要らないものに囲まれて暮らしているのではないか
山あいの街に住む友人宅に遊びに行った。
目的は湖畔のサウナだ。
夏に遊びに行った際にこんなんぜったい気持ちいいじゃんぜったいいこう、と夏から予約をとっておいたのだ。案の定とても気持ちよかった。樽の形をしたあつあつのバレルサウナを貸し切り、友人たちとべらべら喋りながら熱さに耐え、かんかんに熱くなったら外に飛び出して桟橋まで行って湖に飛びこむ。ざぶざぶと上陸し湖畔のデッキチェアで紅葉のはじまった山を眺めながら涼む。もうしぶんない時間。
この友人宅に遊びに来るといつも、じぶんは何がほしいんだっけ、と改めて考えることになる。ふだんの生活とあまりに違うからだ。じつはわたしは要らないものに囲まれて暮らしているのではないか。しかし要らないものに惹かれている自分も自分らしいとも思う。そんなことを考える。