「カルタヘナ法」と違法メダカの話
気になるニュースを発見しました👀
カルタヘナ法の制定は平成15年、発効16年ですから、これまで逮捕者が出たことがなかったのはある意味で「治安が良い」のでしょうか?(あとでそんなことはないと判明する…)
いずれにしてもあまり聞いたことがない法律ですよね。
カルタヘナ法の来歴のこと
国際的な条約や宣言、議定書などは通常、そのままの形で国民に渡すのではなく、新たにそれに即した国内の法令をつくり、守ってもらいます(※国際法の国内法との関係性についてちゃんと知りたい方は、もっと専門的な文章を読んでくださいね!)。
カルタヘナ法「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」はカルタヘナ議定書という国際的な文書に基づいて作られた日本の法律で、カルタヘナ議定書は正式名称「生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」、カルタヘナは地名です。
「生物」…?
さて面白いのは日本のカルタヘナ法の「生物」の定義です。
かなーーーり頑張った言い方です。日本語で「生物」と言うとき、普通はそんなもの指さなくない!?
どうやらこれ、議定書の言い方に起因するものです。
「"Living modified organism"は、現代の技術を用いて獲得された新奇な組み合わせの遺伝物質を備えるすべての『living organism』を言う」(試訳)
「"Living organism"は、生殖不能なものやウィルス、ウイロイドを含む、遺伝物質を移転または複製する能力を持つ、すべての生物学的実体を言う」(試訳)
うーん……これ、Living organism=「生物」っていうより「生命体」では…?
ちなみにこの部分の英語に「核酸」は出てきませんが、あとの「modern technology」の説明に登場しています。国内の法律を作るときは単に議定書を訳せばいいというわけではないんですね。用語の選択も含め、難しい作業です。
ところで、ウイロイドって何でしょう。初めて聞きました。
アンドロイドみたいな?ロボットの一種?(無知)
ちょっと調べてみると、
・植物だけに被害をもたらすウイルスに似た病原菌
・ウイルスとの違いは、外側にたんぱく質の殻があるかどうか
だそうです。ウイルスの外側のたんぱく質の話は、ワクチンの話で話題になりましたね。ウイロイドはあの部分がないんだそうです。
ほへ~とかぼやきながら斜め読みした説明はこちら。
合法「光るメダカ」と違法「光るメダカ」
今回ニュースになった「光るメダカ」は遺伝子組み換えによるものだったためカルタヘナ法の対象になったのでしたが、実は、広い意味での「光るメダカ」自体はもともと存在するのだそうです。
光体型(Daメダカ)と呼ばれるもので、本来は自然発生する突然変異の一種。
メダカは背中側がマットな色合い、お腹側が光を反射する色になっていますが、背中側がお腹側と同じように反射するようになる変異です。
このような突然変異を研究して、交配によって保存する方法が確立され、販売も合法に行われています。もちろん放流してはいけませんが、交配による品種ということでは金魚なども大体そうですもんね。
これに対し、今回問題となったメダカは遺伝子組み換えによるもので、どうやら蛍光メダカやナイトパールという名前があるようです(今回のものも蛍光メダカと言えるものなのかは不明ですが)。
蛍光メダカは、メダカ以外の発光性質を持つ生物の遺伝子を入れて作るのだとか。
そして最初に「治安が良いのか?」と書きましたが実は…2021年の業界の方の記事で、どうやら違法な蛍光メダカが何らかの方法で時々流通しているらしい、という指摘がありました。さらに、平成18年には環境省が販売業者に指導を行ったと言う事例も。
「治安が良い」というより、「バレにくい、捕まりにくい」だったのかも。
今回の逮捕を経て、違法な業者がちゃんと捕まるようになると良いですね。
また、「ナイトパール」など名称に騙されず、怪しい生き物を買わないように気をつけましょう。
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