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12/24更新『RTA in Japan Winter 2024』に『Metal Gear Rising: Revengeance』で参加します

応募していた『RTA in Japan Winter 2024』に『Metal Gear Rising: Revengeance』の『Any% NG+ Hard』カテゴリで採用され、イベント上で披露させていただく機会をいただきました。
これを機にMGRのスピードランに興味を持っていただいた方向けに、このページにより理解が深まる情報をまとめていきます。
X(Twitter)でも定期的に以下のポストのツリーにも情報を発信しています。
見どころを知りたい、予習したい場合などにご活用ください!

現在のスケジュールでは当日は12/26 午前2:34の予定です。
※当日の進行によって前後すると思います。
RTA in Japan Twitch配信チャンネル
イベントスケジュール


自己紹介

霧崎明良(きりざきあきら)と申します。
メタルギアライジング(MGR)のスピードラン(RTA)は6年ほどやっています。Speedrun.comのリーダーボードでは、スピードランをやり始めた頃からランナーとしてコミュニティに参加しています。
2023年5月からはモデレーターをさせていただくことになり、それからボードに提出された記録承認等の活動も行うようになりました。
今回披露させていただく『Any% NG+ Hard』カテゴリは5年ほど走り続けていて、昨年12月に初めてこのカテゴリのWRを取得しました。

普段は他の多数タイトルもスピードランを行っていますが、基本的にMGRのスピードランをメインにしています。
ISのラウラちゃんが大好きです!魂のキャラです。
Speedrun.com(SRC)のプロフィールページ

『Any% NG+ Hard』カテゴリについて

何をしてもいいのでデータ引き継ぎありで、本編難易度Hardをとにかく速くクリアする』カテゴリです。
SRCのリーダーボードでは最も人口が多いメジャーカテゴリとして分類されます。
R-00(チャプター0)からスタートし、R-07(チャプター7)のラスボスのスティーブン・アームストロング上院議員を倒すまでを計測します。

このおじさんを斬奪したらタイマーストップです

DLCストーリーはプレイしませんが、フォックスブレードなどのDLC装備は使用してもよいことになっています。

記録について

現在自己ベスト・世界記録(PB・WR)はPC版による49:38(50:53)です。(2024/11/23現在)

MGRには海外版にPC版(Steam,GOG)が存在しますが、R-03の特定の1分15秒間のカットシーンがPC版のみスキップすることができません。
現状のリーダーボードでは、コンソール版(PS3,Xbox360)との公平性のためにPC版の記録はリアルタイム計測したタイムから1分15秒を差し引いたタイムが掲載されます。
なので、私のPBのタイムは実時間(リアルタイム)では50:53になり、リーダーボードではそこから1分15秒差し引いた49:38として掲載されています。
これは史上初の50分切り(Sub50)となるタイムです。

12/24 追記
今回RTA in Japan Winter 2024ではEST(予定時間)を56:00に設定しています。
こちらはリアルタイムのESTで、SRCのリーダボードの1分15秒ルールを適用していない時間になります。

注目ポイント

バグ・グリッチをめちゃくちゃ使います

一番多用するのは、ユニークウェポン『エトランゼ』とリッパーモードを使用して空中で大ジャンプできるグリッチ『Polearm Jump(ポールアームジャンプ・リッパージャンプ)』です。

やり方は空中でエトランゼ1段目を出し、2段目と同時にリッパーモードを発動
成功すればリッパーモードを発動した瞬間に雷電が真上へフワーッと浮きます。最後に空中弱攻撃でエトランゼ2段目をキャンセルし、斬撃モードで弱攻撃をキャンセルすればエトランゼのモーションで下に落ちません。

これを使うと本来入れない場所に入れるようになるため、強制戦闘を回避したり、イベントスキップをしたり…ということができてしまいます。
ニューゲームの場合はエトランゼはR-01クリア、リッパーモードはR-03クリアで解禁になるため最初から使うことはできないバグになりますが、NG+(ニューゲーム+)のカテゴリだと最初から全て所持しているので引き継ぎ要素が使用可能になるR-01以降からフルに使用可能です。

ウクライナのトッププレイヤーL0ok_At_Meさんが作成したポールアームジャンプに必要な高さをそれぞれのスキップごとに調べた動画(1:04あたりからポールアームジャンプ)

リッパーモードを発動した瞬間はゲーム内の時間が極端に遅くなります。
原因は不明ですが、発動をエトランゼ2段目や、雷刃落とし(急降下キック)などの一部モーションに合わせると『時間は極端に遅くなっているが、雷電のモーション中の移動は維持されている』状態になるため元々のモーションの移動量よりも大幅に移動量が増加します。
すべてのモーションに対して適用されるわけではなく、たとえば真横への突進技の電光石火(↑↑強)などはリッパーモードのスローダウン中も移動量は相応に低下するので最終的に変わらない場合もあります。

余談:電光石火はヒット直前にタイミングよくリッパーモードを発動するとなぜかヒット数が増えます。もともと2ヒットする技ですがこれを使うと3~4ヒットに増えます。(この動画の古いやり方のアームストロング戦でやっています)

