実験7日目2/3「地球が綺麗ですね」
黒曜石を思わせるような宙に、青い星が浮かんでいた。
この義体と「彼女」の故郷、月面の IMR 本拠地に自分は立っていた。
あと1時間で、自分は元の体に戻ることができる。
実験初日、下層の街で呆然と立ち尽くしていた自分は、夜空に浮かぶ月を眺めていた。そんなことが、途方もなく昔の事のように思えた。
同時に、あっという間だったような気もした。
どちらにせよ、この義体との1週間がやっと終わる。
遂に終わってしまう。
願ったり叶ったりだ。
名残惜しい。
清々する。
本当に良かったので