比翼の鳥 ④
美しい花は去ってしまい醜い花しか手元にない
どれだけ後悔しても自らそれを選んだ
思い出すたび美しさが増すあの花より
再び私の元に来た私が育てた醜い花を
醜い花の言葉は私の心を知っている
醜い花の技は私の身体を知っている
どちらのやり方も昔と何も変わらない
弱いところを突くただそれだけで私は汗ばむ
あれから半月経った頃違和感を覚えた
彼の花弁が知らない色に染まっている
今度は大丈夫だからと私は自分に言い聞かす
二度あることは三度あると分かっていたはずなのに
彼が私に呼びかけた
知らない花の名前を
その花は誰と私が言うと
彼はごめんと呟いた