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「できる」の曖昧さを回避する質問

エクセル使えます、photoshop使えます、サイト作れます。

こういう時の「できる」ほど、曖昧なものは無い。

だいたいの場合、質問のほうが悪い。「〜使える?使ったことある?」という質問は、よくない。

エクセルファイルを一度でも開いたことがあれば、「使える」になるし、photoshopで文字を書くだけなら、たぶん誰でもできる。

それを使ってなにをしたことがある?どういうふうに役立てた?評価に値するものはできた?などが、たぶん本当は知りたいことだと思う。
実際にやってもらいたい、具体的な例はきちんと示した方がいい。

てきとうな質問をしないで、しっかり聞きたいことを聞く。

でも、ずっと曖昧な質問は、日常にいっぱい溢れている。
料理作れる?写真撮れる?文章書ける?英語話せる?

「できる」の幅が広すぎて、切り取り方が難しい場合もある。
和食作れる?という限定は、中華料理が得意な人には「できない」となるし、じゃあ「洋食は?」とクイズになっていくのも面倒だ。
誘導していく質問もよくない。「~って流行ってるけど、知ってる?できる?」とか言うと、「知らないと恥ずかしいかも・・・」と思って、本当のところが聞けないこともある。

あの人の写真はうまい、あの人は仕事ができる。日常の文脈では、往々にしてそういう言い回しが使われる。相対的な「できる」と絶対的な「できる」があるから。

絶対的な基準は、知っている人でないと提示できないことが多い。だから知りたいことは、なるべくその専門の人と一緒に聞いた方がいい。

新卒の就活だと、あんまり「できる」ことは問われないかもしれないけれど、自分でよく知らないのにこういうことを平気で聞いてくる人もいるので、生意気に思われてもいいから、基準を聞いてみてもいいと思う。
中途採用だったら、相手の質問のレベルがそのまま相手の会社のレベル感だと思っていいと思う。

「質問責任」という言葉を使っていたのは、たぶんサイボウズで、ちょっとこの場合のと意味は異なるけれど、やっぱり質問には責任が伴うし、質問しなければならないこともいっぱいある。

もちろん、呼応するように、「できる」と答えた人には説明責任があるので、具体的になにができるのか説明する必要はあるのだけれど。入口の曖昧な質問は、その次にある具体的なものを求めていると忖度して答えた方が親切なのかもしれない。
ただ、たいていの場合、「できる?」と質問する側とされる側とのあいだの力関係は非対称なことが多いし、する側のほうが力を持っているのだから、そっちの責任のほうが重くあるべきのような気がする。

変な限定をしない。誘導を避ける。具体的な材料をこちらから提示する。質問することの責任を自覚する。相手との非対称性を意識する。

質問をするときは、お互いのことを知らない場合が多いのだから、なるべくやさしさのある雰囲気で、曖昧さを避けて気持ち良くコミュニケーションできたらいいな。

そうやって、ちゃんと質問できるようになりたい。ちゃんと質問したいし、してほしい。

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yukiota
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