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多様性とMMORPG
最近大型アップデートがあったファイナルファンタジー14にお熱な猫暮。
吉田直樹P率いる『スクエアエニックス第三開発事業本部チーム』が手掛ける世界最大規模の大型MMORPG。
その圧倒的な世界観やコンテンツの量、そして開発陣となった古のゲーマーたちが徹底させたユーザーフレンドリーな設計によって世界中で着々とファンを増やしつづけている。
先日、無事にエンディングを迎え、現在いわゆるエンドコンテンツに向けて準備中。
MMORPGはこのゲームの性質状、一人で進めることは不可能。途中にインスタンスダンジョン(通称:ID)と呼ばれるダンジョンの突入にあたっては、プレイヤーが協力する必要がありました。
しかし、時代の遍歴と共に「ゲームがしたいのであって、人とコミュニケーションを取りたいわけではない」「FF14というゲームに向き合いたい」と、そんなユーザーの声が増え始め、開発部は従来の協力不可欠な仕組みにメスを入れることになりました。
それが、コンテンツサポーターと呼ばれるシステム。
NPCに行動ルーチンを搭載し、まるで本物のプレイヤーのように動作させることで、複数人での攻略が必須であったコンテンツの根幹を揺るがすことなく、ソロでも楽しめるようにする代物。これによって「ソロゲー」としての役割も備わり、より一層盤石なゲームの基盤が出来上がりました。
もちろん、フィールドや街中には他プレイヤーの姿は映っているし、チャット欄を覗けば所属しているフリーカンパニー(ユーザー同士の結社みたいなもの)の誰かの発言や、井戸端会議を行うプレイヤーの平和な呟き、または大型アップデートに歓喜した喜びを全力でシャウトをするプレイヤーまで、MMORPGとしての空気感や体裁はしっかりと確保されている。
猫暮はというと、もともとは生粋のソロプレイヤー。
人と比較されることなく、自分のペース、自分の攻略、自分の手でゆっくりと着実に挑んでいくようなプレイスタイルが好き。なので、時間が湯水のように溶けていくけれど、それに見合ったユーザー体験を得ているな、と納得できるタイプなのです。
なので、この大型アップデート「黄金のレガシー」の新ストーリーに突入してからは徹底的な情報統制を行いました。ネットの情報を遮断し、ゲーム友達との交流も超必要最低限。リアルに「こんにちは!おやすみなさい!」くらい。
この期間中は、SNSなんていっちばんダメです。自分のアカウントにログインしようものなら、右を見ても左を見ても前を見ても後ろを振り返ってもネタバレに次ぐネタバレの嵐。
あ、猫暮自身が別にネタバレについてそこまで過激な人間ではないのですが、今回のパッチテーマとして「冒険」というキーワードがあります。
ゲームといえど、そこには開発者の想いが込められていて、私たちは一介の冒険者として今日まで秘匿されてきた世界に一斉に解き放たれる。
多くのフロンティアスピリッツの持ち主によって、世界はどんどんと暴かれて消費されていく。そうして未開の地は次々と開拓されていく、ように見えるのがMMORPGの醍醐味であり、消耗速度でもある。
ところが、情報統制さえしてしまえば未開の地はそのままに冒険活劇を楽しめる。自分だけの秘密の発見と、自分だけの進め方で世を冒険できる。本当に、そんなわがままな想いを秘めた私にさえ対応してくれるとはスクエア・エニックス様の懐の深さに頭が下がるばかり。
私は適度にストーリーを楽しみながら、各国のサカナを釣ってまわる「冒険者兼漁師」という世にも奇妙なスタイルでプレイしていました。
物語のキーパーソンの「おい、こっちにきてくれ!」という呼びかけを無視して、釣り場や水場にワーーーと吸い込まれて行ってはのんびり釣りをしています。世界の危機がすぐそこに!といった場面でも、水場を見つけては釣り糸を垂らして、「やった!大物が釣れたぞ!」と一人もろ手を上げて喜んでいる、そんな感じのとんだ釣りバカ主人公です。
そんなことを繰り返していると、花形である戦闘職系のレベルよりも漁師としてのレベルだけがカンストしてしまうという…不思議な事態に。(おかげ?で通常の進行想定では気づきにくいであろう、変なバグなんかにも遭遇したり…。意図せずデバッガーになってしまった漁師こと猫暮)
とにかく、コスパタイパ主義者からすると、とんでもなく遠回りに楽しみ方でした。しかしこれがいい。この楽しみ方がすごく、自分らしく、自分の時間のままに楽しめた気がしました。最高の時間でした。
友達たちとわいわい一緒にプレイするのも乙なものではありますし、ひと段落した今となってはゲーム内のフレンドとも交流を再開しています。これからSNSやネットなんかの情報を解禁しながら、世界の秘密を急速に解き明かしていくことになるでしょう。
ですが、やっぱり全部が全部、先に調べてしまってはツマラナイ。それで得意気に「こんなことがあったんだぜ?知ってたか?」とどや顔をする気力もわたしにはありませんし、共通の話題にしたいからと、このゲームを遊んでいるわけじゃありません。
私はオールドスタイルのまま、大部分の情報を変わらず封印しながら時代錯誤にプレイし続けたいと思っている今日この頃。
自分のコントロールさえしっかり握れば、人間関係の緊密だと言われているMMORPGでもそんなソロゲーのような遊び方ができちゃうのです。本当にこの多様性への丁寧な対応には頭があがりませんね。
さて、今日も今日とて冒険の旅へ!
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