メキシコの日系企業の職場の雰囲気

メキシコの日系企業の職場の雰囲気について紹介したいと思います。
もちろんこれも会社によって様々なのですが、どこの会社にも共通して言えることとしては、事務所が賑やかです。
悪く言うとうるさいということで、僕は静かな場所で作業したいのですが、日本のオフィスみたいに静かなことは絶対になく、常に誰かが談笑しています。

あとは、結構みんな明るいので表面的には常におしゃべりして冗談を言いながら仕事をしているイメージです。

 

絶対に文化摩擦は経験する

特に、メキシコで留学を経験したり、メキシコ人の友達がいる人に言えることですが、移住して働きはじめると絶対に文化摩擦は経験して悩みます。
これは自分自身が体験したり、通訳等でメキシコ人と日本人の間に入って板挟みになったりすることも含まれます。

よく言われるのが転職文化だったり、仕事に対する姿勢の違いだったりしますが、特に摩擦が起きる部分としては、日系企業は大体日本から駐在員が派遣されてきて、その駐在員は大体10年以上は日本で働いてきているので、「メキシコのやり方を」とは言いますが、実際には「日本のやり方でやりたい」、「日本のやり方が正しい」と結局考えている場合が多くあります。
彼らにとってはその日本のやり方が当たり前なので「なぜそのやり方なのか?」、「どうしてそのやり方にたどり着いたのか?」までを上手く説明までできる人はいません。
そこに、同じくらいの年数を少なくとも日本のやり方ではない所で働いてきた人に説明しても、前提も何も上手く説明されないのでそれは上手くいくはずがありません。

例えこれが新卒の読者の方でも、やはり少なくとも20年程度は日本で生活してきているので多かれ少なかれそういった「バックグラウンドが違う」というところから文化摩擦には絶対に遭遇することになります。

一応、本マガジンは「マニュアル」なので、現実的な視点から話をしなければなりません。
ブログやSNS、YouTubeなんかでは結構楽しそうな職場ライフが描かれていたりしますが、本当のところは読者の方が今日本で送っている日常、現実とそこまで大きな違いはないはずです。

 

人付き合いは気楽

一方で、人付き合いは日本よりかは気楽です。
有名な話かもしれませんが、日本みたいに上司の酒に付き合うことも、付き合い残業もありません。
あとは直属の上司くらいならtúを使って話しても全然大丈夫です(ただし職場の雰囲気によるので最初に見極めは必ずしましょう)。

これに関連して、日本とは全く別の種類のものは存在しますが、日本よりもマナーは多くはないです。
例えば、名詞はテーブルをはさんで渡してはいけないとか、印鑑は左に傾けて押すとかは全くありません。

ただし、日本人が良くやりがちなのが、メキシコにはメキシコのマナーがやはり存在します。
握手をする場合は必ず右手で、とかがそれですそういうマナーについてはなるべく「教養がない」と見られないためにも事前に身に着けておきましょう。

あとは、言葉遣いの話です。TPOによってtúとustedを使い分けることはもちろんですが、お願いするときはpor favorをつけたり、過去未来形、接続法過去を使うことに始まり、その場その場で適切な言い方というものが存在します。
「外国語には敬語がない」という人がたまにいますが、それは誤りで、メキシコではLicenciado(「学士」という意味で文系の大学を卒業する人に使う)、Ingeniero(「工学士」)、Sr.、Sra.、Dr.、Don.、Doña…等色々あるし、いい方も上記のように過去未来、接続法過去に始まりpermitir、molestar様々にあり、それが使えるかどうかで教養が問われるため、現地に住んでいるのであればどのような場面でどのような言い回しをしているか、良く耳を傾けてみましょう。

 

多くを求め過ぎない

3つ目は多くを求め過ぎないということです。
先述の文化摩擦の一因でもありますが、駐在員の方に結構いるのが「日本では〇〇だった」、「メキシコでは〇〇してくれない」ということを言う人がよくいます。
はっきり言ってこう考えることは不毛です。
文化的バックグラウンドや教育の形が違うので、全く違うモラルの中で行動している中に日本から入ってくれば、それは当然自分の理解に及ばないことがメキシコでは起こります。
そこに外から入ってきた人間がああしろこうしろと言ったところでまずこちらの人は理解することが大変でしょう。

また、「こんな感じでやっといて」と日本の感覚で言わなくても分かるよね?というのも通用しません。
必要なことがあればはっきりとお願いしましょう。
これは他の国でもあるそうですが、例えばカフェ等で「コーヒーには、クリームを入れて、そのクリームは低脂肪で、コーヒーはカフェイン抜きで…」といっぺんに複数の注文をすると内容が間違ったものが出てくることがあります。
これは僕も有効な解決策を「できるだけ指示を明確に簡潔に出す」ぐらいしか出せていません。あとはメモで書いて渡すとかです。

なので、あまりイライラでストレスを貯めないためにも多くを求め過ぎないことを心掛けましょう。

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メキシコに7年間住んでおり、政府認定翻訳士がメキシコでのキャリア形成について書いています。 複数の有料記事が入っているので、マガジンを購入されるとお得です。

大学のスペイン語学科で勉強していて、メキシコに就職することに興味がある方向けのマニュアルです。

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