分コントロールできているような感覚や、重要なことを今日実施できたという達成感が得られるからだと考えられています。
時間術は幸福感を生むので、たとえ仕事のパフォーマンスに無駄だったとしても、人類は時間術を手放すことができず、時間術に依存しながら現代まで歩んで来てしまったということです。
時間術は時間を効率的に使って仕事のパフォーマンスを上げるものではなく、自分で自分を管理できている幸福感を得るための合法ドラッグのようなものです。
真実2:時間の効率を気にするほど作業の効率は下がってしまう
時間術で幸福になれるなら、それでいいのではと思うかもしれませんが、そこには落とし穴があります。時間術を使って時間を効率化させようと思えば思うほど、人は判断力が下がり、アイデアを思いつきにくくなるのです。
短い時間に効率よく複数の仕事を詰め込もうとした結果、大事なことに手をつけ忘れてしまった経験はありませんか? 判断を急ぎすぎて、無理な依頼を引き受けてしまうことも、珍しいことではありません。
複数の仕事を効率的にこなすことに取り憑かれた人のIQは、通常時と比較して13ポイントも下落することがわかっています。
これは、徹夜明けのIQ低下に相当します。実際ある調査では、仕事中に時間を強く意識した日は、そうでない日よりも想像的な思考の出現率が45%下がり、プロジェクトの成果も低くなる。創造性の低下は23日後まで続いたそうですが、ほとんどの従業員はその事実に気づかないことが分かっています。
効率を求めて時間を気にすることで、大半の人は思考の広がりがなくなり、最終的な成果の量まで減ってしまうのです。
コンサル会社・マッキンゼーの調査によると、現代の仕事の7割が創造的な発想を必要としているそう。つまり、時間効率に追われ集中や効率をと意識するあまりアイデアが出てこなくなり、結局作業効率が低下してしまっている恐れがあります。
結果として、創造性が必要ないような受信ボックスを空にすることや、友達の頼み事に答えるといった重要でない仕事ばかりをせっせとこなし、今日も仕事頑張ったと充実感だけ得られる状況に陥りがちになってしまいます。
時間の効率を重視するほど、本当にやらなければならない想像性が必要な仕事の効率が落ちてしまう恐れがあることは、しっかりと意識しておきたいところです。
真実3:時間をマネジメントするという発想の根本に無理がある
時間をマネジメントしようと、これまで数多くの時間術が生み出されてきましたが、大半の時間術は時間の使い方とは関係がないことが分かっています。
時間術なのに時間と関係ないとは、どういうことか?
生産性研究の第一人者であるアダム・グラントは、世の中の時間術の大半は時間の管理ではなく、注意力をマネジメントしているケースが多いと主張しています。その上で、時間術は生産性の解決策にならないと断言します。
例えば、時間術として有名なToDoリストの効果は、時間を有効に使えるというよりは、未完了の作業を書き出すことで頭の中が整理され、何かやり残したことがあるのではないか、あの作業を先にしておくべきではないかといった、無意識の不安感を減らしてくれるからだという研究があります。
他に優先すべきことがあったような…といった考えが浮かびにくくなり、結果として不安感が減り、作業に集中できる。これこそToDoリストのメリットであり、時間を直接管理しているわけではありません。
さらに 、テキサスクリスチャン大学のアビージェ・イシップはタイムマネジメントを重視することで、一層時間が不足しているという認識が生まれ、私たちの人生にとって本当に重要な活動をしなくなってしまうという問題を指摘しています。
時間が足りないから、時間術でもっと効率よくと考えるあまり、さらに時間が足りないように感じてしまう。その結果、本当に重要なことに手をつけなくなってしまう。
そもそも時間が足りないから時間術の本を買ったのに、その方法を試したせいでさらに時間がなくなってしまっては本末転倒。これでは、時間の使い方なんて考えるだけ無駄なように思えてきます。
ただしここでポイントは、万人に効果があるような時間術は存在しないが、時間術によって生産性が高まる人は確かに存在するということ。
つまり、人それぞれにあった時間術というものが存在しうるのです。
なぜ時間が足りないと悩んでいるのかしっかりと分析しないまま、適当に手当たり次第に時間術を試しても何の効果もありませんが、あなたの性格や脳のタイプからどういった時間術を見つけることが大切です。
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