※BMの処分理由を読んで思ったことをつらつらと書いているだけです。
処分理由中の黒字は個人的に気になった箇所です。
①内部監査制度や苦情処理部門を置いていないからPDCAを回せないし回す気もない、
②異常な企業風土を理由に大量採用・大量離職が繰り返されるため、人材育成を行い募集のノウハウ集積を図ることができていない
という点が、体制整備の観点からはかなり致命的。
募集人の教育・管理・指導体制がボロボロという指摘。
このあたりの事実認定は、この後に控える損保会社への処分の布石か?
「うちで保険加入してくれたら車両料金割引ますよ」はかなり強い誘因と考えられる。車両の任意保険は事故に備えて入る人多いし。
圧力募集は、生保募集だと規則234条1項2号後段事由で禁止だが、損保募集人だと指針で不適切行為として挙げられている。
損保募集で通常募集人が気を遣い、また、それをさせないように組織的に管理すべきものについて、組織全体として踏み抜いているというのは厳しい処分を受けても仕方ない感がある。
「動機」「機会」「正当化」は不正のトライアングルですね。
【不正のトライアングル】
不正行為は、以下の3つがすべて揃ったときに発生する
①動機(不正行為の実行に駆り立てる主観的事情)
②機会(不正行為を容易にさせる客観的事情)
③正当化(不正行為を積極的に是認しようとする主観的事情)
【雑感】
代理店登録を一発取消しするということもあり、かなり厚めに処分理由が説明されている。
保険募集は「保険」という公共性の高いサービスに携わるので、通常の事業会社よりも一段高いガバナンス意識や体制整備が求められる。それにもかかわらず、BMは(「大会社」でもあるのに)通常の事業会社としてのガバナンスすら備わっていなかった。募集人の禁止行為もトップが率先して行っており、体制再構築に必要な大手社によるバックアップも望めなくては、一発取消しもやむなしか……という印象を受けた。
代理店監督は今以上に厳しく見られることになるかなあ。