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条文サーフィン~改正民法の波を乗りこなせ!!~(第149回)事業に係る債務についての保証契約の特則
読み易さは正義。
「読み」のハードルを下げて、
最速で法律の条文を読んで理解する「条文サーフィン」です。
「条文サーフィン」は、平面的な条文を立体的に読み込む一つの試みです。
この記事は一体なに?という方は、初回(第1回)の最初と最後の部分に簡単な説明がありますので、是非そちらをご覧ください。
条文サーフィン~改正民法の波を乗りこなせ!!~(第1回)贈与
さて今回は、改正民法(令和2年4月1日現在の民法)から、「事業に係る債務についての保証契約の特則」です。
・民法>「第三編 債権」>「第一章 総則」>「第三節 多数当事者の債権及び債務」>「第五款 保証債務」>「第三目 事業に係る債務についての保証契約の特則」(第465条の6―第465条の10)
では早速、魔法の条文の一行一行を「波」に見立てて、かるーく乗りこなす
「条文サーフィン」を始めましょう!!
<条文を読むヒント♪>
条文中の「……場合」と「……とき」の二つの語句を意図的に太字にしてあります。是非この太字部分を意識して読んでみてください。これだけで条文の構造がグッと見えやすくなるはずです。お試しあれ!!
〇民法(明治二十九年法律第八十九号)
第三編 債権
第一章 総則
第三節 多数当事者の債権及び債務
第五款 保証債務
第三目 事業に係る債務についての保証契約の特則(第四百六十五条の六―第四百六十五条の十)
第四百六十五条の六(公正証書の作成と保証の効力)
第四百六十五条の七(保証に係る公正証書の方式の特則)
第四百六十五条の八(公正証書の作成と求償権についての保証の効力)
第四百六十五条の九(公正証書の作成と保証の効力に関する規定の適用除外)
第四百六十五条の十(契約締結時の情報の提供義務)
第三目 事業に係る債務についての保証契約の特則
(公正証書の作成と保証の効力)
第四百六十五条の六 事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前一箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。
2 前項の公正証書を作成するには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 保証人になろうとする者が、次のイ又はロに掲げる契約の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事項を公証人に口授すること。
イ 保証契約(ロに掲げるものを除く。) 主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの定めの有無及びその内容並びに主たる債務者がその債務を履行しないときには、その債務の全額について履行する意思(保証人になろうとする者が主たる債務者と連帯して債務を負担しようとするものである場合には、債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか、又は他に保証人があるかどうかにかかわらず、その全額について履行する意思)を有していること。
ロ 根保証契約 主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の範囲、根保証契約における極度額、元本確定期日の定めの有無及びその内容並びに主たる債務者がその債務を履行しないときには、極度額の限度において元本確定期日又は第四百六十五条の四第一項各号若しくは第二項各号に掲げる事由その他の元本を確定すべき事由が生ずる時までに生ずべき主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの全額について履行する意思(保証人になろうとする者が主たる債務者と連帯して債務を負担しようとするものである場合には、債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか、又は他に保証人があるかどうかにかかわらず、その全額について履行する意思)を有していること。
二 公証人が、保証人になろうとする者の口述を筆記し、これを保証人になろうとする者に読み聞かせ、又は閲覧させること。
三 保証人になろうとする者が、筆記の正確なことを承認した後、署名し、印を押すこと。ただし、保証人になろうとする者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
四 公証人が、その証書は前三号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
3 前二項の規定は、保証人になろうとする者が法人である場合には、適用しない。
(公正証書の作成と保証の効力)
第四百六十五条の六
事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする
↓
保証契約
↓
又は
↓
主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる
↓
根保証契約は、
↓
その契約の締結に先立ち、
↓
その締結の日前
↓
一箇月以内に作成された
↓
公正証書で
↓
保証人になろうとする者が
↓
保証債務を履行する意思を表示していなければ、
↓
その効力を生じない。
2 前項の公正証書を作成するには、
↓
次に掲げる方式に従わなければならない。
一 保証人になろうとする者が、
↓
次のイ又はロに掲げる契約の区分に応じ、
↓
それぞれ
↓
当該イ又はロに定める事項を
↓
公証人に口授すること。
イ 保証契約(ロに掲げるものを除く。)
主たる債務の債権者及び債務者、
↓
主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの定めの有無及びその内容
↓
並びに
↓
主たる債務者がその債務を履行しないときには、
↓
その債務の全額について
↓
履行する意思
↓
(保証人になろうとする者が
↓
主たる債務者と連帯して
