いい進学先の選び方(第7章)#1
入学願書を出願する前に、最終確認すること(その1)
必ず通学経路を体験しておこう
希望する進学先が決まったら、通学経路を確認し、通学時間に合わせて家を出て通学体験、シミュレーションしてください。もしかしたら想像を超える通学になることが予想できるからです。
私が都市部の学校に勤務していた時、頻回に遅刻してくる学生が数名おりました。遅刻の主な理由は電車の遅延ですが、大都市圏の電車はラッシュ時など混雑からか、とても遅延が多いです。本来、遅延が多い路線なら少し自宅を早く出ることが一般的かもしれませんが、それはしない。会社なら解雇されてしまうかもしれません(苦笑)
これは何とか是正しなければならない。と感じた私は、何度となく自宅を早く出るように促しをしましたが応じてもらえず、学生からは「じゃー同じ時間帯の電車に乗ってみてください」と言われる始末・・・。少々怒りを感じた私は、それなら乗ってやろうじゃないか!と思い同じ電車に乗ってみました。答えは、確かに混雑がひどい・・・。よく駅員さんが背中を押して電車に押し込むシーンがありますが、まさにその通りの状況でした。
通学に大変な状況はわかりましたが、だからと言って度重なる列車の遅延による遅刻の容認は、教員として、学校組織の組織の一員である以上できません。実際、その満員電車で通学している学生も大勢おります。決して特別扱いはできません。ですが、その学生と複数回話しているうちに少しずつ理解できました。遅刻をしていた数名は、自宅近くの高校出身で満員電車の経験がなく、いざ入学し満員電車に乗ってみたところ、嫌になってしまったとのことでした。
一昔前なら一喝して済む話し、仮に指導をして改善がないので放置しておいていい話しですが、現在はそうはいきません。粘り強く改善させなければなりません。最終的には二つの方法で学生の遅刻を減らすことができましたが、その方法は、ここには書けませんので、どこかでお話しする機会があれば、話しできればと思います。もちろん合法的なやり方ですが、一つは義務教育、高校などではできないと思います(苦笑)
このようなことは極めて稀なケースかもしれませんが、もしかしたら当該学生は、入学試験を受ける前に通学体験をしておけば、入学希望先を他の学校に変更したかもしれません。電車だけではありません。バスや駅から学校までの道のりも同じです。ですから、必ず入学前に通学経路の確認をしておきましょう。
・メリット
数年間通う通学経路、現実を体験しておくことで、学校到着前の疲労や
精神的苦痛などを防げます。
・デメリット
通学体験するにあたり、運賃がかかります。
〇ひとこと
通学でストレスを感じ、通学が苦痛なるまえに、入学前に体験しておき
ましょう。