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そのコスプレ違法かも?コスプレが違法となるラインを検討してみた。


すっかり肌寒くなってきましたね。季節が秋へと移り変わっているのを肌で感じます。

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秋のイベントと言えば、体育祭や文化祭、最近はハロウィンと言ったところでしょうか。今年はコロナの影響で例年のようにパーティーを行うことは難しいでしょう。ハロウィンの本場アメリカでも、お菓子のカツアゲは避けるように呼びかけているとか。日本でも、例年ハロウィンで盛り上がるディズニーではイベントは行わないことが発表されています。
とはいえ、いつだって楽しんだ人勝ちです。

今年は家で一人コスプレしかできませんが、いずれ街を歩ける日に向けて、コスプレの注意点を調べてみました。


そもそもコスプレは合法なのか

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いきなり論ですが、これはなかなか複雑なところです。結論から言えば、家でひっそりとコスプレを楽しんでいる限りは、合法です。まさにステイホームにはぴったり!単独行動主義者にも朗報ですね。

違法なコスプレとは?

では、違法なコスプレって何なの?そもそも何に反するの?というと、法律問題的には、著作権、肖像権、パブリシティ権、軽犯罪法辺りの問題が生じそうです。今回はその辺りを検討していきます。

著作権とコスプレの関係

まずは著作権から。本題に入る前に、以下の単語の意味を押さえておこう。

著作物:自分の思想や感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの
著作者:著作物を創作した人
著作権:著作者に対して法律によって与えられる権利のこと
参考:◆「著作権制度の概要」(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/index.html

そして、著作権とコスプレとの関係では以下の3点が主な問題となる模様。
①コスプレ衣装の製作の適法性
②人前でコスプレすることの適法性
③コスプレイヤーの著作権

それでは、それぞれ見てみましょう。

コスプレ衣装の製作の適法性

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著作権法では、キャラクターのコスプレ衣装の製作は,著作物の複製(著作権法21条)又は翻案(著作権法27条)にあたりうる。そして、原著作物の著作者の許諾を得ていない場合は著作権への侵害となる可能性があり、違法となりうるのだ。

(複製権)
第二十一条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
(翻訳権、翻案権等)
第二十七条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。

え、じゃあコスプレ全般的にNGじゃん…と思われるところですが、ご安心を。個人で楽しむ限り(私的使用)では、衣装の製作は認められています。

(私的使用のための複製)
第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

じゃあ、商いとして依頼を受けてお金が発生したり、個人で使用する規模を超えた量を制作したりするのはNGだけど、個人が楽しむ範囲で行うコスプレ制作は著作権的に問題なしってことね♪ めでたしめでたし…。で、終わらないのがコスプレ問題のややこしいところ。

そもそも、著作権により保護される対象はどこまでか、私的使用の範囲とは?複製、翻訳の定義とは?等々、具体的に検討すると、見解が分かれ得るのがややこしいところ。

また、私的使用の範囲でコスプレを制作したとしても、その衣装を第三者に売ったり、貸したりすると、違法となりうる(著作権法26条の2,26条の3)。

少なくとも、個人が自分でコスプレを制作する限りでは私的使用にあたり、著作権侵害は生じないとされている。こちらも、単独行動主義者に朗報ですね。

人前でコスプレすることの適法性

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コスプレの醍醐味のひとつは、人に見てもらうこと。そこで生じるのが、コスプレ衣装を着て他人の目に入ることが著作権的にどうなの?ってこと。まずは、コスプレ元の著作者との関係での問題をみてみよう。

まぁ、こちらも見解が色々あっておもしろいところなんですよね。

そもそも、コスプレを様々な人の目に触れさせる行為が、著作権的に何にあたるのか、の点で見解が分かれている。コスプレはコスプレイヤーがそのキャラを演じるのだから上演にあたるとする「上演説」。いやいや、シンプルに著作物を展示しているのだから「展示説」という見解。いずれの説を採ったとしても、制作の場合と同様、私的利用の範囲に留まり、お金儲けとして行わない限りは、適法となると考えられている。(著作権法30条、38条、45条)

また、後述するようにコスプレイヤーやコスプレ衣装制作者にも著作権が生じる場合があるんだけど、その場合でもコスプレを上演・展示する権利について原著作者(コスプレ元の創作物の著作者)にも権利があるとする見解もある。この見解からだと、原著作権者にもコスプレを公表することについて許諾を得なければならなくなる(著作権法28条)。

と、法律的に検討してみたけど、みんな許可とかちゃんととって…ない…ような…。そもそもコスプレが著作権侵害にあたるって中々判断されにくいみたい。少し前に話題になったマリカー訴訟でも、コスプレが著作権侵害にあたるとは判断されてないしね。著作者もコスプレイヤーも空気を読み合って楽しもうってことかな。

※マリカー訴訟
人気ゲーム「マリオカート」に出てくるキャラクターのコスプレをして都内の車道をカートで爆走するサービスを提供していた会社が任天堂に訴えられた訴訟。最終的にはカート会社は「マリカー」の名称の使用が禁止され、任天堂に5000万円支払うことになった。

参考:◆「著作物が自由に使える場合」(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html

参考:◆「ファッションロー(第6章 コスプレの法的保護)」(角田政芳・関真也 著)
https://legal-library.jp/contents/51531-236

コスプレイヤーの著作権の問題

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今まではコスプレ元の著作者との関係をみてきました。次にコスプレイヤー自身の著作権を検討してみよう。

コスプレが創作的に表現した物にあたる場合には、当然コスプレイヤー自身にも著作権が生じる。したがって、コスプレイヤーの許可無くその姿をネットに上げると上映権(著作権法22条の2)や公衆送信権(同法23条)への侵害が問題となる。写真を上げたい時は、ちゃんとコスプレイヤーに確認してね。

肖像権とパブリシティ権の問題

更に、コスプレイヤーの写真や映像を無断使用する場合には、そのコスプレイヤー自身に生じている肖像権やパブリシティ権、上演権や展示権を侵害することになる。
というわけで、勝手に写真を撮りネットに上げたりするのは絶対にダメ。

※肖像権:承諾なしに、自分の容姿・姿態を撮影されない権利のこと
※パブリシティ権:人に備わっている、顧客吸引力を中核とする経済的な価値(パブリシティ価値)を保護する権利

他にもこんな違法が…

・肌の露出
これはイメージしやすいよね。軽犯罪法で、公衆で嫌悪感を生じさせるような肌の露出は禁止されている(軽犯罪法1条20号)。

あまりにもひどい露出だと公然わいせつ罪(こちらは刑法。懲役になる可能性もあるよ)に問われることになるから、仕舞うべき物は仕舞っておこう!

・警察官等のコスプレ
リアル過ぎる警察官や自衛官のコスプレをすると、本物と混同されて大騒ぎになる。ということで、本物そっくりなコスプレは法で禁止されているので注意しよう(軽犯罪法1条15号)。ちなみに、フィクションの世界の警察官とかミニスカポリスは大丈夫みたい。

・刀の所持
いやいや、本物の刀なんて持っているわけないでしょ!とツッコミが入りそうだけど、本物の刀でなく模造刀の場合も禁止されているので注意しよう(銃刀法第22条の4)。炭治郎よりは無惨のコスプレの方が安全だね。


空気を読み合って、適法にコスプレを楽しみましょう!

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