↓
債務を負担しようとするものである場合には、
↓
債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、
↓
主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか、
↓
又は
↓
他に保証人があるかどうかにかかわらず、
↓
その全額について履行する意思)
↓
を有していること。
ロ 根保証契約
主たる債務の債権者及び債務者、
↓
主たる債務の範囲、
↓
根保証契約における極度額、
↓
元本確定期日の定めの有無及びその内容
↓
並びに
↓
主たる債務者がその債務を履行しないときには、
↓
極度額の限度において
↓
元本確定期日
↓
又は
↓
第四百六十五条の四第一項各号若しくは第二項各号に掲げる事由その他の元本を確定すべき事由が生ずる時までに生ずべき
↓
主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの全額について
↓
履行する意思
↓
(保証人になろうとする者が
↓
主たる債務者と連帯して
↓
債務を負担しようとするものである場合には、
↓
債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、
↓
主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか、
↓
又は
↓
他に保証人があるかどうかにかかわらず、
↓
その全額について履行する意思)
↓
を有していること。
二 公証人が、
↓
保証人になろうとする者の口述を筆記し、
↓
これを
↓
保証人になろうとする者に
↓
読み聞かせ、又は閲覧させること。
三 保証人になろうとする者が、
↓
筆記の正確なことを承認した後、
↓
署名し、
↓
印を押すこと。
ただし、
↓
保証人になろうとする者が署名することができない場合は、
↓
公証人がその事由を付記して、
↓
署名に代えることができる。
四 公証人が、
↓
その証書は前三号に掲げる方式に従って作ったものである旨を
↓
付記して、
↓
これに署名し、
↓
印を押すこと。
3 前二項の規定は、
↓
保証人になろうとする者が法人である場合には、
↓
適用しない。
(保証に係る公正証書の方式の特則)
第四百六十五条の七 前条第一項の保証契約又は根保証契約の保証人になろうとする者が口がきけない者である場合には、公証人の前で、同条第二項第一号イ又はロに掲げる契約の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事項を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、同号の口授に代えなければならない。この場合における同項第二号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。
2 前条第一項の保証契約又は根保証契約の保証人になろうとする者が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第二項第二号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により保証人になろうとする者に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。
3 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。
(保証に係る公正証書の方式の特則)
第四百六十五条の七
前条第一項の保証契約又は根保証契約の
↓
保証人になろうとする者が
↓
口がきけない者である場合には、
↓
公証人の前で、
↓
同条第二項第一号イ又はロに掲げる契約の区分に応じ、
↓
それぞれ
↓
当該イ又はロに定める事項を
↓
通訳人の通訳により申述し、
↓
又は
↓
自書して、
↓
同号の口授に代えなければならない。
この場合における
↓
同項第二号の規定の適用については、
↓
同号中
↓
「口述」とあるのは、
↓
「通訳人の通訳による申述又は自書」
↓
とする。
2 前条第一項の保証契約又は根保証契約の
↓
保証人になろうとする者が
↓
耳が聞こえない者である場合には、
↓
公証人は、
↓
同条第二項第二号に規定する筆記した内容を
↓
通訳人の通訳により
↓
保証人になろうとする者に伝えて、
↓
同号の読み聞かせに代えることができる。
3 公証人は、
↓
前二項に定める方式に従って
↓
公正証書を作ったときは、
↓
その旨を
↓
その証書に付記しなければならない。
(公正証書の作成と求償権についての保証の効力)
第四百六十五条の八 第四百六十五条の六第一項及び第二項並びに前条の規定は、事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約について準用する。主たる債務の範囲にその求償権に係る債務が含まれる根保証契約も、同様とする。
2 前項の規定は、保証人になろうとする者が法人である場合には、適用しない。
(公正証書の作成と求償権についての保証の効力)
第四百六十五条の八
第四百六十五条の六第一項及び第二項
↓
並びに
↓
前条の規定は、
↓
事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする
↓
保証契約
↓
又は
↓
主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる
↓
根保証契約の
↓
保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする
↓
保証契約について
↓
準用する。
主たる債務の範囲にその求償権に係る債務が含まれる
↓
根保証契約も、
↓
同様とする。
2 前項の規定は、
↓
保証人になろうとする者が法人である場合には、
↓
適用しない。
(公正証書の作成と保証の効力に関する規定の適用除外)
第四百六十五条の九 前三条の規定は、保証人になろうとする者が次に掲げる者である保証契約については、適用しない。
