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07.Nov / 天気と季節の話
ここのところフランス北部は霧&曇天続き。いよいよ灰色の冬が始まり初めている。サマータイムが切り替わると一気に冷え込みを感じるのはどこに行っても変わらない。朝の明るい時間が伸びる一方、日暮れが繰り上がる。季節の節目を感じる今日このごろだ。
一方でクリスマスが賑やかなのはそんな厳しい冬を乗り越える賑やかしだという説もある。確かに、北上すればするほど、マルシェドノエルは豪華に、クリスマスは最大に祝う傾向にある。ホットワインとチュロスが楽しみな季節でもあるのだ。
現実的な話をすれば、冬場に嵩むのはなんといっても断熱費だ。大学生をやっているともちろん極端な人は節々にいる。家賃をケチりたいがために「今年は暖房つけないよ。着込めばなんとかなる」と豪語する強者もいる。そう、光熱費は家賃とは別取りのところが多いので、使えば使うだけお金が出ていくという冬場の貧乏学生には厳しい環境なのだ。私はと言うと、今のところ真下の部屋が暖房をつけるのを知っているので、自分の部屋はつけずに床暖?に頼っている。ペットボトル湯たんぽ、セーター、スリッパとお茶をお供に、今のところ賄えている。北陸育ちなので寒さには強い方だが、毎年北上を繰り返す身では今年の冬はもっと寒い、と毎年身を引き締めるのが常だ。数日前に日本に住む友人が風呂上がりに扇風機を楽しめると言ってきたときには絶句した。最近やっと歩いていて汗をかかなくなったという人もいてこんなに差があっただろうかとまた驚く。温暖化なのか、アジアは秋が長いのか、いずれにしろ羨ましい限りだ。
一つありがたいのは大学の設備が比較的整っていることだ。以前は手が悴んで、足が冷え切ってとても先生の話に集中できないような年もあった。図書館も冷え切っていて、零度切らないと暖房入れないとでもいいたげな気温だった。外観がおしゃれなのだが打ちっぱなしのコンクリの吹き抜け、真冬は暖気が全て上に逃げてしまうので寒い地方には向かない。対して今度の図書館は完全防備、好きなだけ入り浸れるのがありがたい。レンジがあるおかげであったかいご飯が食べれることだし、本当に寒いところのほうがむしろ寒さ対策がしっかりしてると感じる今日このごろだ。
季節の話に戻ると、フランスは秋が短い印象がある。栗やら芋やらを存分に楽しむ前に早々にクリスマスの準備が始まる。ラジオで秋の味覚特集を聞くと少し羨ましくなるのだ。とはいえ、冬には冬のフランス料理が待っている!冬といえばチーズ、とにかくチーズだ。サヴォワ・アルプスの料理、タルチフレット、チーズフォンデュ、ここ北の地にも特有のチーズ料理があるらしい。兎にも角にも、冬はチーズとじゃがいもとベーコン一色になる。特産物は大概油気たっぷりだよ、とコロックの一人がニッコリ言っていた。
特別臭の強いマロワルも塩気100%の青カビチーズ・ロックフォールも何でも食べるというとフランス人にもギョッとされる。チーズの話はまた今度。