メキシコで弁護士資格を取得する方法

今回は、かなりローカルな話になりますが、僕の学び直しの中長期的目標であるメキシコでの弁護士取得について改めて調査したので、その結果についてまとめたいと思います。

日本よりかは簡単

基本的に大学の法学部卒業のみでOK

日本だと、弁護士の資格は、基本的には司法試験と呼ばれる法曹資格を得るための試験に合格する必要があり、その合格率は、10%にも満たないと言われているそうです。
また、この司法試験の前に通常は法科大学院を卒業するか、予備試験と呼ばれる司法試験の前段階の試験に合格している必要があります。
日本の法曹資格制度については、今回の主題ではないので、大雑把にここまでの説明としておきます。
一方で、メキシコの弁護士の話になると色んな人が言うのが「メキシコは大学の法学部を卒業するだけで弁護士になれる」というのをよく耳にします。
こう言われてしまうとメキシコで弁護士になるのが簡単そうに聞こえてきますが、実際にはどうなのか、考察していきます。

メキシコの教育/公的資格制度

大卒≒公的資格

メキシコと日本の資格制度、いわゆる士業のような法律により資格を与えられた者しかできない業務や、一定の能力を証明する検定資格(簿記など)は、基本的に大学の卒業資格と紐づいています(TOEICなどの外国から入ってきた検定資格は除きます)。
つまり、上記の通り基本的には、大学卒業=弁護士だったり、公認会計士だったりするわけです。
医師や薬剤師なんかはちょっと事情が違うかもしれません。
分かりやすく言うと、メキシコで弁護士や公認会計士、税理士になりたかったら大学に通って卒業しなければならないということです。
日本では、法曹資格等は学歴等関係なく試験さえ受かればだれでもなれますが、メキシコでは大学で資格に関する勉強をしなければならないということです(一応例外はありますが、ここでは割愛します)。
ただし、よくこの制度を知らない人が言う「大学卒業するだけ」というのも少し語弊があります。
実は、メキシコでの公的資格の取得には大学を卒業する(大学の単位を全て取る)だけでなく、それに加えて「免状の交付」という条件も入ってきます。

公的資格の免状

この免状というのは、例えば弁護士資格や医師免許というようなその職業をするための資格と思ってもらえれば大丈夫です。
弁護士だったら、この免状がないと裁判の訴訟代理ができないし(メキシコでは、訴訟代理以外なら無免許で訴訟代理やいくつかの手続きを除いて、日本では所謂「非弁行為」と呼ばれることもできてしまうそうです)、医師なら法律で定められた医療行為ができません。
この免状は、一応医師などの職務執行に免状がないといけないと法律で定められている職業以外にも、経営学や語学、経済学、工学についても交付されます。
この免状があれば法律で定められた資格でなくとも箔がつき、就職の際に信頼性が上がります。
そういうこともあって、この免状の交付には卒業単位取得以外に一定の要件が定められており、その要件を満たすことで政府から正式に免状が交付されます。

免状の交付要件

卒業単位の取得には大学独自又は教育省が認める次の内いずれかの条件を満たす必要があります。

学士論文

いわゆる卒論というやつです。
日本の大学と同じように、自分の研究テーマにつき論文を書いていきます。
多くの大学では、卒論に加えて卒論に関する大学内での口頭試問形式の卒業試験があるそうです。
また、大学や学部によって「卒論」というよりは「卒業研究」としてプレゼン形式の卒業試験もあるそうです。

GPA高得点取得

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メキシコに7年間住んでおり、政府認定翻訳士がメキシコでのキャリア形成について書いています。 複数の有料記事が入っているので、マガジンを購入されるとお得です。

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