よう実キャラの名前解読とか
本稿では、名前に隠された意味を勝手に推測する。また、名前に関連しそうなことを独断と偏見で挙げていく。
(最終更新:2023/5/17 14:20)
新1年
天沢一夏
まず、天沢の当初の名字は麻宮だったことに言及したい。何故天沢に変更されたのか?
そこで、麻宮の「麻」に注目する。
麻とはクワ科の植物であり、夏の季語である。
そして、それから作られる麻糸があるが、亜麻(アマ)から作られる糸の名前でもある。
つまり、麻→麻糸→亜麻(アマ)→天(あま)となり、天沢に変更されたのではないか?
ところで、麻は10月20日の誕生花である。
10月20日とは綾小路の誕生日に他ならない。
また、上記サイトに以下のような記述がある。
したがって、麻から「未来の結婚相手(=綾小路)に会いたい」という解釈が可能であり、崇拝のホワイトルーム生という正体をあからさまに示唆しているために「麻宮」案が改められたのではないだろうか。
変更したものの伏線にはしたいと考え、麻と関連付けられるルートが想定できる「天沢」に決まったのだろう。
麻宮から変更されたという情報は1年生編の画集第2弾で掲載されているため、麻から連想される「崇拝のホワイトルーム生」案は却下されたとも解釈でき、花言葉などに着目するタイプの読者へのミスリードを狙ったと推測できる。
石上京
当初の表記は「石神京」だったが、2年生編4.5巻から石上に変わり、2年生編8巻のあとがきで石神は誤表記だと確定した。
石上自体は珍しい名字ではないが、その1つのルーツとして奈良県天理市がある。
奈良県は平城京のあった場所なので、名前である京によって関連性が示唆されているわけだ。
「城」と「上」はともに「じょう」という読みがあるのもそれを裏付けるといえる。
では、奈良県の石上とはどんなルーツなのか?
それは古代豪族の石上麻呂(いそのかみのまろ)だ。
石上麻呂は最終的に左大臣まで上り詰め、同時期に右大臣に昇進した藤原不比等(ふじわらのふひと)と当時の朝廷を支えたと言われている。
0巻で石上の友人として藤という少年が登場したが、これは上記の藤原不比等から出てきたのかもしれない。
また、その天理市には石上神宮(いそのかみじんぐう)という日本最古級の由緒正しい神社がある。
神社といえば、ご朱印のイメージも強い。ご朱印は当然毛筆で神社名や参拝日が書かれる。
つまり、石上が習っていたと推測されるペン習字や書道との関係が名字で回収できるといえるわけだ。
ちなみに、「京」には「高い。大きい。盛ん」という意味があり、石上の高身長を表していると解釈できる。
名前とは関係ないが、自分の考察した石上の人物像を書いた二次創作を掲載しておく。
宇都宮陸
宇都宮(うとみや)という名字は実在するものの、稀少とされている。
つまり、「うつのみや」ではなく「うとみや」と読むことには何らかの意味を持たせていると考えられる。
だがとりあえず、地名としての宇都宮の意味を見てみよう。
つまり、主君に従わない者を排除する武神が由来というわけだ。
宇都宮は身体能力が高いので、その武神をモチーフにした可能性は高い。
ちなみにその武神は豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)でいい、日本書紀によれば第十代崇神天皇の第一皇子である。
豊城入彦命は武徳にも優れていたことから、戦勝祈願の神様としても崇敬されてきた。
そして、名前の「陸」は「水面より高い平らな土地」という意味がある。
これを「大きな場所」と言い換えるのは強引だが、間違いでもないだろう。
そうすると、0巻で名前が登場した大場組という暴力団の関係者を示唆しているとも考えられる。
もしくは宇都宮にも駐屯地(https://www.mod.go.jp/gsdf/utunomiya/utsunomiyahp/)がある陸上自衛隊を示唆しているのかもしれない。
さて、「うとみや」についてだが、アナグラムによって「やみとう」となる。
これに漢字を当てると「闇(やみ)」「討(とう)」ということで、「うとみや」の読みによって「闇討ち」という意味を加えている可能性がある。
