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はじめての 『現代用語の基礎知識2022』

はじめて自分で『現代用語の基礎知識』を買いました。

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小さい頃、父親が買ってきた分厚い『現代用語の基礎知識』を手にして、
「ここに知識の全てが詰まっているんだぁ」とその重さに驚いたのを覚えています。
「こんなの一生かかっても読み終わらないよー!」と思っていたのですが、父は数年に一度、買い替えていたようです。
↓ 見覚えのある表紙が何冊かあります。

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どんな質問にも わかり易く丁寧に答えてくれる父に憧れていた私は、幅広く物事を知り、どんな話題についても自分の意見を発言できる人が “偉い人” であり、そんな大人になりたいと思っていました。
ところが私は読書嫌い。本を読むのが大好きな母と姉に「あら、あなたはこんな事も知らないの?」とよく指摘され、ずいぶん肩身の狭い思いをしたものです。

いつも居間に置かれていた “知識の塊” と思われるその本。私がページを開くのは、見つけてきた四つ葉のクローバーや愛らしい花を挟むときだけでした。

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社会人になってから。
世の中の動向を幅広く押さえて常備しておくために、毎晩テレビでニュースのハシゴ。翌朝には新聞にざっと目を通す生活を何年も送って来ました。
トップニュースの概要、事件や事故、政治・経済はもちろんですが、
最新映画、ヒット曲、新人歌手に芸人さんといった芸能情報は詳しく。野球・ゴルフはもちろん、サッカー、相撲に競馬まで ほとんどのスポーツ情報は幅広く。

たまたまニュースを見なかった翌日の職場で、プロ野球についての話題が登ろうものなら、「うわーっ、首位が入れ替わったのか。スポーツニュース見てから寝ればよかった💦」と真剣に後悔してました。

そのお陰で(?)、職場の上司、同僚や後輩、得意先のお偉いさんから初対面の人まで、幅広い年代の人と交流を深めることができたような気がします。
ただし。手っ取り早く情報を得ようと目論む私が『現代用語の基礎知識』を手にすることはありませんでした。

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新聞やニュースを毎日チェックしなくても気にならなくなったのはいつからでしょうか。
そういえばニュースに限らず、テレビを見る時間が減りました。
年齢を重ねて、自分に関係のあること以外は、興味がなくなった?
年齢を重ねて、いろいろなことが面倒くさくなった?
歳をとるって、こういうことなのでしょうか。

いやいや、70代で亡くなった父は、最後まで好奇心旺盛で勉強熱心。
帰省した私たちとお笑い番組を見て笑い、紅白歌合戦を見て「さっきのがAKB48で、この人たちがSKE48なんだね。」と理解しようとしていました。すでに私が識別するのを止めようとしていたのに…。
70才を超えてからハーモニカを習いはじめた父は、読めない楽譜にカタカナで自分なりのマークを書き込んでいました。
自分で取り寄せた何冊かの750ccバイクのカタログ。その小さい文字を見比べた父が、病院のベッドで「退院したらこれを買って乗りたい。どう思う?」と相談されたとき、反対しなければ良かったなぁ。

まだまだ元気な私が年齢のせいにしてはダメですね。


もしかしたら。。。
美術鑑賞が大好きになり、過去の絵画作品と向き合うようになったことで、私の価値観が大きく変わったのかもしれません。
やがて美術館に勤めるようになって、クライアントや職場の人たちと円滑な人間関係を築く必要性が少なくなったことも一因かもしれません。
いつの間にか、何にでも興味があって何にでも詳しくて、誰とでもうまく付き合える人に魅力を感じなくなっていました。

それが良いことかどうかわかりませんが、自分に対しても他人に対しても寛容になれた気がします。さまざまな環境でいろいろな考え方をする人がいるのだから、無理にみんなを楽しませたり、みんなと仲良くなる必要はなくて、私は私でいればいいんだね。
負けず嫌いは、自分を奮起させるためには必要かもしれないけれど、人より優れていると感じて喜ぶことは 愚かな自己満足に過ぎないのかも…。
「物知りだねぇ」と褒められることや、万人とうまく付き合っていくことは そんなに重要ではないのだ…と。
この歳になって、やっと自分らしく生きられるようになりました。

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価値観に大きな変化があった私。
と、ここまで都合のいい言い訳をしてきましたが、絵画鑑賞が好き!興味があるのは美術関係のことだけ!と、ちょっと偏った人間になりつつあることを少し反省しています。
「知らない」ことがドンドン増えることで、自分の可能性を狭めていくかも知れませんからね。

そんなとき、本屋さんに平積みされていた『現代用語の基礎知識2022』を発見。

パラパラ中身を見ると、用語解説が充実していることはもちろんですが、
「コロナの時代 五輪開催の1年」といった【特集記事】、
大谷翔平選手や藤井聡太三冠、Adoさんなどが【2021年のキーパーソン】に挙げられて、
【ニュースのおさらい】、【数字で読む2021】など、とても面白そうです。
そして以前より断然 薄く、軽くなっています。
押し花づくりには利用できませんが、その内容は、社会情勢に疎くなっていたこの数年をざっとおさらいするのにとても役に立ちそうです。
よし、購入だ!

本書の中では、すでに岸田文雄内閣が発足しており、2021年の新語・流行語大賞のノミネート候補語も掲載されています。んーー最新版✨と、意味なくページを開いて匂いを嗅いでしまいました(笑)。

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時間がある時に興味ある分野から眺めています。
例えば、
【文化・スポーツ】“本と文芸” 分野では、
2021年(前半)の芥川賞、直木賞受賞作品、また三島由紀夫賞、山本周五郎賞や本屋大賞などの受賞作品について。
【世界情勢】 “EU圏” 分野では、
(今日の論点)「ポスト・コロナとポスト・メルケルを模索」や
(重要語)の「ドイツ総選挙」「イギリスのEU離脱」など、勉強になります。
【巻末】にある「新語・流行語大賞 全記録」は、懐かしい!

そして「カタカナ語・外来語」や「欧文略語」、「SNS用語」に「IT・スマホ用語」「若者ことば」は、正確な意味を知らずに使っている言葉のなんと多いことか(恥)。辞書代わりに役立つこと間違いなしです!
置き場所は、いつでも手に取れるリビングですね、父さん。

はじめての『現代用語の基礎知識』、最大限に楽しませてもらいます。
“人に自慢できる物知り” になるためではなく、自分の「知りたい!」「面白そう!」という気持ちに応えてあげることで、“わたしの人生を楽しむ” ために。

<終わり>

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