吸いついた

通りすがりに義父の姉の家に寄ってみました。

義父の姉ルギさん、義父の4人姉妹(姉2人妹2人の中で唯一両親が同じ。旦那に聞いても「母系社会だからさ」と何事もなく返されるけど義父の母には旦那が三人いたらしい。なかなかやるな。)

ちょうど前回子供を預かってくれた義父のすぐ下の妹ギンヒさんもいて、またまた歓迎してくれました。私にとっても子供をアミ語の環境に置かせてもらえるのはとてもありがたい。

特にこの義父の姉ルギさんは中国語があまり得意ではないのか私にもアミ語をゴリ押ししてくる。私も日常生活に使う簡単なアミ語の単語はなんとなく拾えるのでうなづいたりなんとなく笑ったりしてやり過ごしています。そんな自分が、まだ台湾に来たてで台北の師範大学中国語コースで中国語をニーハオから習い始めたばかりの右も左もちんぷんかんぷんな頃に戻れたような気がして好きです。

話は脱線するけど日本語の「ちんぷんかんぷん」て中国語の聽不懂看不懂 (ティンブートン、カンブ―トン(聞いても見てもわからない))から来てるらしいですよ。ソースも何もない豆知識ですみません。

そう車を停めるや否や、3秒後には飛んできたギンヒさんが抱っこをしてくれ、いそいそと、それはそれは飼っている犬が嬉しそうに飼い主の2m前を歩いて時々振り返る幸せな散歩のように大事そうに子供を抱いて、一応時々私の方も振り返りながらルギさんのもとへと連れて行ってくれるのです。

ルギさんは去年に大腿骨を骨折してから補助器具をつけてゆっくりと暮らしています。

子供を見るなり大喜びのルギさん。

「こっちへ連れておいで」と子供をギンヒさんから取り上げて抱っこ。私もほほえましくそんな様子を後ろから見させてもらっていた。

しばらくアミ語での雑談が続き、私も二人に合わせてなんとなくうなづいたり微笑んだりしていたのですが

ルギさんに抱かれていた子供が若干ぐずりはじめました。

ルギ「泣きそう、泣きそう」

ギン「おなか減ってるんじゃないかしら」

ルギ「おっぱい飲むかしら」

ギン「いやあんたのはちょっと・・・でも飲むかな」

ルギ「飲むかな、おっぱいあげよう」

次の瞬間・・・もちろん当然のごとくブラジャーなんてつけていないルギさんがおもむろに小花柄の開襟シャツをめくりあげ・・・おっぱいを掴み、子供の前へとほれっと差し出したのです。

あっけにとられる私。

ぐずりを一瞬やめる我が子。

吸ったー!

吸った―!!

吸い付いたー!!!

全然しぼんでないふっくらとしたおっぱい、想像するよりはるかに薄ピンクで可愛らしいルギさんの乳首に・・・吸いついたー!!

さらにあっけにとられる私。

(どうせすぐに騙されたと気づくだろう。いや気づけ、息子。違いの分かる男になってくれ、は や く 気 づ け)

そんな母の願いもむなしく子供は何の疑いもなくルギさんの乳首を吸い続けている。

まぁ、とりあえず笑ったよね。隣のギンヒさんも大爆笑。

もう笑うしかないよね。生で見る貴重な「75歳の授乳シーン」。

でもね、ルギさんの喜びようといったら、目が一瞬でパァァァッと輝く様子いったら、やめてくださいなんて言いたくなくなるレベルだったんだよね。若いうちに旦那に先立たれて、女手一つで息子二人(旦那の従兄)を育て上げ、都会へ送り出し、その後ずっと一人暮らし。最後に授乳したのなんて50年前。最近は骨折で不自由な生活。つやっつやでピカピカの赤ちゃんが無心に乳首に吸い付いてくるその感覚を一秒で取り戻したルギさんの目には涙すら浮かんでたよね、多分。

産後でホルモンバランスが狂ってる私も、「いつか子供が育っておっぱいを飲まなくなった時、今みたいに毎日3時間おきに授乳してた日々を懐かしく思って泣けてくるんだろうな、きっとルギさんくらいおばあちゃんになっても子供におっぱいをあげた日々をいとおしく思うんだろうな」と思ったらなんか今から涙がこみあげてきそうになる。

なる・・・けどとりあえず今目の前で起きている「義父の妹(75)が我が子に乳をやっている状況」という現実に引き戻されて・・・やっぱりギンヒさんと笑い続けてしまったのでした。

我が子、生後約2か月にして別の乳も経験する、の巻、でした。


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