このグリッチで飛べる高さは主に『エトランゼ2段目を出すタイミング』と『リッパーモードを発動するタイミング』と『ゲームのフレームレート(FPS)』で決定します。
2段目のモーションが発生すると同時にリッパーモードを発動するのが基本的にベストで、リッパーモードが遅れたり早いとあまり高く飛べません。

MGRは可変60FPSのゲームですが、フレームレートが低いと、このグリッチの高さは低くなります。一部のスキップには58FPS以上安定を要求されます。
このゲームのPC版は要求スペックは高くないものの、パフォーマンスに難があるようでゲーム起動時間から1時間以上経過するとフレームレートが徐々に低下します。3時間以上経過するとスペックにかかわらず、58~59FPS以上安定が難しくなります。
私は普段これを回避するためにプレイする際は1時間おきにゲームの再起動をかけています。
これ以外にもPC版MGRは変な仕様やバグが多いです。スピードランで有利になるような要素もあります。

ポールアームジャンプ後に、エトランゼのモーションで下に落ちないように空中弱攻撃でキャンセルをします。このとき最大5回弱攻撃で剣を振れます。モーションの関係で剣を振ったときに雷電が少しだけ浮き上がり、斬撃モード発動でも少し雷電が浮きます。
なのでポールアームジャンプ後は剣振り1回以上から斬撃モードキャンセル(斬撃キャンセル)が基本です。
剣振り(空中弱攻撃)の回数を増やせば増やすほど、更に多く高さを稼げます。
なので、ポールアームジャンプ単体で必要な高さが足りない場合には剣振りを増やして高さを稼ぐこともあります。
場所によっては2回以上は剣を振らないといけないところもありますが、基本的にタイムとして速いのはジャンプ後の剣振りが少ない方になります。
このことから、高さがいるスキップのときは剣振り2回以下でいけているところは『ガン攻め・高く飛べてる・上手くいってる』、剣振り4~5回だと『安定を取っている・普通~あまり高く飛べていなかった』といった具合です。
これを少し知っていると、ランナーがジャンプ後に剣を何回振っているかで高く飛べているのか・ギリギリなのか・調子が良いのか悪いのかを察することができます。
当日はもちろん解説がありますが、このあたりを知っていて見ると少しニヤニヤできて面白いと思います。

画面奥のオレンジ色のバリアを飛び越えています

R-03(チャプター3)の最初の強制戦闘をスキップするグリッチです。
2022年11月に、ロシアのプレイヤーのDreagledrさんが突如投稿した動画で発覚したスキップです。
個人的には、現在の最新のNG+ Hardでやっていることの中で、最も難しいグリッチを使用したスキップだと思います。
実際にやっていることはPolearm Jumpから派生したグリッチになります。
一部モーション中にリッパーモードを使うと移動量を大幅に増えるバグを空中で急降下キックを行う技の『雷刃落とし(らいじんおとし)』に使用しています。
上空に飛んでいるのは、MGRの仕様である『雷電の攻撃は自動で敵に向かっていく(吸い寄せられる)』というものを利用しています。
これらを組み合わせて、上空にぶっ飛んで強制戦闘エリアから無理やり脱出して先に進むことができます。

この戦闘では開幕の状況では正面に数人の敵兵がいます。
その中の真正面にいる敵兵がジャンプして飛びかかってくるタイミングで雷刃落としを出します。
さらに、開幕短めの前ジャンプをすると、ほぼ必ず敵兵はこちらに走ってきてからジャンプして飛びかかって攻撃してきます。
なので、戦闘直前のロード画面から暗転明けの操作可能になったタイミングで前ジャンプし、敵兵がジャンプした時の特定のタイミングで雷刃落としを出します。
タイミングが完璧であれば、雷電は上空にいる敵兵を狙って上方向へ急降下キックし、リッパーモード発動時になぜかキックの角度がずれるので狙っている敵兵に激突せずに上空に向かってぶっ飛んでいき、強制戦闘エリアを塞いでいるバリアを飛び越えることができます。

R-03の冒頭の強制戦闘開始直後の敵配置
赤枠で囲った敵兵(サイボーグ警官)が重要です

このスキップが非常に難しい理由はいくつかあります。
暗転明けになるべく速くジャンプを開始した方が成功しやすいのですが、このゲームの暗転時間は必ず一定ではなく、数フレームずれが生じます。
さらに、実際に暗転が明けて操作可能になっている最速タイミングは肉眼では視認できないほどほぼ真っ暗な画面の状態になっているので、プレイヤーが目で見て「暗転が明けた」と思うタイミングは、実際には操作可能な最速タイミングから少し遅れています。
これらの事情もあり、毎回全く同じタイミングで操作することが困難です。敵兵が行動する速さも多少前後するため、不安定な要素がとても多くて、テンプレート・パターン化がしづらい部分があります。

