14年経ったプーアール生茶【凤山春尖】
2007年産の生茶【凤山春尖】を飲みました。
2021年で生産から14年経ちましたが、生茶プーアール界ではまだまだ子どもです。
プーアール茶をいただくときは蓋碗を使って淹れることが多いのですが、今日はなんとなく茶壷を使って淹れたくなり、久しぶりに黒茶用茶壷を出しました。
茶壷を使っても、茶海や茶こし・品茗杯などを使って丁寧に淹れる気分ではなく、茶壷から直接マグカップに入れてがぶ飲みスタイルで飲んだので、写真などは撮っていません。
「回甘」の海に溺れる
生茶プーアールの中で14年ものというのは、まだまだ子どもです。
乾燥茶葉の色は黒くなっていますが、緑色がかった茶色っぽい黒色。
ですが、お湯を注ぐと強い黄緑色が現れます。
渋みの後の甘み
洗茶後の1煎目はまだまだ青味と渋みを強く感じたので、茶葉の量を多く入れすぎてしまったかと思いましたが、渋みの後から来る強烈な甘み(いわゆる「回甘」)を感じ、このまま飲み続けることを決定。
煎を重ねていくと渋みが軽減してどんどんまろやかになっていき、口の中から食道・胃にいたるまでが「回甘」で満たされ、わずかばかりの渋みを更に求めたくなるというループに陥ってしまいました。
途中で口をゆすぐために水を含んだら、水が甘い甘い!
甘韵甜质
甘与甜,是令品茶者最回味的部分。
若品茶完后3~5分钟内,仍有喉头与两颊的回韵甘甜,是为佳品。
プーアール茶の甘味についてどうやって説明したら良いか悩んだので、プーアール茶の本「经典普洱(プーアール経典)」の「口感(口当たり)」の部分を読んでみました。
甘みというのはお茶を味わった後に一番残る後味です。
もし、お茶を味わって3~5分以内に喉や両頬に甘みを感じたら、そのお茶は上等品と言えるでしょう。
というような意味なのですが、「甘韵甜质」はうまく説明できません。
甘さの余韻と質、と訳したらよいのかな?
中国語の「甘」は舌で感じることのできる甘さで、「甜」は砂糖や蜜などの食べ物そのものが甘いことをさします。
お茶自体に砂糖や蜜などは加わっていませんが、日常的に甘いことを伝えたい時には「甜」を使うから「甘韵甜质」なのかな?
苦化甘,涩转甜(苦みや渋みが甘みに変わる)
甘みを感じるのは、その前に渋みがあるからです。
日本茶の濃い緑茶や紅茶を飲んだ時にも、渋みを感じたあとに口中が強烈な甘さにおそわれることってありますよね。
でも渋柿を食べた時は、いつまでたっても口の中が渋いまま。
私が中国茶を好きな要因の一つに、この「回甘」があります。
手に入れてから14年の歳月が経った【凤山春尖】。
いい感じで熟成できているようです。
時期の確約はできませんが、近いうちに熟成中の【凤山春尖】の近況を写真とともに紹介できるようにしたいと思っています。