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2nd22話[フルーツバスケット アニメ伏線解説]

『俺は、嫌なんだ!』

原作第86・87話。

最初の頃はただのクラスメイトで、本田透のことは特別意識していなかった由希くん。紫呉の家に招いたのも、助けたいという思い以上に、草摩への反抗心からきたものだった。
それがいつしか、お母さんの愛情を感じるようになった。

よくわかんないや、とはっきり言うのが真鍋。

2nd19話で、由希くんはリンと一つだけ似てることがある、と言っていましたが、それは透くんにお母さんを求めているということ。

「(気づいたのは何故だろう あの夜だった気がする)」

由希くんがこの透くんへの感情に気づいたのは、1st24話。
夾くんが”化け物”の姿になった日ですね。あの日透くんは夾くんを追いかけましたが、その姿が”母”の姿ではなく”女”に見えた由希くん。

ここが由希くんと夾くんの決定的な差、なんですねー。

透くんに対してお母さんを求めていた由希くんは、最初その感情を認めたくなくて蓋をしていました。そして、それを隠すためにわざと自分が”男”として透くんを”女”として扱った。今までの透くんに見せていたキラキラ王子様ムーブは素ではなかったんですね。

ここで真鍋は悪いことなのか、と聞きます。確かに恋人に母親を求める男の人はいますよね。もちろん、それが悪いことでもない。
夾くんに敵わないから諦めてるだけなんじゃ、と言う真鍋。
由希くんはそんなんじゃない、と答えます。

「あいつは彼女をちゃんと女として見ている」
「『好きだ』って目が言ってる」
「(彼女もあいつにだけは)」

しかし、そんな事が理由じゃない由希くん。恋人に母親みを求めて付き合っているカップルだっている、そういう気持ちで成り立つ二人だっている。

「ただ俺は、俺は嫌だ」「俺は、嫌なんだ」


この台詞、本当に由希くんらしさが溢れていますよね。男性が女性に甘えたりする恋人たちを否定しているのではなくて、ただ由希くん自身がそうなるのが嫌だという話。

由希くんは今まで透くんから愛や温もりを与えられていたけれど、自分からは何も与えていないことに気がついたのでしょう。由希くんは、対等の目線で必要として必要とされたい人がいい。
由希くんが家庭菜園しているのにもつながりますが、由希くんは何かに必要とされたい人なんですよね。


と、真鍋のボールを受け公がやって来たところで一気にギャグ化しましたw

誰にも話せなかったことを話したからかスッキリした由希くん。
素直で正直に反応してくれる真鍋だからこそ色々話せるんでしょうね。

真鍋は、なんでそのことを透くん本人に言わないのか聞きます。
それは、一緒に過ごす時間はまだ残っているから、今言ってしまうと透くんは気に病みすぎてしまうかもしれないから。
いつか、透くんに伝えられる日は来るのでしょうか。


その夜、紫呉宅では・・・

台所で透くんと紫呉が文化祭の劇について話していますw何故台所w

夾くんに台本を盗られた透くんはなんとか取り返そうとします。また玄関前でイチャイチャと・・・と思ったらちょうど由希くんが帰って来ます。
紫呉はお鍋がふいてるからと透くんを呼びます。吹いてるなら止めろよ()


2階に上がろうとする夾くんを呼び止めた由希くん。

「あの帽子だけど 今は本田さんの手元にある」
「わざわざ返さなくてもいいよな」


あっさりと帽子のことを話せる由希くんは、もう過去を振り切っているからでしょうか。一方の夾くんはなかなか抱えているものがまだたくさんあります。


「(大切な人 憧れの人 欲しくてたまらなかったものをくれた尊い人)」
「(倖せになってほしい 誰よりも)」

「(きっと来る その時に伝えることもできるはず)」
「(たくさんのありがとうと一緒に)」
「(曇りなく まっすぐに)」

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原作第87話。
文化祭の準備に取り掛かる生徒たち。

透くんたちのクラスはシンデレラの劇をやることになりましたが、配役のせいもありなかなかうまくいきません。笑

ちなみに衣装はというと、由希の兄・綾女が担当していました。

原作では教室に夾くんもいるのですが、アニメではいませんね。

綾女「さぁ由希 神妙に計られたまえっ ゴージャスかつスレンダーな王子にしてみせようっ」
由希「違うよ 王子役は俺じゃなくて 逃げようとしてる夾(あいつ)」
夾 「・・・・・」
綾女「キョン吉がねぇ・・・そうかいそうかい ふぅ〜〜んわかったよ ゴージャスかつスレンダーにしてやらないコトもないがね」
夾 「(どーでもいいことに変わりはないがあの態度がムカつくって気持ちも否定できない・・・っ)」


ミスキャストでどうにもならないため、台本を書き換えるという脚本担当の生徒。
書き換えるなら、王子役も夾くんに合わせたらいいのではないか、と透くんが言います。そうしたら、練習にも参加してくれるかもしれない。
生徒会に行く由希くんは、ついでに夾くんを探しに行きます。

ここで夾くんの回想が入ります。
元々あの水色の帽子は夾くんのものでしたが、由希くんに触られたからもういらないと言っています。
ここで映るのは、金髪の髪の長い女性・・・。

▷Final8話

階段に居た夾くんは由希くんに見つかります。

夾くんは由希くんに言われた言葉のせいでずっと最悪だと言いますが、その言葉とは先ほど、紫呉宅の玄関前でしたあの帽子の話。

文句があるなら何も言わずにそういう態度を取るのではなく、俺に直接言えと由希くん。
この二人の言い合いも久しぶりですね。
夾くんからしたら、両親もいて子憑きとして周りからちやほやされて、何不自由なく生きてきた”王子様”なんですよね。

途中思い出すのはまた先ほどの金髪の髪の長い女性、というかもうこれは今日子さんです。

「そうであってほしいんだろ?」
「『嫌な存在』がいてくれないと自分が困るんだろ?」


この言葉を思い出して、窓ガラスを割る夾くん。
この言葉を思い出さなかったら、今までのように由希くんに殴りかかってたかも。つまり、この今日子さんの台詞は、夾くんを苦しめている境遇は、実は由希くんは一切関係ないということを表している。

夾くんにも、プリ由希1年の子にも”王子様”と言われる由希くんですが、真知は王子様を否定します。

夾くんが戻った教室には透くんがいました。
台本もあっという間に書き直されています。

「(一人で何を想いながら待っていてくれたんだろう)」

少しは由希くんの言葉に反省した夾くん。

そして、少しは劇をやる気になりました。

夾くんに顔を近づけられた透くんが・・・・っ!!涙

これは恋する乙女の顔ですわ・・・由希くんが顔を近づけたら、透くんはパニックになりますが、こんなガチ照れの顔にはならないですもんね。(1st25話参照)



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