目指せ総理への道! 内閣総理大臣へのなり方を調べてみた。
自民党総裁選が行われ、菅さんが総裁に選ばれました。これで次の総理は菅さんで確定ですね。ニュー●ータニのパンケーキの売り上げも微増しそうです。とはいえ、なんで自民党の総裁=総理?そういえば総理ってどうやって決まるんだろう。改めて聞かれるとスッキリ答えられない。
ということで、もしかしたら来るかも知れないその日に備えて、内閣総理大臣へのなり方を調べてみた。!
そもそも内閣総理大臣a.k.a.首相とは?
内閣総理大臣は、内閣のリーダー。内閣は行政権を司っているので、内閣総理大臣は行政権のトップに位置する。仕事内容は内閣のメンバーを決めたり、内閣を代表して議案を国会に提出したり、外交をしたり、行政機関を指揮したりする(憲法72条)。職務内容が憲法で定められている希有な存在であり、それだけ重要な地位ってことなのかな。ちなみに、首相は内閣総理大臣の通称の一つで法律的には正式な名称ではない。
内閣総理大臣になるための条件
ずばり「国会議員」であること。
まぁ、この条件を満たすのが難しいですよね。ちなみに、国会議員になるには衆議院の場合は投票日の時点で満25歳以上(参議院の場合は満30歳以上)で日本国籍を有している必要がある。
(国会議員になった後の)総理大臣への道のり
では、総理大臣が決まるシステムをみてみよう。憲法や法令では、国会の議決で指名され(憲法67条)、天皇の任命(憲法7条5号)を経て、晴れて内閣総理大臣となると定められている。首相がモーニングを着て、天皇から賞状みたいな物をもらっている映像を見たことありませんか?あれが「天皇の任命」にあたります。
法令上のシステムは分かったとはいえ、国会の議決を得るには過半数の票を得る必要がある。つまり自分を総理にしたい議員の票を過半数得る必要がでてくる。「友達いない…」とか言っていられないってことですね。議員も大変。
現実的には党に所属し、党の代表として、国会で党所属の議員に投票してもらっている。要は今なら与党である自民党のトップになる必要があるわけだ。
自民党のトップになるには?
では、自民党のトップになるにはどうすればよいのか?うーん、具体的方法は専門外なのでその手の人に任せるとして。今回は自民党の総裁(自民党トップの人の名称)の決め方をみてみよう。
自民党の総裁は原則総裁選によって決められる。まずは、総裁選への被選挙権の要件は以下の通り。
【自民党総裁選の被選挙権の要件】
・党所属の国会議員(総裁公選規程-党則 第9条)
・党所属の国会議員20人により、推薦された者(総裁公選規程-党則 第10条1項)。
・総裁を4期以上務めていない(総裁公選規程-党則 第10条4項)
次は自民党総裁選の選挙権を有する人の一覧は以下通り。
【自民党総裁選の選挙権を有する人】
下記のいずれかの条件を満たした日本人で20歳以上(総裁公選規程-党則 第6条)の者
・党所属の国会議員
・前二年の党費を納入した党員
・前二年の会費を納入した自由国民会議会員等
票の数え方
そして面白いのが票の扱い方。単純に選挙権のある人の投票数で当選者を決めるわけではない。今回は都道府県ごとに都道府県連代表票として3票が割り当てられ、各都道府県連の代表者がその3票を投票する方式を採っている。具体的に今回の事例で見ると、「国会議員票」394票と「地方票」141票(47×3)の合計535票で争われた。
各都道府県の3票の割り振り方は都道府県に任されており、地方ごとで選挙をしてその割合で誰に投票するのかを決めるところもあれば、幹部で誰に投票するか決めてしまうこともあるとか。3票の内訳もすべて一人に投票する所もあれば、地方の選挙の結果を反映して3票を分ける所もあるみたい。
一方で、今回とは異なり任期満了に伴う総裁公選規程による総裁選挙の場合は党所属国会議員と同数の票を各候補ごとにドント方式を用いて分配している。
例えば「国会議員票」394票なら、「地方票」は394票となりこの地方票394票をドント方式で割り振っていく。
※ドント方式とは、議席を配分するための計算式。この方式は衆参比例代表選挙で用いられている。
今回の場合、地方票は国会議員票の半分以下だけど、任期満了による選挙の場合は同数となるので地方票はバカにできないですね。日頃から地方への配慮を忘れないようにしないと!
そして当選者は、過半数の票を得た者となっています。過半数の票を得た者がいない場合は得票数の上位2名により党所属国会議員と都道府県連代表票による決選投票を行い、得票数の多かった者が当選者となります。
今回は、最初の投票で菅さんが535票中の377票を獲得し、一発で過半数を超えました。あとは国会でみんなに投票してもらい、天皇の任命で正式に菅さんが内閣総理大臣です。
菅さん、パンケーキを食べつつも、頑張って!!
参考:◆「総裁選2020」(自由民主党)
https://www.jimin.jp/election/sousai20/
参考:◆「内閣総理大臣になるためには」(首相官邸ホームページ)
https://www.kantei.go.jp/jp/kids/souri_naru.html