「最初の」一日。 「最初の」一枚。
2022年が始まりました。1月1日は「最初」づくしでした。
“今年も元気で楽しく過ごそうね”。旦那さんと「最初の」挨拶。
「最初の」お出かけは母の家へ!毎年 親族で集合しています。ベランダから見えた今日の富士山がひたすら美しい✨。
「最初の」食事は、もちろんお雑煮。年末に自分たちで丸めたあん餅を 白味噌に投入して “いただきます!”。日本人に生まれて幸せなのです。
我が親族の「最初の」行事は書き初め。毎年 [干支]と[抱負]を書いています。
筆を墨汁に浸し、半紙の上に滑らせる…。心穏やかに自分と向き合う時間は一年に一度の贅沢なひとときです。
自分の作品を掲げて、全員で記念撮影をしました。
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2022年のカレンダーを紹介させて下さい。
リビングは、TOSHIBA『クラーク美術館コレクション』。
「最初の」一枚、1・2月はルノワール『劇場の桟敷席(音楽会にて)』です。
2019年、クラーク美術館からオルセー美術館に貸し出されていた本作を観ました。流行のドレスを着て桟敷席に座る とても魅力的な若い女性に魅了されました。
2022年、彼女とリビングで再会できたことに感謝です。
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トイレに飾るのは、MISAWA『ワリシー・カンディン・スキーの生涯と筆跡』。
芸術を科学的に分解・分析し、その理論を実践した抽象画家ワリシー・カンディンスキー。「建築」を美術・工芸と有機的に結合することで総合芸術たらしめようと設立された造形学校バウハウスに招聘され、1992年から約10年間教鞭をとりました。第一次世界大戦、ロシア革命、ナチスの台頭…歴史の大きなうねりに身に委ねながら確固たる芸術を生んだ画家の生涯と筆跡のカレンダーです(解説より)。
表紙(画像左)は、1923年カンディンスキーがバウハウスの色彩講義の授業で出した課題に対する生徒の解答用紙だそうです。
課題
1.描かれている三つ(三角・四角・円)を黄・赤・青の三色で埋めよ。その際 一つの形は一色のみで埋めること。
2.そのように仕分けをした理由を述べよ。
解答した生徒が埋めた、黄=三角形、赤=正方形、青=円の組み合わせはカンディンスキーの考えと一致するそうです。しかし、同じバウハウスで教鞭をとっていたパウル・クレーは、三角形に黄をあてることに異議を申し立てたそうですよ。面白いですね。
カレンダー1月、「最初の」一枚は1911年カンディンスキーが友人たちと出かけた作曲家シェーンベルクの室内楽の様子。『印象III(コンサート)』(画像下)の習作です。
習作から完成作品までの過程を理解することは、今の私には難しいです(笑)。
近現代美術は、まだまだ理解できない分野。今年は少し勉強しましょうかねぇ。
カンディンスキーはこのコンサートに感銘を受けて、それまで面識がなかった作曲家シェーンベルクに熱烈な手紙を書きました。その後二人は交友を深め、シェーンベルクはカンディンスキーの思想に共鳴し「青騎士」にも参加したそうですよ。
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「最初の」一日が、あっという間に終わろうとしています。
今年もよろしくお願いします。
<終わり>