一 主たる債務者が法人である場合のその理事、取締役、執行役又はこれらに準ずる者
二 主たる債務者が法人である場合の次に掲げる者
イ 主たる債務者の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除く。以下この号において同じ。)の過半数を有する者
ロ 主たる債務者の総株主の議決権の過半数を他の株式会社が有する場合における当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者
ハ 主たる債務者の総株主の議決権の過半数を他の株式会社及び当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者が有する場合における当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者
ニ 株式会社以外の法人が主たる債務者である場合におけるイ、ロ又はハに掲げる者に準ずる者
三 主たる債務者(法人であるものを除く。以下この号において同じ。)と共同して事業を行う者又は主たる債務者が行う事業に現に従事している主たる債務者の配偶者
(公正証書の作成と保証の効力に関する規定の適用除外)
第四百六十五条の九
前三条の規定は、
↓
保証人になろうとする者が
↓
次に掲げる者である
↓
保証契約については、
↓
適用しない。
一 主たる債務者が法人である場合の
↓
その理事、取締役、執行役又はこれらに準ずる者
二 主たる債務者が法人である場合の
↓
次に掲げる者
イ 主たる債務者の総株主の議決権
↓
(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除く。
↓
以下この号において同じ。)
↓
の過半数を有する者
ロ 主たる債務者の総株主の議決権の過半数を
↓
他の株式会社が有する場合における
↓
当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者
ハ 主たる債務者の総株主の議決権の過半数を
↓
他の株式会社
↓
及び
↓
当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者が
↓
有する場合における
↓
当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者
ニ 株式会社以外の法人が主たる債務者である場合における
↓
イ、ロ又はハに掲げる者に準ずる者
三 主たる債務者
↓
(法人であるものを除く。以下この号において同じ。)
↓
と共同して事業を行う者
↓
又は
↓
主たる債務者が行う事業に現に従事している
↓
主たる債務者の配偶者
(契約締結時の情報の提供義務)
第四百六十五条の十 主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証又は主たる債務の範囲に事業のために負担する債務が含まれる根保証の委託をするときは、委託を受ける者に対し、次に掲げる事項に関する情報を提供しなければならない。
一 財産及び収支の状況
二 主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況
三 主たる債務の担保として他に提供し、又は提供しようとするものがあるときは、その旨及びその内容
2 主たる債務者が前項各号に掲げる事項に関して情報を提供せず、又は事実と異なる情報を提供したために委託を受けた者がその事項について誤認をし、それによって保証契約の申込み又はその承諾の意思表示をした場合において、主たる債務者がその事項に関して情報を提供せず又は事実と異なる情報を提供したことを債権者が知り又は知ることができたときは、保証人は、保証契約を取り消すことができる。
3 前二項の規定は、保証をする者が法人である場合には、適用しない。
(契約締結時の情報の提供義務)
第四百六十五条の十
主たる債務者は、
↓
事業のために負担する債務を主たる債務とする
↓
保証
↓
又は
↓
主たる債務の範囲に事業のために負担する債務が含まれる
↓
根保証の
↓
委託をするときは、
↓
委託を受ける者に対し、
↓
次に掲げる事項に関する
↓
情報を提供しなければならない。
一 財産及び収支の状況
二 主たる債務以外に負担している債務の有無
↓
並びに
↓
その額及び履行状況
三 主たる債務の担保として
↓
他に提供し、又は提供しようとするものがあるときは、
↓
その旨及びその内容
2 主たる債務者が
↓
前項各号に掲げる事項に関して
↓
情報を提供せず、
↓
又は
↓
事実と異なる情報を提供したために
↓
委託を受けた者が
↓
その事項について
↓
誤認をし、
↓
それによって
↓
保証契約の申込み又はその承諾の意思表示をした場合において、
↓
主たる債務者がその事項に関して情報を提供せず又は事実と異なる情報を提供したことを
↓
債権者が知り又は知ることができたときは、
↓
保証人は、
↓
保証契約を取り消すことができる。
3 前二項の規定は、
↓
保証をする者が法人である場合には、
↓
適用しない。
以上が「第三目 事業に係る債務についての保証契約の特則」(第465条の6―第465条の10)の条文です。
ここまで読んだ貴方は、読む前の貴方とはちょっと違うはず。その違いが「条文サーフィン」を続ける意味です。
<お知らせ>
当連載をもっと自在に活用するために、あるとちょっと便利な「ツール」をご用意しました。これさえあれば、読みたい条文にも素早く簡単にアクセスできます。最初から条文順に読み進めることも出来ます。時は金なり。あとは、貴方の賢明な「選択」次第!!
条文サーフィン~改正民法の波を乗りこなせ!!~(随時更新)民法【公式】リンク集
決して無駄にならない「条文素読」が学習の突破口になりますよ。
ここだけの話。
テキストを読んでから条文を読むより、「条文」を読んでから「テキスト」を読む方が理解がグーンと進みます。理解のカギは「先に疑問を持つこと」です。
学習の隙間を埋める「条文素読(条文サーフィン)」で独学(自習)応援!!
ではまた。
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