【小説】D€STRU 〜EP7〜
EP7
ずっとが天羽蓮が言っていた事が気になっていた。
神咲芽美がCoreで廣野花梨はCoreじゃなく私が何故かCore。
それを察して怒りのゲキが飛ぶ。
『ヤル気あんの?そんな踊り何万回踊っても意味ないから』
『す、すいません』
必死で無になろうとしたが頭はCoreでいっぱいで明らかに集中出来ていなかった。
そして二度目の中断が入った。天羽蓮は両手を振ってダンスを止めた。
『やめやめやめ。さっきも言ったよ!そんなの何億回やっても意味ないから』
『すぃません』
『Coreの事が頭から離れない?切替が上手なのもアイドルの重要なスキルよ』
『はぃ…』
冷えたミネラルウォーターが落ち込む椎名くるみの頬を刺激した。
『ありがとうございます』
『そこ座りな!余計なこと言ったみたいね。Coreの事なんてまだ話すタイミングではないけど。ゆっくりあんたが成長するのを待ってたら【D€STRU】が消滅してしまう』そう言って笑った。
私の記憶が正しければ天羽蓮が笑ったのはこれが最後だった。
『覚悟して聞いて』
そう言って天羽蓮はCoreについて語り出した。
1時間が経過した。椎名くるみは溢れ出た涙を拭う事も出来ず天羽蓮を見つめていた。
『話はここまで。私の意思受け継いでくれるよね』
『うぅ…はぃ。でも蓮さんはどうなるんですか?』
『椎名くるみを最強Coreにする為に全力をかける。その後はどうなってもいい』
そして2ヶ月後、天羽蓮は姿を消した。
(椎名くるみ アイドルになる編 完)