ベッドから起き上がる瞬間に一日は決まる。
I woke up on the wrong side of the bed、と私は言った。
友達とのランチで、彼女に会えることはとても嬉しかったのだが、その日は朝から正体不明なもやもやが心を覆っていた。
理由はわからない。ただ、まとわりついていくる。
I woke up on the wrong side of the bed。
「え、それ!どういう意味!?」と友達はケラケラと笑った。
天気、体調、仕事の焦り、理由は様々だが、起きた瞬間からなんだか気分がスッキリしないことを言う。
目の前の人とは関係がなく「ごめん、わかってるんだ、感じ悪いよね」という謝罪のニュアンスも含まれる。
由来を辿ると、古代ローマまだ遡る。ベッドの左側から起き上がることが不運とされていたらしい。知らなかった。
現代でも、やっぱり起きた瞬間から「あ、今日はなんか違う」と思う日はあるわけで、その「なんか」をwrong side of the bedと表現する。
心から怒ったり、悲しんだり、落ち込んでいるわけではなく、間違ってベッドの反対側から起きちゃったよー、朝からなんだか色々気に触るのよー、落ち着かないのよー、集中できないのよー、わからんけど。という感じ。
ちなみにこの言葉、自分以外の人間にも使える。
例えば朝から家族がプリプリしていたら、何かあったの?どうしたの?何イライラしてんの?とストレートに聞く代わりに...
SOMEONE woke up on the wrong side of the bed.
とSOMEONEをちょっと強めに、皮肉っぽく言うのがアメリカンスタイル。
もう少し優しく言ってあげたい場合は...
Did you wake up on the wrong side of the bed?
と聞いてあげる。映画や海外ドラマでも時々聞くセリフだけれど、そう聞かれた(言われた)相手はだいたい「Sorry」、機嫌悪くしてごめん、と謝る。
「ごめん、100%私が悪いんだけどなんかイライラするわー」
という心の声が聞こえてくる。
一緒にランチをした友達はこのフレーズを気に入ったらしく、会う人、会う人に伝えているらしい。いつも機嫌が悪いということではなく。笑
私のもやもやが何かの役に立ってよかった。(いや、立ってない)
日本でも「枕が変わる」とよく眠れないと言いますよね。