いい進学先の選び方(第4章)#6
進学先を知る
医療系の学校などに進学を目指すなら(番外編)
進学先の候補として、将来就職に強い医療関係を目指す方も多いと思います。私も医療系の複数の学校の講師をしておりましたが、個人的には看護師やリハビリ関係などを目指す方々が多いように思います。
そんな中で、医療関係の資格も既に頭打ちになっている資格も散見され、将来的にこの職種(資格)で食べていけるのか・・・。と心配になることもあります。
しかしながら、まだまだ世の中には不足している医療の資格も多々あり、社会の貢献度も高いので、医療関係を目指す方もとても多いのではないでしょうか。では、そんな医療系の進学先選びで参考にしてほしいのは、付属の学校や公立の学校を選ぶことだと思います。
例えば、○○大学〇〇学部付属など、医療関係機関がバックアップしているところをお勧めします。前章にも書きましたが、やはり日頃から現場を経験されている方が講師として教えてくれることや、やはり医療関係機関との関連なので、しっかりとした対応をしていると私は感じておりますし、就職面でも、ある程度の決まりもあると思いますが、付属施設や関連施設への就職も面倒見て頂けるのではないでしょか。
また、医療系の資格は必ず実習があります。実習はとても大事で、実習の評価で合格を頂かなければ当然卒業も出来ませんし、もちろん国家試験なども受験できません。だから実習に出る前に、学生を実習に行かせてよいかなどを個々に判定するのです。なぜなら、学校側も実習先で学生が粗相を起こしてしまうと、今後の実習を受け入れてもらえないと困りますし、そもそも学校の品位やレベルを知られてしまい、結果的に業界から悪い評判が出てしまう可能性もあり、それが就職活動まで影響してしまう可能性もあるからです。
私も、学生数名が実習先で粗相をしてしまい、実習先を失ってしまった苦い経験があります。当然、我々にも責任がなかったとは言いません。実習先に菓子折りを持って謝罪に行ったのですが、次年度からの実習の受け入れはしてくれませんでした。
そうなると、実習先での評価が不合格となり臨床実習の単位は認めらませんので、その学生は原則留年となるのですが、再実習という選択肢もないわけではなく、様々な事情を勘案して再実習の有無を決めることもあります。仮に再実習の許可をしたとしても、今度は再実習を受け入れてくれる実習施設がありません。実習先も年間計画をしていて、受け入れる学校や人数を決めているので、イレギュラーな対応とてもは難しいのです。
このような事態になると、実習の内容にもよりますが、付属施設なら比較的お願いしやすいと思いますし、付属施設なので次年度から実習生の受け入れを断られることも少ないと思います。ただ同じ系列とは言え、やはり実習を担当する現場サイドからは、苦言や嫌味も相当言われるとは思いますが、外部の施設よりかはいいでしょう。
逆に、付属施設がない場合は、外部に再実習をお願いするしかありません。当然元の施設は無理なので、その時は教員の人脈や様々な方の紹介で実習先を確保するのですが、相当な苦労です。やはり再実習のお願いともなれば、相手も”再実習の学生”と身構えてしまうのは当然です。
臨床実習というのは、やはり立場的に学校側は「受け入れて頂いている側」、受け入れ施設は「受け入れてやっている側」といった関係が成り立ってしまうと思います。当然「受け入れて頂いている側」が弱い立場となります。万が一ですが、実習施設側に問題があったとしても、将来のことを考えると、言いたいことだって言いえない場合も多々あると思います。
前章でも書きましたが、どんな医療職種でも人の命に直結しまう場合もありますので、厳しいのは当然です。医療職を目指す方も、しっかりとした心構えをもって、進学して下さい。
・メリット
どんな教育機関でも厳しさは変わりませんが、付属では教育、実習面で
も充実していると思います。
・デメリット
付属では、入試の倍率や試験レベルのハードルが高い場合もあります。
・ひとこと
学生の臨床実習は、学生にとっても教員にとっても、とても大事です。
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