煙夢

1人の時間が好きだ。
特に食後に訪れる空白の時間のために生きていると言っても過言でない。

当然食べること自体も好きだ。
食事中には味付けのことや自らの所作に関して意識が向いて新鮮さがある。食事後はとりわけ幸せな未来のことがぼんやり浮かんできたり店内装飾の世界に入り込むことができて好きだ。

煙のようになびいた心地で微睡んだ時間。
「次はジェラートが食べたいな。大福でもいいな」とか「西洋の街並みを感じるな。道の真ん中に堂々と寝る猫ちゃんになりたい」みたいな夢心地。

でも、最後は結局あなたの記憶が浮かんでは消えていく、そんな煙に酔っている。


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