つまり、宇都宮が暗殺や不意討ちといった汚れ仕事に関わっている可能性を示唆しているわけだ。
暴力団や半グレ組織なら政治家などからそのようなことを依頼される可能性は高いだろう。
また、陸上自衛隊も特殊部隊が国家の命令で秘密裏に他国からのスパイを暗殺するなどの汚れ仕事を引き受けているということは考えられる。
汚れ仕事をやっているのかは定かではないものの、陸上自衛隊には特殊作戦群という特殊部隊が実在する。
また、特殊作戦群との関連性は不明だが、「別班」という秘密情報部隊が自衛隊にあるとされている。
したがって、名前が伏線だと仮定するなら、宇都宮は大場組か自衛隊の特殊部隊の関係者である可能性が高い。
椿桜子
椿も桜も日本との関わりが非常に深い植物である。
椿は日本原産であり、園芸品種は江戸時代から庶民の間に広まっていったとされる。
https://hobbytimes.jp/article/20180919i.html
椿にも色々な種類があるが、夏椿という品種は椿の誕生日である6月16日の誕生花になっている。
そういうわけで、椿の名字に花言葉の要素があるのだとしたら夏椿のものだと考えられるが、夏椿の花言葉は「はかない美しさ」「愛らしさ」であり、なんともいえない。強いて言えば、不憫な子だろうか。
さて、石上も宇都宮も神社との繋がりが示唆されているが、椿もそうだと解釈できなくもない。
椿大神社(つばきおおかみやしろ)がそれだ。
日本書紀にも出てくる猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)という国つ神(=土着の神)を主神として祀っていて、日本最古の神社の1つと言われている。
そして、かつて境内の周辺に白い椿(※品種は不明だが夏椿の色と合致)が植えられていたことが社名の由来となっていて、
約1300年前の奈良時代から3年毎に「椿宮」という獅子舞神事が行われている。
この神事の起源は当時の天皇が椿の大木に猿田彦大神の神面と獅子頭を彫って奉納したところ、平安の世が訪れたことによるとされている。
神社の説明が長くなってしまったが、ここから椿について分かることがある。
舞の特性「他人に語ってはならない」が椿の秘密主義を示唆し、心身の感性を研ぎ澄ませる必要性が椿の洞察力を示唆しているのだ。
ちなみにアメリカに分社がある。残念ながら2023年の6月末で閉鎖するのだが。
さて、名前の方の桜はどうかというと、桜は日本の国花とされ、古代から人々の間で親しまれてきた。
桜の花言葉は「精神の美」「優美な女性」であり、由緒のある格式高い家の娘を示唆しているとは考えられる。
ただ、椿の誕生日は桜の開花時期が過ぎた初夏なので、植物としての桜に大した意味は込められていないとも言える。
植物の桜から離れると、サクラには以下のような用法がある。
ちなみに、公安警察とは、国民の安全を維持することを目的とした警察組織のことで、国民の安全を脅かしかねない国内外の過激集団や宗教団体などを捜査対象とする。
これらを合わせると、安全維持や情報収集目的で潜入している生徒であることが示唆される。
また、よう実のジャンルである青春群像劇を芝居と解釈することで、2年生編の当初のキャッチコピーである「そして──この中に、ホワイトルームの刺客がいる」を盛り上げる役割を担っているとも言える。
つまり、椿はWRからの刺客のような動きを見せる生徒ということになり、実際八神か椿かと惑わす紛らわしい動きを見せていたので整合的である。
七瀬翼
まず、名字については
七→七夕
瀬→川→天の川
となる。つまり、夏の大三角だ。
そして、名前の方の翼ははくちょう座を示唆している。
つまり、誰かと誰かの橋渡し役が七瀬である。
勿論、翼だけではわし座の可能性もあるが、はくちょう座と解した方がより説得的だ。詳しくは別のnoteを参照。
宝泉和臣
和には「和え物」から分かるように「まぜる」という意味がある。
そして、臣には「たみ。一般の人民」という意味がある。
これらを合わせると、やや強引だが「まざっている一般生徒」という意味になり、宝泉がWRなどとは何の関連もない一般生徒のゴリラだと示唆されているわけだ。
