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条文サーフィン~改正民法の波を乗りこなせ!!~(第144回)単純承認
読み易さは正義!!
「読み」のハードルを下げて、
最速で法律の条文を読んで理解する「条文サーフィン」です。
「条文サーフィン」は、平面的な条文を立体的に読み込む一つの試みです。
この記事は一体なに?という方は、初回(第1回)の最初と最後の部分に簡単な説明がありますので、是非そちらをご覧ください。
条文サーフィン~改正民法の波を乗りこなせ!!~(第1回)贈与
さて今回は、改正民法(令和2年4月1日現在の民法)から、「単純承認」です。
・民法>「第五編 相続」>「第四章 相続の承認及び放棄」>「第二節 相続の承認」>「第一款 単純承認」(第920条・第921条)
では早速、魔法の条文の一行一行を「波」に見立てて、かるーく乗りこなす
「条文サーフィン」を始めましょう!!
<条文を読むヒント♪>
条文中の「……場合」と「……とき」の二つの語句を意図的に太字にしてあります。是非この太字部分を意識して読んでみてください。これだけで条文の構造がグッと見えやすくなるはずです。お試しあれ!!
〇民法(明治二十九年法律第八十九号)
第五編 相続
第四章 相続の承認及び放棄
第二節 相続の承認
第一款 単純承認(第九百二十条・第九百二十一条)
第九百二十条(単純承認の効力)
第九百二十一条(法定単純承認)
第一款 単純承認
(単純承認の効力)
第九百二十条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。
(単純承認の効力)
第九百二十条
相続人は、
↓
単純承認をしたときは、
↓
無限に
↓
被相続人の権利義務を
↓
承継する。
(法定単純承認)
第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。
(法定単純承認)
第九百二十一条
次に掲げる場合には、
↓
相続人は、
↓
単純承認をしたもの
↓
とみなす。
一 相続人が
↓
相続財産の全部又は一部を処分したとき。
ただし、
↓
保存行為
↓
及び
↓
第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、
↓
この限りでない。
二 相続人が
↓
第九百十五条第一項の期間内に
↓
限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、
↓
限定承認又は相続の放棄をした後であっても、
↓
相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、
↓
私にこれを消費し、
↓
又は
↓
悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。
ただし、
↓
その相続人が相続の放棄をしたことによって
↓
相続人となった者が
↓
相続の承認をした後は、
↓
この限りでない。
以上が「第一款 単純承認」(第920条・第921条)の条文です。
ここまで読んだ貴方は、読む前の貴方とはちょっと違うはず。その違いが「条文サーフィン」を続ける意味です。
<お知らせ>
当連載をもっと自在に活用するために、あるとちょっと便利な「ツール」をご用意しました。これさえあれば、読みたい条文にも素早く簡単にアクセスできます。最初から条文順に読み進めることも出来ます。時は金なり。あとは、貴方の賢明な「選択」次第!!
条文サーフィン~改正民法の波を乗りこなせ!!~(随時更新)民法【公式】リンク集
決して無駄にならない「条文素読」が学習の突破口になりますよ。
ここだけの話。
テキストを読んでから条文を読むより、「条文」を読んでから「テキスト」を読む方が理解がグーンと進みます。理解のカギは「先に疑問を持つこと」です。
学習の隙間を埋める「条文素読(条文サーフィン)」で独学(自習)応援!!
ではまた。