雷刃落としを出すタイミングの猶予も少しシビアです。
厳密には調べていませんが、2~3フレームほどだと思います。明らかに猶予1フレームというほどではないですが、先ほど述べたブレる要素の多さと合わさると少しやっかいです。
失敗すると敵兵に激突してしまったり、水平方向に飛んでしまったりします。その場合はリスタートして戦闘の最初からグリッチにトライしなおしになります。成功まで5~6回リスタートして沼ることも珍しくありません。

もし本番で1発で成功したらかなりすごいので、注目です。

MGR特有のテクニックも多用します

単発高ダメージ・斬撃キャンセル不可の技「カチアゲ」をジャンプキャンセルを経由して斬撃キャンセルして連続で出すテクニックです。
単発ダメージの高い技をとんでもない速度で出し続けるため、凄まじいDPSを出せます。
MGRはあらゆる動作を『斬撃モード』を発動してキャンセルすることができるので、攻撃の隙を消したりコンボに使用する『斬撃キャンセル』というテクニックがあります。
カチアゲはモーションを斬撃モードでキャンセルできませんが、ジャンプではキャンセル可能です。

ジャンプ動作は斬撃モードでキャンセルできるため、ジャンプキャンセルを挟むことでカチアゲの斬撃キャンセルを行い、連続で繰り出しています。

流れは

カチアゲ(↑↑□) -> ジャンプ(x)-> 斬撃モード(L1) -> カチアゲ(↑↑□) -> 繰り返し

入力が特殊なので、馴れないと手元がついていかず速度を出すのも大変です。
強力ですが、単純に操作が難しいテクニックになります。

ある程度習熟すると最高難易度(Revengeance)のアームストロングすら完封可能です。

  • 攻防一体を使用したダッヂオフセット

1段目モーションは出ていますがほぼ見えません

回避技の攻防一体(□+✕)をコンボの途中に入れることで、コンボの派生技をすぐに出すテクニックです。
名前は同じプラチナゲームズ開発のベヨネッタシリーズの似たシステムから。
NG+でよく使用するのはユニークウェポンの『ブラッドラスト』の溜め2段目が非常に優秀なため、『ブラッドラスト1段目を入力(△)し、即攻防一体でキャンセルして2段目を溜め始める』という動きです。
ブラッドラストは威力が非常に高く、瞬間火力に優れるユニークウェポンです。
特に溜め2段目(コマンドリストでの技名はウェイク・タービュランス)はモーション中に方向転換可能かつ広範囲にリーチが異常に長い、最大で4ヒットするのでヒット数調整可能、しかも超高威力というとんでもない技です。
参考までに、攻略本によると溜め2段目(ウェイク・タービュランス)の 威力は5x3+70(4ヒットのうち威力5が3ヒット,最後の1ヒットが威力70)、カチアゲは18,弱攻撃(□)が8,強攻撃(△)が12です。

ウェイク・タービュランスはコンボから派生する技なので、必ず溜め無し1段目や溜め1段目を経由してから出す必要がありますが、攻防一体は1段目の出始めからキャンセルで出せるので、これを使うと実質上1段目を経由せずに、攻防一体のモーションを出すだけですぐに使えます。
ちなみにキャンセルされる1段目(威力40)や溜め1段目(2ヒット威力(5+70)もめちゃくちゃ強いのでかなり使います。
もちろん他のコンボ技でも同じようなことができます。
個人的には、動きの自由度をかなり底上げしているシステムだと思います。

ファミ通『メタルギア ライジング リベンジェンス 公式オペレーションガイド』より一部
・ブラッドラスト
技名(コマンド):威力
ダストデビル(△): 40
ワールウインド(△長押しのあと離す):5+70
タービュランス(△△):40
ウェイク・タービュランス(△△長押しのあと離す):5+5+5+70
ダウンバースト(△△△):60
ヒートバースト(△△△長押しのあと離す):5+5+5+5+5+70
ガストネード(ジャンプ中△):15+40
スパイラル・バンド(ジャンプ中△のあと離す):15+(2x7)+70
・雷電
弱攻撃(□):8
強攻撃(△):12
袈裟蹴り(△△):12
三連蹴(△△△):5+5+6
あびせ蹴り(△△□△):30
横一文字(△△△□△):30
カチアゲ(↑↑□):18
掌底(↓↑□):20
電光石火(↑↑△):1+1+1+20
雷神降臨(スティック1回転+△):5x12



12/23 追記
気がついたら本番も間近になっていました。
実際にはもっと沢山の内容があり、本番での解説の補助資料として活用できるものを書きたかったのですが、私生活が慌ただしいなどあり結果的にあまり情報をまとめることができませんでした。申し訳ございません。
ただこれが微力でも、興味を持ってくださかった方々が楽しく視聴する一助になればと思います。
以降は本番に備え練習に時間を捧げようと思います。

RTA in Japan Winte 2024のMetal Gear Rising Revengeance(メタルギア ライジング リベンジェンス)のAny% NG+ Hardカテゴリは12/26 午前2:34からの予定です!

よろしくお願いします!




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