条文サーフィン~改正民法の波を乗りこなせ!!~(第142回)弁済による代位
読み易さは正義!!
「読み」のハードルを下げて、
最速で法律の条文を読んで理解する「条文サーフィン」です。
「条文サーフィン」は、平面的な条文を立体的に読み込む一つの試みです。
この記事は一体なに?という方は、初回(第1回)の最初と最後の部分に簡単な説明がありますので、是非そちらをご覧ください。
条文サーフィン~改正民法の波を乗りこなせ!!~(第1回)贈与
さて今回は、改正民法(令和2年4月1日現在の民法)から、「弁済による代位」です。
・民法>「第三編 債権」>「第一章 総則」>「第六節 債権の消滅」>「第一款 弁済」>「第三目 弁済による代位」(第499条―第504条)
では早速、魔法の条文の一行一行を「波」に見立てて、かるーく乗りこなす
「条文サーフィン」を始めていきましょう!!
<条文を読むヒント♪>
条文中の「……場合」と「……とき」の二つの語句を意図的に太字にしてあります。是非この太字部分を意識して読んでみてください。これだけで条文の構造がグッと見えやすくなるはずです。お試しあれ!!
〇民法(明治二十九年法律第八十九号)
第三編 債権
第一章 総則
第六節 債権の消滅
第一款 弁済
第三目 弁済による代位(第四百九十九条―第五百四条)
第四百九十九条(弁済による代位の要件)
第五百条
第五百一条(弁済による代位の効果)
第五百二条(一部弁済による代位)
第五百三条(債権者による債権証書の交付等)
第五百四条(債権者による担保の喪失等)
第三目 弁済による代位
(弁済による代位の要件)
第四百九十九条 債務者のために弁済をした者は、債権者に代位する。
(弁済による代位の要件)
第四百九十九条
債務者のために
↓
弁済をした者は、
↓
債権者に代位する。
第五百条 第四百六十七条の規定は、前条の場合(弁済をするについて正当な利益を有する者が債権者に代位する場合を除く。)について準用する。
第五百条
第四百六十七条の規定は、
↓
前条の場合
↓
(弁済をするについて正当な利益を有する者が
↓
債権者に代位する場合を除く。)について
↓
準用する。
(弁済による代位の効果)
第五百一条 前二条の規定により債権者に代位した者は、債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる。
2 前項の規定による権利の行使は、債権者に代位した者が自己の権利に基づいて債務者に対して求償をすることができる範囲内(保証人の一人が他の保証人に対して債権者に代位する場合には、自己の権利に基づいて当該他の保証人に対して求償をすることができる範囲内)に限り、することができる。
3 第一項の場合には、前項の規定によるほか、次に掲げるところによる。
一 第三取得者(債務者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者をいう。以下この項において同じ。)は、保証人及び物上保証人に対して債権者に代位しない。
二 第三取得者の一人は、各財産の価格に応じて、他の第三取得者に対して債権者に代位する。
三 前号の規定は、物上保証人の一人が他の物上保証人に対して債権者に代位する場合について準用する。
四 保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。ただし、物上保証人が数人あるときは、保証人の負担部分を除いた残額について、各財産の価格に応じて、債権者に代位する。
五 第三取得者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者は、第三取得者とみなして第一号及び第二号の規定を適用し、物上保証人から担保の目的となっている財産を譲り受けた者は、物上保証人とみなして第一号、第三号及び前号の規定を適用する。
(弁済による代位の効果)
第五百一条
前二条の規定により
↓
債権者に代位した者は、
↓
債権の効力及び担保として
↓
その債権者が有していた
↓
一切の権利を行使することができる。
2 前項の規定による権利の行使は、
↓
債権者に代位した者が
↓
自己の権利に基づいて
↓
債務者に対して
↓
求償をすることができる範囲内
↓
(保証人の一人が
↓
他の保証人に対して
↓
債権者に代位する場合には、
↓
自己の権利に基づいて
↓
当該他の保証人に対して
↓
求償をすることができる範囲内)に限り、
↓
することができる。
3 第一項の場合には、
↓
前項の規定によるほか、
↓
次に掲げるところによる。
一 第三取得者
↓
(債務者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者をいう。
↓
以下この項において同じ。)は、
↓
保証人及び物上保証人に対して
↓
債権者に代位しない。
二 第三取得者の一人は、
↓
各財産の価格に応じて、
↓
他の第三取得者に対して
↓
債権者に代位する。
三 前号の規定は、
↓
物上保証人の一人が
↓
他の物上保証人に対して
↓
債権者に代位する場合について
↓
準用する。
四 保証人と物上保証人との間においては、
↓
その数に応じて、
↓
債権者に代位する。
ただし、
