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【造語】グレート・リターン=海外永住から永久帰国

今年の4月で僕がメキシコに来てから8年が経つことになります。
メキシコに移住する前にここで勉強していた期間を合わせると、9年近くになります。
そんな中でメキシコに本格的に移住してから合計7回日本に一時帰国をし、こんな思いが頭に浮かびました。

「もう一度日本に住んでみたいな」

今回は、海外移住者が再度日本に戻る「グレート・リターン」について解説します。

「グレート・リターン」とは?

最初に、「グレート・リターン」とは、僕が今考えた造語です。
海外永住者が日本へ永久帰国をすることを指す際にこの単語を使っていきたいと思います。
「グレート・エスケープ」という言葉が「大脱走」や「大脱獄」という意味で使われるそうですが、
一度海外に永住目的で移住した人が、日本へ永久帰国(リターン)することは大層な決断なので「グレート」を付けても良いのではないかと思いました。
また、このように標語化してしまえば海外永住者の中で日本へ永久帰国を考えている人の目にも付きやすいのではないかと思います。

一度は真剣に考えておいた方が良い「グレート・リターン」

昨今円安や人材のグローバル化、ワーキングホリデーの流行などから海外に移住する人が年々増加傾向にあります。
外務省が令和6年に公表した、「海外在留邦人数調査統計」によると、
「永住者」が令和4年で約55万7千人(前年比+3.6%)、令和5年が約57万4千人(前年比+3.18%)、令和6年が約58万人(前年比+0.98%)とされています。
URL:https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100781392.pdf

この調査統計に永住者の年齢層別は記載されていなかったものの、海外に永住目的で移住する人はある程度体力のある若さでこれからまだ働いていける20代~30代が中心であることは容易に想像がつくかと思います。
かくいう僕も23歳の時に、新卒で働いていた会社を「今の妻と結婚する」という目的でメキシコに移住しました。

これ自体は全く公開していないし、その年齢だったからこそできたことだと思います。

ただ、移住から数年経ち、
文化の違いにも慣れ、仕事にも慣れ、経済的にも多少安定し、結婚生活にも慣れてくるとやはりその後の将来に思いを巡らせることも多くなります。
メキシコには永住目的で来ましたが、
今までがむしゃらにやってきたこちらでの生活がひと段落すると、
日本でもう一度生活することも不可能ではないように思えてきます。

また、ある程度の年齢になったときに本当にここに永住で良いのか?
老後は日本でも年金がもらえるのか?
何かの理由で日本に長期や永久帰国しなきゃならない場合に仕事は日本で見つかりそうか?

ということが頭に浮かぶと思います。
多くの人は海外移住に新しい刺激を求め日本を出ますが、
冷静になったときにこういうことを考えるのは悪いことではありません。
むしろ、自分の人生について海外永住をする、という大きな決断をしたのだから、
その後の人生について本当に永住を続けていくのかをまた真剣に考えるのはそういう人にとって自然なことだと思います。

グレート・リターンについて考えて準備をしても、結局今いる国が良いから永住することにした、
それはそれで良いと思います。
グレート・リターンで得られる大きな収穫は、母国でこの先住めることもそうですが、
グレート・リターンについて色々考え、情報収集し、準備をしてみた中で得られる知識や財産、「いざとなったら日本へ帰れる」という安心感も大いにあると考えています。

僕がグレート・リターンを考えたきっかけ

僕がグレート・リターンを考えたきっかけは、日本に残してきた家族でした。
移住当時は、「妻と一緒になりたい」という一心でそれについても全く後悔はしていません。
2020年にパンデミックが始まり、水際対策や航空運賃の高騰で日本に最後に2019年に一時帰国してから3年後にやっと一時帰国ができました。
その時によく覚えているのが想像していたより両親がずっとこの3年間で老いていたこと。
まだ元気といえばそれは元気なのですが、
あまり残された時間は多くはないのではないか、とか
この先両親が他界して、兄弟たちも実家から出て行っているので、
そうしたらこの家を売ってしまったら、僕が日本に安心して帰れる拠点がなくなってしまうのではないか、
とか色々考えたときに、「グレート・リターン」という選択肢が僕の中に生まれました。

