スーパーバイザーの仕事・コールセンター就業のススメ
わたしが顧客企業から相談を受ける内容でベスト10に入るのが、コールセンターにおけるスーパーバイザーの評価をどうするかです。
何をもって彼ら彼女らを評価すればよいのか迷うとおっしゃるのです。そもそもですがスーパーバイザーの評価軸で迷うのには明確な理由があります。さまざまなことを"やらせ過ぎ"なのです。もちろん目標設定しているはずなのですが、それも"やらせ過ぎ"だといざ評価のときに評価者は迷います。
各社のコールセンターにおけるスーパーバイザーの定義もさまざまです。共通項として明らかなのはオペレータではないということだけです。しかし、なかにはオペレータと同じ仕事をしているスーパーバイザーがいます。これは"やらせ過ぎ"です。というより''やり過ぎ"と言った方が適切かもしれません。
いわゆるスーパーバイザーの仕事にくわえ、オペレータと同じ仕事をしてしまうような"やり過ぎ"る理由はいくつかあります。
①スーパーバイザーの仕事に慣れていない
②問い合わせ対応がシンプルに好き
③そもそもマインドがオペレータのまま
④仕事的に勝てることで勝ちたいだけ
⑤オペレータも十分にできることを見せたい
⑥オペレータ業務に逃げる
⑦顧客企業や周囲からの圧力がすごい
⑧上司やセンター長から求められる
⑨職務内容定義としてオペレータ業務を含む
挙げればキリはありませんが、ざっとこのようなことが言えます。①から⑥までは本人の問題、⑦から⑨までは狭義の意味でマネジメント層の問題です。⑥だけは深刻な状態なのでスーパーバイザーから外してあげてください。大きく捉えるなら①から⑨までは広義の意味でマネジメント層の問題です。責任の所在は、センター長もしくはマネージャです。一般的にセンター長=課長級です。課長を指揮監督するのは部長の役割なので最終的な責任は部長へ帰結します。
スーパーバイザーの仕事は、オペレータに代表されるメンバーのために働き、メンバーをとおして成果を出すことです。スタンドプレーは不要です。チームワークを促進してチームワークによって成果を出すのです。よって大別して評価軸は以下に集約できます。
つまり、
1.生産性
2.品質性
3.収益性
の三項目です。
換言すれば、この三項目がスーパーバイザーの仕事の根幹であり、強いスーパーバイザーの基本的な能力とも言えます。これはあくまでも大項目なので、所属する企業、組織、チームの方針と戦略によって中項目以下の内容は異なります。そのセンターにとって機能している状態とは、どのような状態なのか?このことに尽きます。
ゆえに、スーパーバイザーの評価で迷うのは、これらの観点や視座が乏しいことに由来します。足元が固まっていないので迷うのです。これら骨組みがしっかりしていれば決してスーパーバイザーの評価で迷うことはありません。
そして、マネジメント層はやらせ過ぎることはありませんし、スーパーバイザー自身もやり過ぎることはなくなります。但し、逃げるスーパーバイザーは逃してあげてください。無理にやらせても誰も得はありません。
スーパーバイザーの仕事は、極めれば職業能力としてAIに代替されることのない創造的な仕事なのです。コールセンターという職場で十分に鍛錬でき、身につけることができます。素敵なスーパーバイザーは確かに存在します。