条文サーフィン~改正民法の波を乗りこなせ!!~(第152回)財産分離
読み易さは正義!!
「読み」のハードルを下げて、
最速で法律の条文を読んで理解する「条文サーフィン」です。
「条文サーフィン」は、平面的な条文を立体的に読み込む一つの試みです。
この記事は一体なに?という方は、初回(第1回)の最初と最後の部分に簡単な説明がありますので、是非そちらをご覧ください。
条文サーフィン~改正民法の波を乗りこなせ!!~(第1回)贈与
さて今回は、改正民法(令和2年4月1日現在の民法)から、「財産分離」です。
・民法>「第五編 相続」>「第五章 財産分離」(第941条―第950条)
では早速、魔法の条文の一行一行を「波」に見立てて、かるーく乗りこなす
「条文サーフィン」を始めましょう!!
<条文を読むヒント♪>
条文中の「……場合」と「……とき」の二つの語句を意図的に太字にしてあります。是非この太字部分を意識して読んでみてください。これだけで条文の構造がグッと見えやすくなるはずです。お試しあれ!!
〇民法(明治二十九年法律第八十九号)
第五編 相続
第五章 財産分離(第九百四十一条―第九百五十条)
第九百四十一条(相続債権者又は受遺者の請求による財産分離)
第九百四十二条(財産分離の効力)
第九百四十三条(財産分離の請求後の相続財産の管理)
第九百四十四条(財産分離の請求後の相続人による管理)
第九百四十五条(不動産についての財産分離の対抗要件)
第九百四十六条(物上代位の規定の準用)
第九百四十七条(相続債権者及び受遺者に対する弁済)
第九百四十八条(相続人の固有財産からの弁済)
第九百四十九条(財産分離の請求の防止等)
第九百五十条(相続人の債権者の請求による財産分離)
第五章 財産分離
(相続債権者又は受遺者の請求による財産分離)
第九百四十一条 相続債権者又は受遺者は、相続開始の時から三箇月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができる。相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その期間の満了後も、同様とする。
2 家庭裁判所が前項の請求によって財産分離を命じたときは、その請求をした者は、五日以内に、他の相続債権者及び受遺者に対し、財産分離の命令があったこと及び一定の期間内に配当加入の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。
3 前項の規定による公告は、官報に掲載してする。
(相続債権者又は受遺者の請求による財産分離)
第九百四十一条
相続債権者又は受遺者は、
↓
相続開始の時から
↓
三箇月以内に、
↓
相続人の財産の中から
↓
相続財産を分離することを
↓
家庭裁判所に請求することができる。
相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、
↓
その期間の満了後も、
↓
同様とする。
2 家庭裁判所が
↓
前項の請求によって
↓
財産分離を命じたときは、
↓
その請求をした者は、
↓
五日以内に、
↓
他の相続債権者及び受遺者に対し、
↓
財産分離の命令があったこと
↓
及び
↓
一定の期間内に配当加入の申出をすべき旨を
↓
公告しなければならない。
この場合において、
↓
その期間は、
↓
二箇月を下ることができない。
3 前項の規定による公告は、
↓
官報に掲載して
↓
する。
(財産分離の効力)
第九百四十二条 財産分離の請求をした者及び前条第二項の規定により配当加入の申出をした者は、相続財産について、相続人の債権者に先立って弁済を受ける。
(財産分離の効力)
第九百四十二条
財産分離の請求をした者
↓
及び
↓
前条第二項の規定により
↓
配当加入の申出をした者は、
↓
相続財産について、
↓
相続人の債権者に先立って
↓
弁済を受ける。
(財産分離の請求後の相続財産の管理)
第九百四十三条 財産分離の請求があったときは、家庭裁判所は、相続財産の管理について必要な処分を命ずることができる。
2 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。
(財産分離の請求後の相続財産の管理)
第九百四十三条
財産分離の請求があったときは、
↓
家庭裁判所は、
↓
相続財産の管理について
↓
必要な処分を命ずることができる。
2 第二十七条から第二十九条までの規定は、
↓
前項の規定により
↓
家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について
↓
準用する。
(財産分離の請求後の相続人による管理)
第九百四十四条 相続人は、単純承認をした後でも、財産分離の請求があったときは、以後、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理をしなければならない。ただし、家庭裁判所が相続財産の管理人を選任したときは、この限りでない。
2 第六百四十五条から第六百四十七条まで並びに第六百五十条第一項及び第二項の規定は、前項の場合について準用する。
(財産分離の請求後の相続人による管理)
第九百四十四条
相続人は、
↓
単純承認をした後でも、
↓
財産分離の請求があったときは、
↓
以後、
↓
その固有財産におけるのと同一の注意をもって、
↓
相続財産の管理をしなければならない。
ただし、
↓
家庭裁判所が相続財産の管理人を選任したときは、
↓
この限りでない。
2 第六百四十五条から第六百四十七条まで
↓
並びに
↓
