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円安ドル高の背景にコロナ支援の違い・ほかだから円安は進行する
2024年は為替レートの激動でより注目が集まりました。
2024年の年末、日本では利上げ、アメリカでは利下げが予定されており、今後の為替レートのゆくえを追っていきたいと思います。
■ 直近の日米間の金利差と為替レート
日本銀行は1999年にゼロ金利を採用・マイナス金利になってから、2024年の7月にようやく利上げを決定して0.25%の水準になっています。
アメリカではコロナ後の2022年からいっそう上昇したインフレ率抑制のために短い期間でしかも急ピッチで金利を上げざるを得ませんでした。
■ 日米の金利差が開いてしまった最たる理由
①日米のコロナ支援策がそもそも桁外れに異なっていた
記憶にまだ新しいと思いますが、日本政府によるコロナ支援金は国民一人あたりに10万円、企業に対しては主に飲食店に限って支援策をしていました。
一方でアメリカは国民一人当たり40万円の支援金で、しかも失業保険を手厚く保証していました。「会社辞めた方がお金たくさんもらえる!」と踏んで申請された失業保険の受給件数はピーク時で700万件です。
この結果、アメリカ国民はお金がジャブジャブになり、あっという間にインフレ率が上昇し始めてしまうわけです。
高い時は8%くらいのインフレ率になっていましたから、これを抑制するためにアメリカ政府は政策金利を上げざるを得なかった、という経緯がありました。
コロナ後の日米間の金利差の背景にあるのはコロナ支援策の違いにあるといって過言でありません。この影響で2022年から日米の為替レートは急激に円安ドル高に傾いています。
②金利差以外の理由・アメリカドルが多く買われている背景
「日本円で大量にアメリカドルが買われている」ならば、円安ドル高が進んでもおかしくありません。こう考えなければ現在の円安円高は成り立たないようにも思えます。
現在日本円で多くアメリカドルが大量に買われている機会とは、主にデジタルサービス課金です。
アイフォンのクラウドストレージサービスへの課金も該当しますし、アマゾンやネットフリックスへの課金もアメリカドルが買われていることになります。
私たちの生活に今更アマゾンやアップルなどのサービスがないなどありえなくなってしまっており、今後これらのデジタル課金は現在よりさらに巨額に増えていくものと考えられます。
今更ながら「円安が進行するからネトフリもアマゾンもグーグルへの課金もやめる!」なんてことにはならないのが巨額に増額と言える理由です。
おうちでそこそこ映画や見たいドラマが楽しめたり、家から一歩も出ずにECサイトからモノが買える生活などもはやあり得なくなってしまっている、この心地よい状況はさらに激化していくでしょうから。
※日本企業にこうしたサービスは皆無と言って良いかも
いっぽう、日本の産業で今一番の稼ぎ頭は旅行産業です。海外の人にとっては「今円安だから日本に行くと旅のコストがとにかくお得」となっていますので、2023年のインバウンド収益は6兆はあったとか。
しかしながら旅行産業は今人手不足なので、無尽蔵に旅行産業で収益が上がるというようには考えにくいでしょう。
といったようにこの「アメリカへのお金の流出増」が結果的に円安につながったと考えると、円安ドル高の許容度ってだいぶ変わってくるように思えませんか。
あとは、円安ドル高に合わせて資産の配分の見直しをかけるのが自然な流れになってくると思われます。
現在の資産状況から最適な資産配分を組む流れについてよかったら以下を参考にされてみてくださいね。
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