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【弁護士が解説】知っているようで知らない商標って?

 皆さん一度は「商標」という言葉を聞いたことがあると思います。「商標」とは、商品についていて、勝手に使われた場合にパクるな!と言えるものとイメージしている方が多いと思います。

 しかし、商標というのは、皆さんが思っているイメージと少し違うところがあります。
 このnoteでは、商標とはなにか?というところから、数回に渡って商標について書いていこうと思います。


1 商標とは?


 かなり噛み砕いて説明すれば、商標とは仕事上の商品またはサービスについて使用する言葉やマークのことを言います。

 この商標は、特許庁で登録をしなければ権利(商標権)として保護されません。一般的に商標と言われているのは、特許庁で登録された商標、法律上「登録商標」(商標法2条5項)と言われるものです。

2 どんなものに商標権の効力が及ぶの?


 「登録商標」といえども、ありとあらゆるものに対して、使用を禁止することは出来ません。
 なぜなら商標を登録する際には区分というものを決めなければならず、商標権として保護されるのは、登録した区分の範囲内になるからです。
 現在商標の区分は45に分かれていて(商品について34区分、サービスについて11区分)実に多くの区分が存在します。

3 登録商標の区分の具体例


 みなさんご存知のチロルチョコは、「チロル」や「チロルチョコ」という文字で、第30類(菓子及びパン)で商標登録がされています(登録番号第529702号等)。
 ですので、チロルチョコの「チロル」という商標について使用を禁止できるのは、お菓子とパン(及び類似するもの)にとどまります。
 実際に「チロル」という商標は他に登録されていて、YKKAP株式会社が第6類(建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建造物組立てセット)、及び第19類(陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物等)で商標登録がされています(登録番号第2598798号)。
 この様に、「チロル」という言葉でいくつかの商標が登録されていることからも分かるとおり、登録した区分が異なれば、原則的には商標権の効力は及びません。(なお、更に詳しい商標の範囲は次回以降で書くことにしますが区分が異なっていても類似しているとして効力が及ぶこともあります。)


今回のnoteでは商標とはどんなものか大まかに説明しました。
次のnoteでは、更に深く、知っているようで知らない商標について書いていこうと思います。

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