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鳥 〔詩〕

その朱鷺は音も無く降りてきた

落ち穂を啄む訳でも

夢のある明日のことを語る訳でも無く

彼は私の
恋心をひやかし笑う

彼が恋をすると雪が降らない

彼の住む街は壁に囲まれていて

そこから出るには
其れ相応理由がいるそうだ

朱鷺は笑う
この世界を見て

私は悩む
この世界を思って

壁を造っても息苦しくて
壁が無いと傷付けられて
誰もいない寂しさと
あなたが居なくなる寂しさを
区別できずに
互いに互いを食べることにした

食べ終わるまでは
友達でいよう


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