SIGDEMO2018学会報告です。

2019年5月8日 13:58

杉浦研究室M1の加藤です。

2018年10月25-26日に北海道の北海道大学で行われた、第158回ヒューマンインタフェース学会デバイスメディア指向ユーザインタフェース研究会(SIG-DeMO)にて、同期の松本さんと二人でそれぞれ口頭発表をしてきました。遅ればせながら、ご報告させていただきます。

研究内容

【加藤の研究発表】
今回、私は「着脱可能な加速度センサモジュールによるぬいぐるみの動作推定」というタイトルで発表させていただきました。
この研究では、ぬいぐるみと人間のインタラクションをテーマとしています。これまで、ぬいぐるみと人間のインタラクションの研究では、何らかのデバイスをぬいぐるみに組み込むことが多く、専用のぬいぐるみを利用する必要がありました。しかし、本来ぬいぐるみとは親密なコミュニケーションの対象であり、どのぬいぐるみに愛着を持つかは各人によって異なります。そこで、私は着脱可能な動作識別モジュールをぬいぐるみに装着させることで、どんなぬいぐるみとでもインタラクションが行えるシステムを研究しました。
具体的には、加速度センサを組み込んだアクセサリを作成し、ぬいぐるみの各部位に装着します。ぬいぐるみにさせたい動作を考え、その動作をセンサ値として取得します。取得したセンサ値に対し、画像化・HOG特徴量抽出を行い、SVMによるクラス分類を実施します。これにより、あらかじめ学習させた動作を識別できるようになります。実験では、ユーザごとに任意の動作を考えてもらい、学習させた動作に対しユーザが任意の音を登録することで、ぬいぐるみとのインタラクションを楽しんでもらいました。
今回は大学生活で初めての研究であり、初めての口頭発表でもありました。発表自体は緊張することなく終えることができましたが、質疑応答ではまだまだ自分の勉強不足を感じる面もありました。特に、「センサ値をそのまま機械学習するのではなく、画像化してから機械学習する意義」を問う質問には、適切な答えを返すことができませんでした。今後は、「なぜそうしたのか」について自分なりに明確な論理を考え、きちんと説明できる状態で研究を進めていきたいと思います。

研究内容のリンク：https://lclab.org/projects/ept

【松本さんの研究発表】
松本さんは「喉頭位置の可視化による飲み込み力強化のためのトレーニング支援システム」というタイトルで発表を行いました。ここからは、松本さんに説明してもらいます。
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この研究の目的は、喉を鍛えるためのトレーニングを支援することです。加齢に従って身体能力が衰えていくのと同じように、食べ物を飲み込む力も弱くなっていきます。それを防ぐために挙げられているトレーニングの一つが、喉を意識的に上下に動かす喉上げ体操です。しかしこのトレーニングは、自分自身の喉を実際に見ることができないため、トレーニング動作そのものを習得しづらいという問題がありました。そこで、自らの喉の動きを可視化し、視覚フィードバックとして返すシステムを開発しました。またトレーニングを楽しく続けられるように、トレーニング動作を取り入れたゲームを提案しました。
本研究では、反射型光センサを縦横に並べたデバイスで喉の表面形状変化を計測し、SVMによるクラス分類を用いて喉の位置を推定します。そしてユーザーは自分の喉の動きが反映されたアバターを動かし、空を飛ぶゲームをトレーニングとして行います。実験では、提案したトレーニングゲームを繰り返すことで参加者5人中4人のトレーニング動作が改善している様子が見られました。また参加者は自己ベストを目指したり他の人と競い合うなどトレーニングゲームを楽しんでプレイしていました。
　加藤さんと同じく、私も口頭発表は初めての経験でした。発表の練習は何回もしていたので、緊張しつつもしっかり話すことができたと思います。しかし質問に対して自分の考えをわかりやすく端的に話すことができず、歯がゆい思いをしました。今後は研究を進める上で、自分の考えや伝えたいことを整理する習慣をつけていこうと思います。