夏の王。
ノイズキャンセリング。
AIが通話中の雑音を排除し、音楽をクリアに聞こえるようにバランスを調整する。
なんだかこうなってくると「オバケ」の立場がなくなってくる。
居るはずのない者の声に恐怖したり、聞こえるはずのない音が録音されていたり。そんな怪談話に夏の一時の涼しさを味わうことも減ってくるのかな。
稲川淳二と「オバケ」の商売敵はAIなのかもと思ったが、ふと、思い出す。
毎年、初夏から行われている稲川淳二の怪談ナイトに何度かいったことがある。怪談を5つくらいと、その繋ぎのトークを楽しむ。
さすが、バラエティ番組やラジオで人気だった芸能人だけあって、未だにフリートークが面白い。
そして、もう一つ。心霊写真のコーナーもある。そんなの見たくないと思う人もいるだろう。でも大丈夫。この写真のコーナーが、1番のバラエティの稲川淳二を全開に愉しませてくれる。
「最近は加工技術が凄い」とか、「これは上手く作ってますねぇ」とか、心霊写真を使った大喜利コーナーのようだった。
オバケの味方に稲川淳二がいる限りは、まだまだAIには負けないようだ。
まあ、AIだって最近は絵や文字を勝手に書く。そのうち、命令無しに描きだしたら、それこそオバケみたいなものだ。
その頃には、稲川淳二も寿命でオバケになるだろうから、今度はAIとタッグを組むのだろうか。
世渡り上手は、どこでも上手くやっていけそうだ。
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