↓
物上保証人が数人あるときは、
↓
保証人の負担部分を除いた残額について、
↓
各財産の価格に応じて、
↓
債権者に代位する。
五 第三取得者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者は、
↓
第三取得者とみなして
↓
第一号及び第二号の規定を適用し、
↓
物上保証人から担保の目的となっている財産を譲り受けた者は、
↓
物上保証人とみなして
↓
第一号、第三号及び前号の規定を適用する。
(一部弁済による代位)
第五百二条 債権の一部について代位弁済があったときは、代位者は、債権者の同意を得て、その弁済をした価額に応じて、債権者とともにその権利を行使することができる。
2 前項の場合であっても、債権者は、単独でその権利を行使することができる。
3 前二項の場合に債権者が行使する権利は、その債権の担保の目的となっている財産の売却代金その他の当該権利の行使によって得られる金銭について、代位者が行使する権利に優先する。
4 第一項の場合において、債務の不履行による契約の解除は、債権者のみがすることができる。この場合においては、代位者に対し、その弁済をした価額及びその利息を償還しなければならない。
(一部弁済による代位)
第五百二条
債権の一部について
↓
代位弁済があったときは、
↓
代位者は、
↓
債権者の同意を得て、
↓
その弁済をした価額に応じて、
↓
債権者とともに
↓
その権利を行使することができる。
2 前項の場合であっても、
↓
債権者は、
↓
単独で
↓
その権利を行使することができる。
3 前二項の場合に
↓
債権者が行使する権利は、
↓
その債権の担保の目的となっている財産の売却代金
↓
その他の当該権利の行使によって得られる金銭について、
↓
代位者が行使する権利に
↓
優先する。
4 第一項の場合において、
↓
債務の不履行による契約の解除は、
↓
債権者のみが
↓
することができる。
この場合においては、
↓
代位者に対し、
↓
その弁済をした価額及びその利息を
↓
償還しなければならない。
(債権者による債権証書の交付等)
第五百三条 代位弁済によって全部の弁済を受けた債権者は、債権に関する証書及び自己の占有する担保物を代位者に交付しなければならない。
2 債権の一部について代位弁済があった場合には、債権者は、債権に関する証書にその代位を記入し、かつ、自己の占有する担保物の保存を代位者に監督させなければならない。
(債権者による債権証書の交付等)
第五百三条
代位弁済によって
↓
全部の弁済を受けた
↓
債権者は、
↓
債権に関する証書
↓
及び
↓
自己の占有する担保物を
↓
代位者に交付しなければならない。
2 債権の一部について
↓
代位弁済があった場合には、
↓
債権者は、
↓
債権に関する証書に
↓
その代位を記入し、
↓
かつ、
↓
自己の占有する担保物の保存を
↓
代位者に監督させなければならない。
(債権者による担保の喪失等)
第五百四条 弁済をするについて正当な利益を有する者(以下この項において「代位権者」という。)がある場合において、債権者が故意又は過失によってその担保を喪失し、又は減少させたときは、その代位権者は、代位をするに当たって担保の喪失又は減少によって償還を受けることができなくなる限度において、その責任を免れる。その代位権者が物上保証人である場合において、その代位権者から担保の目的となっている財産を譲り受けた第三者及びその特定承継人についても、同様とする。
2 前項の規定は、債権者が担保を喪失し、又は減少させたことについて取引上の社会通念に照らして合理的な理由があると認められるときは、適用しない。
(債権者による担保の喪失等)
第五百四条
弁済をするについて
↓
正当な利益を有する者
↓
(以下この項において「代位権者」という。)がある場合において、
↓
債権者が
↓
故意又は過失によって
↓
その担保を喪失し、又は減少させたときは、
↓
その代位権者は、
↓
代位をするに当たって
↓
担保の喪失又は減少によって
↓
償還を受けることができなくなる限度において、
↓
その責任を免れる。
その代位権者が物上保証人である場合において、
↓
その代位権者から担保の目的となっている財産を譲り受けた第三者
↓
及び
↓
その特定承継人についても、
↓
同様とする。
2 前項の規定は、
↓
債権者が担保を喪失し、又は減少させたことについて
↓
取引上の社会通念に照らして
↓
合理的な理由があると認められるときは、
↓
適用しない。
以上が「第三目 弁済による代位」(第499条―第504条) の条文です。
ここまで読んだ貴方は、読む前の貴方とはちょっと違うはず。その違いが「条文サーフィン」を続ける意味です。
<お知らせ>
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決して無駄にならない「条文素読」が学習の突破口になりますよ。
ここだけの話。
テキストを読んでから条文を読むより、「条文」を読んでから「テキスト」を読む方が理解がグーンと進みます。理解のカギは「先に疑問を持つこと」です。
学習の隙間を埋める「条文素読(条文サーフィン)」で独学(自習)応援!!
ではまた。