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条文サーフィン~改正民法の波を乗りこなせ!!~(第131回)遺言の効力

読み易さは正義!!
「読み」のハードルを下げて、
最速で法律の条文を読んで理解する「条文サーフィン」です。

条文サーフィン」は、平面的な条文を立体的に読み込む一つの試みです。


この記事は一体なに?という方は、初回(第1回)の最初と最後の部分に簡単な説明がありますので、是非そちらをご覧ください。

条文サーフィン~改正民法の波を乗りこなせ!!~(第1回)贈与


さて今回は、改正民法(令和2年4月1日現在の民法)から、「遺言の効力」です。

・民法>「第五編 相続」>「第七章 遺言」>「第三節 遺言の効力」(第985条―第1003条)

では早速、魔法の条文の一行一行を「」に見立てて、かるーく乗りこなす
条文サーフィン」を始めていきましょう!!


〇民法(明治二十九年法律第八十九号)

第五編 相続
第七章 遺言
第三節 遺言の効力(第九百八十五条―第千三条)

第九百八十五条(遺言の効力の発生時期)
第九百八十六条(遺贈の放棄)
第九百八十七条(受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告)
第九百八十八条(受遺者の相続人による遺贈の承認又は放棄)
第九百八十九条(遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し)
第九百九十条(包括受遺者の権利義務)
第九百九十一条(受遺者による担保の請求)
第九百九十二条(受遺者による果実の取得)
第九百九十三条(遺贈義務者による費用の償還請求)
第九百九十四条(受遺者の死亡による遺贈の失効)
第九百九十五条(遺贈の無効又は失効の場合の財産の帰属)
第九百九十六条(相続財産に属しない権利の遺贈)
第九百九十七条
第九百九十八条(遺贈義務者の引渡義務)
第九百九十九条(遺贈の物上代位)
第千条
第千一条(債権の遺贈の物上代位)
第千二条(負担付遺贈)
第千三条(負担付遺贈の受遺者の免責)


第三節 遺言の効力

(遺言の効力の発生時期)
第九百八十五条 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

(遺言の効力の発生時期)
第九百八十五条

  遺言は、
   ↓
  遺言者の死亡の時から
   ↓
  その効力を生ずる。

2 遺言に停止条件を付した場合において、
   ↓
  その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、
   ↓
  遺言は、
   ↓
  条件が成就した時から
   ↓
  その効力を生ずる。


(遺贈の放棄)
第九百八十六条 受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。
2 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

(遺贈の放棄)
第九百八十六条

  受遺者は、
   ↓
  遺言者の死亡後、
   ↓
  いつでも、
   ↓
  遺贈の放棄をすることができる。

2 遺贈の放棄は、
   ↓
  遺言者の死亡の時にさかのぼって
   ↓
  その効力を生ずる。


(受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告)
第九百八十七条 遺贈義務者(遺贈の履行をする義務を負う者をいう。以下この節において同じ。)その他の利害関係人は、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができる。この場合において、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなす。

(受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告)
第九百八十七条

  遺贈義務者(遺贈の履行をする義務を負う者をいう。以下この節において同じ。)その他の利害関係人は、
   ↓
  受遺者に対し、
   ↓
  相当の期間を定めて、
   ↓
  その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の
   ↓
  催告をすることができる。

  この場合において、
   ↓
  受遺者が
   ↓
  その期間内に
   ↓
  遺贈義務者に対して
   ↓
  その意思を表示しないときは、
   ↓
  遺贈を承認したもの
   ↓
  とみなす。


(受遺者の相続人による遺贈の承認又は放棄)
第九百八十八条 受遺者が遺贈の承認又は放棄をしないで死亡したときは、その相続人は、自己の相続権の範囲内で、遺贈の承認又は放棄をすることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(受遺者の相続人による遺贈の承認又は放棄)
第九百八十八条

  受遺者が
   ↓
  遺贈の承認又は放棄をしないで
   ↓
  死亡したときは、
   ↓
  その相続人は、
   ↓
  自己の相続権の範囲内で、
   ↓
  遺贈の承認又は放棄をすることができる。

  ただし、
   ↓
  遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、
   ↓
  その意思に従う。


(遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し)
第九百八十九条 遺贈の承認及び放棄は、撤回することができない。
2 第九百十九条第二項及び第三項の規定は、遺贈の承認及び放棄について準用する。

(遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し)
第九百八十九条

  遺贈の承認及び放棄は、
   ↓
  撤回することができない。

2 第九百十九条第二項及び第三項の規定は、
   ↓
  遺贈の承認及び放棄について
   ↓
  準用する。


(包括受遺者の権利義務)
第九百九十条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。

(包括受遺者の権利義務)
第九百九十条

  包括受遺者は、
   ↓
  相続人と同一の権利義務を
   ↓
  有する。


(受遺者による担保の請求)
第九百九十一条 受遺者は、遺贈が弁済期に至らない間は、遺贈義務者に対して相当の担保を請求することができる。停止条件付きの遺贈についてその条件の成否が未定である間も、同様とする。

(受遺者による担保の請求)
第九百九十一条

  受遺者は、
   ↓
  遺贈が弁済期に至らない間は、
   ↓
  遺贈義務者に対して
   ↓
  相当の担保を請求することができる。

  停止条件付きの遺贈について
   ↓
  その条件の成否が未定である間も、
   ↓
  同様とする。


(受遺者による果実の取得)
第九百九十二条 受遺者は、遺贈の履行を請求することができる時から果実を取得する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(受遺者による果実の取得)
第九百九十二条

  受遺者は、
   ↓
  遺贈の履行を請求することができる時から
   ↓
  果実を取得する。

  ただし、
   ↓
  遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、
   ↓
  その意思に従う。


(遺贈義務者による費用の償還請求)
第九百九十三条 第二百九十九条の規定は、遺贈義務者が遺言者の死亡後に遺贈の目的物について費用を支出した場合について準用する。
2 果実を収取するために支出した通常の必要費は、果実の価格を超えない限度で、その償還を請求することができる。

(遺贈義務者による費用の償還請求)
第九百九十三条

  第二百九十九条の規定は、
   ↓
  遺贈義務者が
   ↓
  遺言者の死亡後に
   ↓
  遺贈の目的物について
   ↓
  費用を支出した場合について
   ↓
  準用する。

2 果実を収取するために支出した
   ↓
  通常の必要費は、
   ↓
  果実の価格を超えない限度で、
   ↓
  その償還を請求することができる。


(受遺者の死亡による遺贈の失効)
第九百九十四条 遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。
2 停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、前項と同様とする。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(受遺者の死亡による遺贈の失効)
第九百九十四条

  遺贈は、
   ↓
  遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、
   ↓
  その効力を生じない。

2 停止条件付きの遺贈については、
   ↓
  受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、
   ↓
  前項と同様とする。

  ただし、
   ↓
  遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、
   ↓
  その意思に従う。


(遺贈の無効又は失効の場合の財産の帰属)
第九百九十五条 遺贈が、その効力を生じないとき、又は放棄によってその効力を失ったときは、受遺者が受けるべきであったものは、相続人に帰属する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(遺贈の無効又は失効の場合の財産の帰属)
第九百九十五条

  遺贈が、
   ↓
  その効力を生じないとき、
   ↓
  又は
   ↓
  放棄によってその効力を失ったときは、
   ↓
  受遺者が受けるべきであったものは、
   ↓
  相続人に帰属する。

  ただし、
   ↓
  遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、
   ↓
  その意思に従う。


(相続財産に属しない権利の遺贈)
第九百九十六条 遺贈は、その目的である権利が遺言者の死亡の時において相続財産に属しなかったときは、その効力を生じない。ただし、その権利が相続財産に属するかどうかにかかわらず、これを遺贈の目的としたものと認められるときは、この限りでない。

(相続財産に属しない権利の遺贈)
第九百九十六条

  遺贈は、
   ↓
  その目的である権利が
   ↓
  遺言者の死亡の時において
   ↓
  相続財産に属しなかったときは、
   ↓
  その効力を生じない。

  ただし、
   ↓
  その権利が相続財産に属するかどうかにかかわらず、
   ↓
  これを遺贈の目的としたものと認められるときは、
   ↓
  この限りでない。


第九百九十七条 相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が前条ただし書の規定により有効であるときは、遺贈義務者は、その権利を取得して受遺者に移転する義務を負う。
2 前項の場合において、同項に規定する権利を取得することができないとき、又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者は、その価額を弁償しなければならない。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

第九百九十七条

  相続財産に属しない権利を目的とする
   ↓
  遺贈が
   ↓
  前条ただし書の規定により
   ↓
  有効であるときは、
   ↓
  遺贈義務者は、
   ↓
  その権利を取得して
   ↓
  受遺者に移転する義務を負う。