第六百五十条第一項及び第二項の規定は、
↓
前項の場合について
↓
準用する。
(不動産についての財産分離の対抗要件)
第九百四十五条 財産分離は、不動産については、その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
(不動産についての財産分離の対抗要件)
第九百四十五条
財産分離は、
↓
不動産については、
↓
その登記をしなければ、
↓
第三者に対抗することができない。
(物上代位の規定の準用)
第九百四十六条 第三百四条の規定は、財産分離の場合について準用する。
(物上代位の規定の準用)
第九百四十六条
第三百四条の規定は、
↓
財産分離の場合について
↓
準用する。
(相続債権者及び受遺者に対する弁済)
第九百四十七条 相続人は、第九百四十一条第一項及び第二項の期間の満了前には、相続債権者及び受遺者に対して弁済を拒むことができる。
2 財産分離の請求があったときは、相続人は、第九百四十一条第二項の期間の満了後に、相続財産をもって、財産分離の請求又は配当加入の申出をした相続債権者及び受遺者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。ただし、優先権を有する債権者の権利を害することはできない。
3 第九百三十条から第九百三十四条までの規定は、前項の場合について準用する。
(相続債権者及び受遺者に対する弁済)
第九百四十七条
相続人は、
↓
第九百四十一条第一項及び第二項の
↓
期間の満了前には、
↓
相続債権者及び受遺者に対して
↓
弁済を拒むことができる。
2 財産分離の請求があったときは、
↓
相続人は、
↓
第九百四十一条第二項の
↓
期間の満了後に、
↓
相続財産をもって、
↓
財産分離の請求又は配当加入の申出をした
↓
相続債権者及び受遺者に、
↓
それぞれ
↓
その債権額の割合に応じて
↓
弁済をしなければならない。
ただし、
↓
優先権を有する債権者の権利を
↓
害することはできない。
3 第九百三十条から第九百三十四条までの規定は、
↓
前項の場合について
↓
準用する。
(相続人の固有財産からの弁済)
第九百四十八条 財産分離の請求をした者及び配当加入の申出をした者は、相続財産をもって全部の弁済を受けることができなかった場合に限り、相続人の固有財産についてその権利を行使することができる。この場合においては、相続人の債権者は、その者に先立って弁済を受けることができる。
(相続人の固有財産からの弁済)
第九百四十八条
財産分離の請求をした者
↓
及び
↓
配当加入の申出をした者は、
↓
相続財産をもって全部の弁済を受けることができなかった場合に限り、
↓
相続人の固有財産について
↓
その権利を行使することができる。
この場合においては、
↓
相続人の債権者は、
↓
その者に先立って
↓
弁済を受けることができる。
(財産分離の請求の防止等)
第九百四十九条 相続人は、その固有財産をもって相続債権者若しくは受遺者に弁済をし、又はこれに相当の担保を供して、財産分離の請求を防止し、又はその効力を消滅させることができる。ただし、相続人の債権者が、これによって損害を受けるべきことを証明して、異議を述べたときは、この限りでない。
(財産分離の請求の防止等)
第九百四十九条
相続人は、
↓
その固有財産をもって
↓
相続債権者若しくは受遺者に弁済をし、
↓
又は
↓
これに相当の担保を供して、
↓
財産分離の請求を防止し、
↓
又は
↓
その効力を消滅させることができる。
ただし、
↓
相続人の債権者が、
↓
これによって損害を受けるべきことを証明して、
↓
異議を述べたときは、
↓
この限りでない。
(相続人の債権者の請求による財産分離)
第九百五十条 相続人が限定承認をすることができる間又は相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、相続人の債権者は、家庭裁判所に対して財産分離の請求をすることができる。
2 第三百四条、第九百二十五条、第九百二十七条から第九百三十四条まで、第九百四十三条から第九百四十五条まで及び第九百四十八条の規定は、前項の場合について準用する。ただし、第九百二十七条の公告及び催告は、財産分離の請求をした債権者がしなければならない。
(相続人の債権者の請求による財産分離)
第九百五十条
相続人が限定承認をすることができる間
↓
又は
↓
相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、
↓
相続人の債権者は、
↓
家庭裁判所に対して
↓
財産分離の請求をすることができる。
2 第三百四条、第九百二十五条、
↓
第九百二十七条から第九百三十四条まで、
↓
第九百四十三条から第九百四十五条まで
↓
及び
↓
第九百四十八条の規定は、
↓
前項の場合について
↓
準用する。
ただし、
↓
第九百二十七条の公告及び催告は、
↓
財産分離の請求をした債権者が
↓
しなければならない。
以上が「第五章 財産分離」(第941条―第950条)の条文です。
ここまで読んだ貴方は、読む前の貴方とはちょっと違うはず。その違いが「条文サーフィン」を続ける意味です。
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ここだけの話。
テキストを読んでから条文を読むより、「条文」を読んでから「テキスト」を読む方が理解がグーンと進みます。理解のカギは「先に疑問を持つこと」です。
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