青の記録(第一章)
初めてギターを買ったのは14歳、中学2年生のとき。
当時はちょっとしたバンドブームの最中で、学校の話題と言えば流行りの曲やバンドのことばかりだった。
中学2年生という思春期真っ盛りの僕も、当時から音楽は好きで、テレビやらラジオやらCDやら、常に音楽を聴きながら過ごしていたが、最初は自分で音楽をやるという考えは一切無かった。
そんな中で学年のいわゆる目立つグループの生徒達が、ギターを買ってバンドを始めたというニュースが出回り、そこから山火事が広がるかの様に、学年中の男子がギターを買いに行くという現象が起きた。
僕もそんな流れに乗って友人達と連れ立って、近くの楽器屋にギターを買いに行った。
その時に買ったのがフェルナンデスのモッキンバードだったが、結局そのギターは人前で弾く機会の無いまま、壊れて粗大ゴミに出されていった。
ギターを買ってからは黙々と家でコードを弾く日々だった。
一緒に楽器屋に行った友達と音合わせをすることも無く、ひたすら一人で教則本に合わせてコードを覚える日々。
そんなことをしている間にあっさりとギターブームは去り、楽器を弾き続けているのは僕を含め数人だけになっていた。
ブームの沈静化と反比例して、僕の中ではバンド活動をしてみたいという熱が生まれ、手取り早くバンド活動が出来るという理由から、軽音楽部がある高校に進学することに決めた。
当時はそこそこ成績は良かったので、高校受験もまぁ大丈夫だろうという軽い気持ちで、何校か軽音楽部がある高校を受験したところ、まさかの全落ち。
当時はこの事態にかなり焦った。
「ヤバい、このままじゃバンドが出来ねーじゃねーか」と思い、滑り止めで受けた高校での身の振り方を考えていたところ、その高校に「バンド研究会」なる部活があることを知った。
結果的にその部活で、人生初となるバンドを組むことになるが、そこから待ち受けている試練の数々については同時まだ知る由も無かった。