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この世の主役にはふさわしくない〔詩〕

雨の下ではみんな平等にひとりになる
雫の大きさはたぶんそれぞれの適切な大きさ
太陽から見えないように
雨よ 
わたしを隠してください
一人になりたいから
今日くらいは空から消えていたい

わたしと雲の間にしか雨は降らないから
わたしの部屋はいつも長靴履きなの
雨を知らないくせに雨の日に嫉妬するあなたは
晴れた日におかしなことを考える
レインブーツで登山させて
肌を焼かないように日傘をさすように仕向けた
そんな陰湿な奴なのに
孤独なくせに穏やかに笑うあんたをみんな好き
わたしは
雨がふらない世界になったら真っ先に
あんたを壊したい
雨の思い出を塗り替えるあんたが大嫌い

彼はさらさらとした音で目を閉じさせてくれる
あんたは眩しくてみてられない 
彼は休むことを教えてくれて 
あんたは誰も見てなくても続けろ言う

今日から主役は彼だから
さっさと視界から消えてほしい
さっさと空からいなくなってしまえ

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