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いい進学先の選び方(第4章)#4

希望する進学先を知る

学費について

 大学や専門学校などの学費は決して安くはありません。私学であれば年間百万円は優に超えます。まして、エネルギー価格の高騰や物価上昇の今日、学費も値上がりしつつあります。
 そんな中で、学費が安いことに越したことはありません。国公立の大学や専門学校などは、私学と比べてると学費が安い傾向にあり、さらに公的教育機関なので信頼もあり人気も高いのですが、やはり入試の倍率も高い傾向であると思います。
 学費と一括りに言っても、入学時には入学金、それから授業料、実習費、施設維持管理費や諸経費など様々ですが、それ以外にも、専門知識を学ぶところでは、実習服や使用する物品、参考書などの費用も別途必要な可能性があります。
 そんな学費に対してですが【学費が安い、教育、施設共に質が高い】は最高です。逆に【学費は高いが、教育の質は悪い】は、誰が聞いても最悪です。ですが、何をもって学費が高いのか、安いのかを決めるのは、個人やご家庭の価値観によるものだと思いますので、明確な基準は正直言ってありません。なので、ここでは皆さんの基準で、自分の興味を持った学校、進学したい学校を色々と調べてして頂き、その価値観で決めて下さい。
 例えば、学費が高いと感じたところを進学先を候補に入れたとします。自分やご家族の価値観と照らし合わせてみてどうなのか。施設の設備や教育環境、教員知名度や人数、通学する利便性などを評価してみてください。もちろん学費が安いと感じたところでも同じです。何が言いたいかと言うと、支払う側(教育を受ける側)の納得できればそれでいいのです。
 ただ、私は様々な学校で講師をしておりましたが、同じぐらいの学費でも、片方の学校では学生から大きな不満が出ていて、もう片方の学校では、あまり不満は聞きませんでした。これは私の想像に過ぎませんが、やはり学生の満足度、充実度が関係していると個人的には思います。特に昼休みを見ているとよくわかります。お昼休みに、学食やイートインスペースで友達と仲良く食事をしている学校は比較的満足度、充実度が高いように思えましたし、それとは違い、学食もない、イートインスペースない、もしくは簡易的なものしかない。学生は、教室内か校外のファストフード店で食事をしてことが多く、他の学部、学科と交流が薄い学校は、満足度、充実度が低いような気がしました。あくまで個人の感想です。
 さらに、教員数や講師の数も関係していると思います。特に、授業がいつもの顔ぶれで同じ教員ばかりで授業をしていると、学生も飽きてしまっているような感じが見て取れます。満足度が高いであろう学校は、専任教員の数は定数だと思うのですが、兼任講師、非常勤講師の数が多いです。そこから個人的に思うことは、様々な教員、兼任講師、非常勤講師が豊富に揃っているところは、やはり授業でも様々な話が聞け、学生も飽きないのではないかと思います。誰だって毎日同じ顔触れで、似たような話しを聞いていれば飽きてしまいますよね・・・。
 少々話が脱線してしまいましたが、学校は【学生数=その年の学校収入】となり、年度初めの学生数で、その年の収入が決まってしまいます。諸事情で収入が少なくなることはあっても、増えることはありません。そこから教職員の人件費や施設や設備の維持管理費などが支払われるため、やりくりが大変なのも事実です。
 しかしながら教育機関ですので、人が人を指導します。まずは教員などの人的資源にしっかりと学費が使われているのかどうかも、大事な判断基準だと私は思います。その次ぐらいに施設も判断材料として考えていいと思います。
 ご自身やご家族の判断基準で、希望する進学先の学費が高い、安いだけの話ではなく、その先についても是非考えてみて下さい。
 
 ●ひとこと
  学費は自分自身への高額な投資です。自ら進んで勉強しにいくので、目
 先のことだけにとらわれず、しっかりと考えてください。

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