グレート・リターンの記事で伝えたいこと

僕が海外永住から永久帰国にわざわざイタイ造語までつけて発信しようと思ったのは、
僕のように若くして日本を飛び出した人が多くいて、何かのきっかけで永久帰国を考えるのは海外移住者の誰もが通る道だと考えるからです。
でも、海外永住目的で日本を出るときは日本に永久帰国することは考えないと思います。
だって、「永住」目的であるから。

しかし、「海外永住」することに関して情報発信する人はたくさんいても、
「永久帰国」「本帰国」について情報を発信する人はほんの一握りです。

まだまだ「社会のレール」に乗っていることが重視される日本の社会に海外からまた入り込もうとするのは中々心理的ハードルが高いことだと思います。

だから今グレート・リターンを考えている僕が実際に計画したり気づいたり、準備をしようと思うことを以降のグレート・リターンの記事で情報発信をすることで、同じ悩みをもし持っている人がいれば、その方の役に立てればと思います。

グレート・リターンで考えること

簡単ですが、今後グレート・リターンをするにあたって、
今から気になっていることや情報収集が必要なことを挙げていきたいと思います。
以下のテーマを今後グレート・リターンについて記事にする時に書いていきたいと思います。

資産管理

グレート・リターンをする人は一度永住予定地で財産を持つことになるので、
グレート・リターン後の元移住先での財産管理、銀行口座を空にして不動産などの財産を処分してしまうのか、残しておくのか、
グレート・リターンを見越して日本に資産を移行していくか、について考えていきたいと思います。

費用

身一つで移住当時は、航空券代と数か月分の生活費だけで良かったかもしれませんが、
グレート・リターンとなると、母国であることから生活基盤を再構築しやすく、
「あれもこれも」となりやすいです。
その場合にどれくらいお金が必要になるのか、家族がいる場合は?
最低限のプランと、移住後直ぐに快適さを手に入れることを目指したプランについて考えていきます。

家族関係

特に移住先で日本人以外の人と結婚した場合に、
まずはパートナーの人からしたら異国の地でどのように家族関係を築いていくのか、
パートナーからしたら、かつて自分がやった永住目的の移住であって、どのようにパートナーの国へ一時帰国を実現するのかについて考えてみたいと思います。

社会保障や公的手続

永住目的で日本を出る人は、転出届を提出し非居住者になるため、多くの場合で年金を日本で納付せずに移住先で納付しているはずです。
日本の年金と外国の年金をどう扱っていくのか?
グレート・リターン後の仕事にも関わってきますが、税金や社会保障費にまつわるお金の視点から、
そもそもグレート・リターンが割に合う選択肢なのかについて、情報収集をしつつ考察したいと思います。

仕事

僕の場合、メキシコ移住前は、
「メキシコで働いてても日本からしたら大した職歴にならないよ(だから日本に帰って就職は厳しい)」
と言われていましたが、
そんなことはないと思います。
確かに日本ではスペイン語を使った仕事なんてほとんどないし、メキシコグアナファト州の認定翻訳士資格なんてメキシコを出れば何の役に立ちません。
でも、これはやり方次第だと思います。
僕は、日本で再就労する対策として資格の取得を重視しているため、基本的に資格取得してどのように活かしていくかというのが話題の中心になりますが、考え方は読者の方のきっと役に立つと思います。

日本が母国だから、戻るのは一見簡単に見えるかもしれませんが、一度日本の「社会のレール」から外れてみて、また乗っかってみようとすると様々な疑問が出ると思います。
それについて僕が情報収集をしてこれから発信する内容が同じ悩みを持つ方に届けば幸いです。

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