決して、和臣の和を「平和」などと解してはいけない。あんな粗暴な人間とはかけ離れているイメージだ。
大人
綾小路篤臣
臣には他に「家来。召使い」という意味がある。そして、篤には「物事に熱心である。もっぱらである」という意味がある。
すると、「熱心な召使い」と解釈できる。
つまり、篤臣が大物政治家に熱心に付き従ってきた政治家であることを示唆する名前である。
そのときの様子が描かれた0巻で初めて明かされた名前なので、示唆されたところで予想などに影響はないが、綾小路篤臣という人物をよく表している名前と言える。
月城常成
名前の常成(ときなり)について。
「常」の読みから「常磐(ときわ)」の意味があると推測される。常磐とは「いつまでも性質が変わらない」ということ。
そして、「成」は「変化する」の他に
将棋用語として「駒が動き方を変える」という意味がある。
「変わらない」と「変わる」で正反対なため、「捉え所がない」を意味していると考えられる。
また、「動き方を変える」という性質がいつまでも変わらないと解釈すれば、「政界で動き方を変え続ける」という勝ち馬に乗るスタンスを表現していることにもなるだろう。
一方、名字の月城については「げつじょう」と読み方を変えると、「(城壁を半月形に築くところから)二の丸を囲む外郭。三の丸」という意味が出てくる。
つまり、進撃の巨人の壁の世界の東西南北にある出っ張りの区画のようなものを指すのだろう。
したがって、篤臣と綾小路の争いなどにおいて最前線にいる人物ということを表していると考えられる。
鈴懸鍛治
少し珍しい名前であるが、鈴懸は福岡発の和菓子ブランドとしてなら、知っている人もいるかもしれない。
伊勢丹新宿店の和菓子コーナーに出店しているのだが、伊勢丹の創業者は小菅丹治という人だから、「鈴懸」と「丹治」で「鈴懸鍛治」と言えるかもしれない。
また、鈴懸(すずかけ)は消す数(けすかず)とのアナグラムになっていて、「数に掛けて消す数」と捉えれば、0(ゼロ)という特殊な数字を意味することになる。
鈴懸の初登場が0巻であり、綾小路という存在の始まりを作ったという意味でも鈴懸は0と関係の深い人物と言える。
一方、椿のところでゼロに改称したとされる公安警察の組織を紹介したのを覚えているだろうか?
ゼロのかつてのコードネームがサクラだったので、鈴懸と椿との繋がりを窺わせる。
さらに、椿大神社のある三重県の鈴鹿市は鈴懸と字面が酷似している。
名前に意味があるとしたら、鈴懸は椿と何らかの関係がある者と言えるかもしれない。
例えば、鈴懸の姪っ子が椿ということが考えられる。
ところで、鈴懸はアメリカ帰りの研究者でひたすら人間観察をしていた。
アメリカ帰りの研究者といえば、サマーウォーズの陣内侘助(じんのうち わびすけ)だろう。
侘助とは椿の近種であり、椿は茶会で使われる花(=茶花,ちゃばな)としてはたいへん重宝され、「茶花の女王」という異名がある。
その中でも「侘助」は「千利休好み」といわれる特別な存在で、その控えめな美しさから「わび」「さび」の世界を置き換えて表現することのできる花だとされている。
つまり、茶会と侘助を介することによっても、「鈴懸」と「椿」が結びつくわけだ。
漢数字のつく名前
よう実には漢数字が名字もしくは名前に含まれるキャラがいる。フルネームが判明しているものに限ると以下のようになる。
天沢一夏、一之瀬帆波、松雄栄一郎
神崎隆二、二宮倉之助、二宮唯、野村雄二、町田浩二、的場信二
鴨川俊三、三井あゆみ、三宅明人
該当なし
石上五郎
高円寺六助、六角百恵
七瀬翼
八神拓也
該当なし
したがって、「四」「九」を含むキャラはまだ登場していない。
最終回までに後者だけが追加されるなら、よう実において様々な意味を持つ「4」だけが(一桁の漢数字の中で)欠番となり、特異性を付与することができる。
「九」を含む名字で登場しそうなものとしては以下のようなものが考えられる。
九条(くじょう)、九十九(つくも)、九里(くのり、くり)、九重(くじゅう、ここのえ)、十九川(とくがわ)
名前なら、新九郎、九之助、九兵衛、九之進などが候補として挙げられるだろう。