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ホロライブの3DLIVEについての雑談でも(2021年年末~2022年2月ぐらいの話)

今日は、RealSoundさんに掲載されていたホロライブ関連ライブレポートの記事2つをなんとなく読みながら、ふと思った話を。

2020年の年末ライブ「hololive IDOL PROJECT 1st Live.『Bloom,』」の開催以降、大量にオリジナル曲を量産し続けているホロライブ。

その影響もあってか2021年以降は、各ホロライブメンバーのYouTubeでの無料3Dライブ配信と、各会場又はニコニコ等で有料配信を行う有料3Dライブの開催のどちらもかなり件数が増えたと感じています。


特に無料3Dライブ配信は、各メンバーのお誕生日と周年記念に行われるケースが常態化してきている印象があるのですが。

そんな無料3Dライブ配信の数々が、配信回数を少しずつ重ねるごとに内容が少しずつブラッシュアップされて、各メンバーの趣向を凝らした様々なバリエーションが生まれている様子は非常に面白いなと思っています。

直近で言えば1/30の無料3Dライブ配信「尾丸ポルカ生誕祭」では、「ポルカプロデュース!最強アイドルグループ3DLIVE!」と銘打って、自身の出番を削ってまで他メンバーのソロ曲を演目に加えたり、かと思えばVARKの有料ライブ企画「ふたりでつくるホロライブ」のように、観客側に本来主役であるはずの尾丸ポルカが登場しワイプ画面から声援を贈る、といった演出までやるようになりました。

また、昨今の某感染症の関係から事前収録部分がライブの大半を占めるようになったことなどもあって、全体的に最近はどの無料3Dライブ配信もバラエティ・MCパートの減少と、それに相対して歌唱曲数は多めの構成が増えているのも非常に特徴的だなと持っています。

その様子が最も顕著だったのは、昨年末の天音かなたの無料3Dライブ配信「リベンジ」で1時間に15曲も歌が歌われたあたり、でしょうか。

そしてまた、その構成の変化に合わせて、特に歌唱パートでの歌詞、背景、エフェクト、スポットライト、ステージギミック等の各演出や、振り付け、カメラワークのクオリティが回を追うごとに向上していく様子も、実に目を見張るものがあるような気がしています。

そしてその様子は例えば背景だけで言っても、2/14配信の「癒月ちょこ生誕祭」のように汎用ステージに一枚絵イラストもしくはMVを背景スクリーンで流しているスタンダードな方式から、1/12配信の「兎田ぺこら生誕祭」のようにOP、ステージ、背景映像の映像制作まで全て新規のものであったりと、各メンバー毎にさまざまな演出の違いがあるのも、最近のホロライブ無料3Dライブの見どころのような気がします。


その反面、と言って良いのか正直わかりませんが、最近のホロライブの有料3Dライブの方は何かちょっと不思議な方向に進化している印象があります。

その様子は、例えば昨年11月に開催された3期生ライブFAN FUN ISLAND」のオフィシャルレポートや、先日オフィシャルレポートが公開された1/28開催の湊あくあの「あくあ色 in わんだ~☆らんど♪」などを見ていただければ未視聴の方にも伝わるのではないかと思うのですが、

無料3Dライブの変化同様に、ストーリー仕立てだったり、映像や舞台背景に非常に凝っていたりすることに加えて、舞台上の画面の中で歌っているホロライブメンバーがライブ会場のスクリーン上で拡大したり縮小したりされている様子は、もはや3Dライブというよりも、よく言って映画ライブビューイング、悪く言えばMV視聴会のようになっており、ライブ感や生っぽさよりも演出により力を入れた構成になっています。

あまりよくない表現にはなりますが、同じ場所にホロライブメンバーがいる感覚には乏しいこの方向への演出の突然の進化は、少なくともライブ会場を訪れる方にとってはあまりにも劇的な変化だと私は感じました。

元々「Vtuberの3Dアバターでのライブ」は、VOCALOID(ボーカロイド)初音ミクのライブ「マジカルミライ」の系譜から続いた『等身大のアバターをいかに舞台上に登場させるか』が、その大きな見所の一つだったわけで。

そういう意味では最近のホロライブの有料3Dライブはその伝統から外れた、という点で一つの転換点を迎えたのかもしれませんが、この変化は果たして万人に受け入れられる変化なのかな?という事については、ちょっと首をひねりたくなる部分も無いではないです。


しかし、今後もこの変化が続くのかどうかというのは正直な所まだわからないなぁ、とも私は思っています。

実際、昨年10月の星街すいせい角巻わためのソロライブの頃まではまだ「等身大のアバターが舞台に立っていた」ので、今回の変化はある程度の挑戦的な試みであった可能性もありますし。

また、ニコニコ動画配信分の3期生ライブFAN FUN ISLAND」のラストでのお客様アンケートでは、五段階評価で「とても良かった 92.2%」「まあまあ良かった3.9%」「ふつうだった1.8%」「あまり良くなかった0.9%」「良くなかった1.2%」と、高評価が集まりがちの有料ライブのアンケート結果としては、悪いとまでは言わないまでも、それほど良い結果ではない数字も出ていましたので、

そのあたりをカバー社がどう捉えて今後のライブにどう反映していくのかという点は、今後の有料3Dライブを視聴する上で少々気になるところです。

少なくとも私は現地に行くなら等身大のメンバーを見たいので、どういう演出になるかわからない次の3Dライブでの現地参戦は、某感染症の事を抜きにしてもちょっとためらうな、と今のところ思っています。

まさしく葛藤としては「封切られたばかりの映画を映画館に見に行くか、それともネトフリとかで自宅で見るか」みたいな状態です。


そう言った意味では、池袋HUMAXシネマズと109シネマズ大阪エキスポシティの2会場で、1/22に昼夜2公演が行われたときのそらの有料3Dライブ『Role:Play』は、それこそ映画館を会場としたライブビューイング形式で開催されることが会場から見てあきらかなライブだったので、現地を訪れた観客の満足度はまさしく映画を見る心持ちできっと期待値通りだったのではないかな?と思われるのですが。

この状況から見るに今後のホロライブの有料ライブは、ひょっとするとこういったライブビューイング形式の開催をある程度視野に入れた上で進化しているのかもしれません。


「本来『ライブ』とは、言葉の意味を考えれば文字通り『生の実況』であるべきだ」などと言う事は、「口パク」などに代表される現代の各芸能の習慣や、現行の3Dアバター技術の限界、そしてボカロ楽曲の影響を色濃く受けた高難度歌唱楽曲の選曲や、Vtuber個々人の歌唱力や体力・技量等を考えれば、現在のVtuberのライブでは流石にハードルが高いと言わざるを得ない話なのかもしれませんが。

「収録部分あるから全部生じゃないよ」とあらかじめ告知しているにもかかわらず逆に配信内容のクオリティが純粋に上がって、ある意味ではライブっぽくなったホロライブの無料3Dライブと、「ライブやるよ!」とライブ会場に人を集めつつも生っぽさより映像クオリティの方向に舵を切った有料3Dライブのそれぞれの変化については、はたして今後どんな方向に進化していくのでしょうか?

なんとなくそんなことが気になった、今日はそんな日でした。


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