4月30日入院2 無痛分娩の注射

寝たような、寝ていないような感じで朝を迎える。

私は一人しかいないのに、看護師さんは深夜の人、朝の人それぞれ数人ずついて入れ替わり立ち替わり見に来てくれるものだから休めない。2,3時間おきに誰かがやってくる。

朝になって旦那が朝ごはんを持ってきてくれた。でもまだまだかかりそうなので、また家に帰す。

旦那が帰って入れ替わりにカーテンの向こうの相部屋の人の家族がやってきた。もしかして同じ日に赤ちゃん生まれたりして運命のお友達ができたりするんじゃないかと少し期待していたら・・・どうやらそうでもないみたい。私は陣痛を促進するためにちょっと院内散歩に出ようと思って部屋の外に出たとき、お母さんらしき人も部屋の外に出てきたので会釈をしてみた。

お母さんの方からジャブ。

「生まれるんですね」

「あ、はい。でもまだまだっぽいです。そんな痛くないし。そちらでもですか?」

「切迫流産で入院してるの」

「・・・あ、そうだったんですね。今どれくらいなんですか?」

「もうすぐ20週なの。まだまだ先は長いのよ」

20週って私まだ胎動すらなかった頃だ。がんばってくださいねとしか言えず、なんとなくナースステーションまで歩いて行ってほかに空き室がないか聞いたら今日のお昼であらかた退院していくから部屋が空くという。ラッキー。個室に移らせてもらうことにする。切迫流産しそうでベッドから降りられない人の横で陣痛ガンガンに来るのはお互い気を使いそうだし。

旦那にその旨ラインするも既読にならず。

お医者さんが見に来てくれ、無痛分娩にするなら今は痛くなかったとしても、痛くなってから無痛希望しても間に合わないことが多いから痛くない今のうちに希望を出しておくこと、と念を押される。実際今は痛くなく、このまま乗り切れそうな気もしなくもなく、8800元が少し惜しくなってくる。これも含めて旦那にラインするも既読にならず。

おーい。

お昼が近づき、部屋移動指示が出たので急いで旦那を呼び戻す。シャワー入ってたらしい。

看護師さんが貸してくれたヨガボールを発見して遊び始める。ボールの上に乗って「シルクソレイユ!」と叫んだ時にはボール蹴ってやろうかと思った。ヨガボールもだけど奴のボール2つもね。

話を戻すと個室は一泊2400元、テレビもあるし、簡易ベッドもついてて(ただのベンチだけど)出産という一大事をするなら2400元くらいまぁいいじゃないかという気分になってくる、と共に子宮口は4センチ。無痛分娩をお願いするとワンフロア上の麻酔室へ連れていかれることになる。4センチともなると結構痛い。

痛みは5分間隔。

そういえば出産前にウースーという友達が教えてくれたことがあった。

私と旦那とでウースーの家に遊びに行ったときに、ウースーが私と旦那の手のひらに突然氷をのっけてきた。「いい?私がいいっていうまでしゃべっちゃダメ。氷を投げ出してもダメ。はい、スタート」手のひらの氷。たかが氷されど氷。手のひらがじんじんとして痛い。冷たい痛い。氷を手のひらに乗せられただけでこんなに苦しいのかと思うほど痛い。目の前でウースーは何も言わずに笑っている。なんの罰ゲームなんだろう、もう耐えられないと思ったときにウースーが言った。「はい、1分。大体陣痛と同じ。もう一回行くね、今度は私としゃべりながらいくよ、はい、スタート」ウースーはのらりくらりと自分が出産したときの話などをし始めた。私も氷を持つ手を上げたり下げたりしながらウースーの話を聞いていた、ら「はい、1分。しゃべってると早いでしょ。」とウースーがあっけなく私の手から氷を取ってくれた。

「いい?陣痛はどんだけ痛くなっても1分で収まるの。どんだけ痛くても、産んだら終わるの。だからその毎回の1分をどう気をそらすか、どうやり過ごすかで全然痛みは違うのよ」

その時は「そうなんだー」と笑ってうなづいたけど今ならわかる。ホントそう。ありがとうウースー!痛みが来るたびにのんびり深呼吸をしていると3回分の呼吸くらいでやりすごせる。ホント助かった。

さて、麻酔。

ネットで見た通り丸まって背骨を突き出すように言われるが、背中の肉が特に多い私、背骨なんて浮き出やしない。とっても心配になる。

そしてそういう麻酔したことがないのでとっても怖い。血圧が170台まであがる。背中に何か入れられてる感覚がとにかく怖い。痛くなくなるのかもしれないけどとにかく怖い。なんか骨のあたりにヒヤっとしたものを入れられる感覚、時々虫歯のようなつーんとした感覚。とりあえず陣痛の痛さはナチュラルなものだから耐えられるけど、この麻酔の感じはとにかく気持ち悪い。もし次回出産する機会があるなら無痛分娩しなくてもいいかもしれないと思うほどでした。

なんとか無痛分娩用の針を入れてもらって3階に戻される。

部屋に戻った瞬間に痛みがなくなっていくのがわかった。これが無痛分娩か。これだけでも8800元の価値はあったかも。よかった・・・。

(と思っていたのは束の間で私は結局無痛分娩麻酔はほとんど効かないタイプだったようです。最後までどれだけ麻酔追加ボタンを押しても気絶するくらい痛かったです。)

後半戦に続く。

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