2 前項の場合において、
   ↓
  同項に規定する権利を取得することができないとき、
   ↓
  又は
   ↓
  これを取得するについて過分の費用を要するときは、
   ↓
  遺贈義務者は、
   ↓
  その価額を弁償しなければならない。

  ただし、
   ↓
  遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、
   ↓
  その意思に従う。


(遺贈義務者の引渡義務)
第九百九十八条 遺贈義務者は、遺贈の目的である物又は権利を、相続開始の時(その後に当該物又は権利について遺贈の目的として特定した場合にあっては、その特定した時)の状態で引き渡し、又は移転する義務を負う。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(遺贈義務者の引渡義務)
第九百九十八条

  遺贈義務者は、
   ↓
  遺贈の目的である物又は権利を、
   ↓
  相続開始の時(その後に当該物又は権利について遺贈の目的として特定した場合にあっては、その特定した時)の状態で
   ↓
  引き渡し、又は移転する義務を負う。

  ただし、
   ↓
  遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、
   ↓
  その意思に従う。


(遺贈の物上代位)
第九百九十九条 遺言者が、遺贈の目的物の滅失若しくは変造又はその占有の喪失によって第三者に対して償金を請求する権利を有するときは、その権利を遺贈の目的としたものと推定する。
2 遺贈の目的物が、他の物と付合し、又は混和した場合において、遺言者が第二百四十三条から第二百四十五条までの規定により合成物又は混和物の単独所有者又は共有者となったときは、その全部の所有権又は持分を遺贈の目的としたものと推定する。

(遺贈の物上代位)
第九百九十九条

  遺言者が、
   ↓
  遺贈の目的物の滅失若しくは変造又はその占有の喪失によって
   ↓
  第三者に対して償金を請求する権利を有するときは、
   ↓
  その権利を遺贈の目的としたもの
   ↓
  と推定する。

2 遺贈の目的物が、
   ↓
  他の物と付合し、又は混和した場合において、
   ↓
  遺言者が
   ↓
  第二百四十三条から第二百四十五条までの規定により
   ↓
  合成物又は混和物の単独所有者又は共有者となったときは、
   ↓
  その全部の所有権又は持分を遺贈の目的としたもの
   ↓
  と推定する。


第千条 削除


(債権の遺贈の物上代位)
第千一条 債権を遺贈の目的とした場合において、遺言者が弁済を受け、かつ、その受け取った物がなお相続財産中に在るときは、その物を遺贈の目的としたものと推定する。
2 金銭を目的とする債権を遺贈の目的とした場合においては、相続財産中にその債権額に相当する金銭がないときであっても、その金額を遺贈の目的としたものと推定する。

(債権の遺贈の物上代位)
第千一条

  債権を遺贈の目的とした場合において、
   ↓
  遺言者が弁済を受け、
   ↓
  かつ、
   ↓
  その受け取った物がなお相続財産中に在るときは、
   ↓
  その物を遺贈の目的としたもの
   ↓
  と推定する。

2 金銭を目的とする債権を遺贈の目的とした場合においては、
   ↓
  相続財産中にその債権額に相当する金銭がないときであっても、
   ↓
  その金額を遺贈の目的としたもの
   ↓
  と推定する。


(負担付遺贈)
第千二条 負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。
2 受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(負担付遺贈)
第千二条

  負担付遺贈を受けた者は、
   ↓
  遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、
   ↓
  負担した義務を履行する責任を負う。

2 受遺者が遺贈の放棄をしたときは、
   ↓
  負担の利益を受けるべき者は、
   ↓
  自ら
   ↓
  受遺者となることができる。

  ただし、
   ↓
  遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、
   ↓
  その意思に従う。


(負担付遺贈の受遺者の免責)
第千三条 負担付遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴えによって減少したときは、受遺者は、その減少の割合に応じて、その負担した義務を免れる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(負担付遺贈の受遺者の免責)
第千三条

  負担付遺贈の目的の価額が
   ↓
  相続の限定承認又は遺留分回復の訴えによって
   ↓
  減少したときは、
   ↓
  受遺者は、
   ↓
  その減少の割合に応じて、
   ↓
  その負担した義務を免れる。

  ただし、
   ↓
  遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、
   ↓
  その意思に従う。


以上が「第三節 遺言の効力」(第985条―第1003条)の条文です。

ここまで読んだ貴方は、読む前の貴方とはちょっと違うはず。その違いが「条文サーフィン」を続ける意味です。


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ではまた。

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