概念としての階段

毎晩誰かと会っていて、この人どうかしてると思われるかもしれないが、みんなみんな会いたい相手なのでしかたがない。今夜は中学時代の同級生4人で飲んだ。なかには何十年ぶりかという者同士もいる。じぶんも含めてちょっと何かがおかしい人が4人集まったので異様におもしろい会になった。当然中学時代の話にさかのぼったりもするのだが、「絵里子がさあ、言ってたじゃんあの階段で!」あるいは「みんなで階段で写真撮ったじゃん」「階段の上の天井裏にお菓子かくしてたよね」などと話すのだがそれぞれの言ってる「階段」はちょっとずつ違うような気がしていて、でも「階段」でぜんぶ通じてしまうという概念としての階段が生まれており、わたしはそうかこうやって人々は概念を共有するのか、とひとりでちょっと感動していたがそんなことには誰も一瞥もくれずノンストップ放談は続くのだった。

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