Lamu島の森の奥で その1
ものすごく前のことだけど、アフリカに友人と行ったことがあって、その時Lamu島にも行った。
きれいな海より何よりも強烈に心に焼き付いているのは森の奥で出会った一人のおじさんのこと。
そこへ連れて行ってくれたのは宿で働いてるお兄さんだった。
いまいちどんな場所なのか分からずに着いて行ったら、そこはおじさんが一人でやってるバー?みたいな場所だった。
バーと行っても屋根も壁も無く、森の少し開けたところに切り株の椅子がいくつかあるだけ。どうやらそこで飲めるのはヤシの樹液を発酵させたPalm Wineらしい。
私も友人もお酒は飲めないんですけど!!(笑)
宿のお兄さんは調子よく「連れて来てあげたんだから、何もごちそうしてくれないなんてことはないよねぇ!(笑)」とたかり始め、仕方なく一杯ごちそうする羽目に…してやられた感。
でもそのバーをやってるおじさんとの時間が今でも忘れられないものになったのだから、人生何が起こるかホントにわからない。
おじさんは、お酒を注文しない私たちに「そこが私の家だ。ちょうど昼ご飯作ったのがあるから食べるか?」と聞いてきた。
家… 家…???これが??
ただ単にたくさんの枝と枝を立てかけて中にテントみたいな空間を作ってるだけの、小屋とも言えない、これが家…??ここで作ったお昼ご飯を…?
正直衛生状態も気になったけど、見た感じ普通に美味しそうだったので食べることに(ちょっと勇気が要った)。
干した魚と野菜のトマト煮みたいなものと、茹でたトウモロコシの粉を練ったウガリ。
「ウガリを手で取って、真ん中にくぼみを作って、そこでスープをすくう感じで食べるんだよ」
食べてみたら、これが美味しかった!ちょっと砂も混じってたけど(笑)
そしておじさんはおもむろにこう聞いてきた。
「神様を信じているかい?」
私は正直に答えた。
まぁ、あまり深く考えたことが無かったので適当に。
「うーん、神様はいると思うけど、正直あまりにたくさんの種類の信仰があってどの神様を信じたらいいか分からないなぁ」
するとおじさんはガッハッハと笑いながらこう言った。
「ええ?君は神様が居ないとでも言うのかい?!いいかい?神様なんてね、ただ一人なんだよ。There is only one GOD. いろいろな宗教があってみんな違う神様みたいにいうけど、本当は一人なんだよ!」
「神様は一人…」
本当に不思議なんだけど、その瞬間、自分の中の神様の立ち位置というか、宗教への考え方がストンと落ち着いたような気がしたんだよね。本当にそうかもしれない、って深いところで思えたんだよね。
自分の中で漠然とあって言葉に出来てなかったものと一致したのかもしれないし、よく分からないけれども。
それからずっと、私の中では神様は一人、ちゃんといるんだと思ってる。