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【アラフィフエッセイ】第三の居場所を見つけた
「将棋が好きなら、来てごらんよ」
ある方の声かけによって、小学生の息子がおじいさん達が集う
将棋倶楽部に参加することになりました。
① 将棋好きが集う場所
将棋倶楽部は、週末の午後に公共施設の一室を借りて、
時間の許す限り自由に対局するそうです。
自由参加ながら、
毎週60代~80代の男性が10名以上も集まるそうで、
それぞれ来られたタイミングで
「私と一局しませんか?」
と声を掛け合って対局していました。
いつ来ても、いつ帰ってもOK。
このゆるさが、何だか心地よい。
まさに、憩いの場と言えます。
職歴や年齢を問わない同じ趣味仲間が集う空間は、
静かでゆったりとした時間が流れていました。
② 人生の先輩は、おおらかだ
見学に伺った初日、息子は
80代のおじいさんにコテンパンに負けたそうです。
迎えに行った際、超不機嫌でムスッとしていたので
呆気に取られた私に、
「まぁ、機嫌が悪くなる時もありますよ」
代表である、部長が優しく教えてくれました。
部長は、月に2回子ども向けの将棋初心者教室を開いており、
とても寛容的でおおらかな方です。
その教室に参加した息子に対して、
将棋倶楽部を声を紹介してくださったのでした。
息子は負けたことを相当悔しがっていましたが、
私はそういう熱くなる息子を見ることができて嬉しかったです。
感情がむき出しになるのが小学生らしいし、
『そんなこともあるよね』
と否定をせずに受け留めてもらえることはなかなか無いからです。
懐の大きさは、人生経験の厚みの表れでしょうか。
ここは私たち親子にとって、
安心できる場所でした。
③ 人生の先輩から学ぶ
前回お迎えに行くと、息子が談話室で
部長と話をしていました。
「いろんな人がいるから将棋のクセもあるし、相性もあると思う。
苦手だなってこともあるかもしれない。でもね、将棋が好きなのは一緒なんだよ」
部長は柔らかな口調で話し、
息子は黙って、ゆっくりと頷いて聞いていました。
人生の先輩から学んでいるー!
私は言葉を遮らないために、
暫く部屋へ入りませんでした。
このように諭して頂けるとは、
何ともありがたい!
息子はすでに思春期に入っています。
そのうち、私と口もきいてくれなくなるかもしれません。
とは言っても、多感な時期ですから、
今後は悶々と答えのない疑問が浮かび、
色々と思い悩む時が来るでしょう。
息子は寡黙なタイプなので、
親からの声かけに無反応になるかもしれません。
容易に想像できます。
となると、わが家は核家族ですから、
親以外にも息子に目を向けてくださる方がいると非常に助かります。
将棋倶楽部の経験豊かなおじいさん達と接することで、
親とは異なる様々な価値観に触れます。
親の言葉に耳を貸さなくなったとしても、
おじいさん達の言葉は心に響くかもしれません。
なんせ、おじいさん達は
息子の何倍も人生経験があるので、
言葉の重みや説得力に凄みを持ちます。
思春期は何かとムシャクシャしますが、
将棋をすると気が紛れるかもしれません。
有り余るエネルギーを転換することになり、腑に落ちることがあるかもしれません。
家族でもなく、友達でもない、
利害関係のない安心できる場所。
将棋倶楽部は、
息子にとっての第三の居場所になるような気がしました。
『将棋が好き』
たった1つの共通点で年齢を超えた
繋がりを持てそうです。
近年、第三の居場所の必要性を耳にするけれど、
習い事を始めたらいいという訳ではないような気がします。
一方的な関わりでは関係性が成り立たないので、
案外難しいかもしれません。
そう考えると、
将棋倶楽部に出会ったことがラッキーですし、
将棋が好きだからこそ繋がった縁だと気づきました。
この偶然に感謝ですね。
これから息子がどのようにおじいさん達と交流を深めていくのか、
楽しみです。
ありがとうございました。
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