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企業系Vtuber界隈に吹くリスナーからの逆風~魔乃アロエ卒業から考える将来~

つい先程、ホロライブプロダクションを運営するカバー株式会社から、先日デビューしたばかりのVtuber魔乃アロエについての卒業が発表されました。

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正直な感想を言えば、魔乃アロエ個人の卒業に関しては「残念だけどその卒業という判断はわからなくもない」という所でしょうか。

ホロライブプロダクションは今に始まったことでもないのですが、自社男性Vtuberとのコラボでも視聴者側が騒ぐほどに、視聴者層に女性ライバーの交友関係に極端に清潔感を求められる箱になりつつあります。

また、カバー株式会社自身も、度重なる「お詫び」「お知らせ」の発表により、かつて持っていた企業としての信頼感を失いつつあることは、残念ですが事実です。なお、ここで一つ一つの内容に触れることは本筋がずれますので避けます。

この環境の中、魔乃アロエが2週間の謹慎明けから精力的に活動したとして、はたして同期の面々と同じ評価を得られるかと言えば、短期間では確実に不可能だったでしょう。
かなりの長期間、彼女は苦しい思いをすることになったと思います。

それは彼女の謝罪配信があったことに対しての各所の反応から見ても明らかでした。
今回は謝罪後も、謝罪内容を疑う声はもちろん、謝罪内容には当然含まれていない過去に彼女のいわゆる「中の人」が行った出来事とされる内容から、彼女に対する不信感の声があまりやむ気配がありませんでした。

擁護の声は失礼ですがあまり目にしませんでした。
引退というニュースが流れてから出てきた「惜しむ声」にしても、見た目等のキャラクター性に関する部分が大半であるように、今のところ見えます。

「精神面や体調面で活動の継続が難しいと申し入れがあった」との公式発表がありましたが、仮に継続した場合リスナーから吹く逆風は再び精神面を大きく襲った事でしょう。

ましてや彼女の場合、真偽や詳細は無視しますが「出てきたリーク内容の一部」「過去もしくは現在の彼女の周辺環境から出ないと簡単には出てこないような内容」が含まれていましたから、事実だとすれば公私ともになおさら大変なことだと思います。
今回の件はデジタルタトゥーの恐ろしさをあらためて感じたお話でもありました。


一方、カバー株式会社については、今回思うことはそんなにありません。

以前こちらの記事で不安をいだいていると書きましたが、その不安が現実のものとなった、という点では残念です。
また魔乃アロエが過去行った謝罪配信の内容がすべて真実だった場合は、管理不足を再度徹底して頂きたいと思うぐらいです。

間違っても「採用者は過去のデジタルタトゥーを全部洗いだしてから採用しろ」などと言うつもりはありません。
おそらく不可能だからです。

あえて今回何かを言うとするなら、上に貼りました「5期生より」というタイトルのこの手の第三者のお気持ち配信があんまり好きではない、くらいでしょうか。

おそらくこの動画を出さないと、今後この同期4名の配信のいろんなところで意図的に名前を出して煽るリスナーが出る恐れがあるため、あえてこのような配信を行っているのでしょうが……。現状適切な手法だとは思いますが、その手法に好感が持てないのも事実です。

せめて文章とかでも良いので「本人から卒業コメントをとる」という手段をなぜか毎回カバー株式会社は行いませんが、本来そちらが正しい手法だと思うのですよね。

少なくとも今回や、過去で言うと薬師寺朱雀の場合とか。

実際、今回の卒業でもこの本人コメントカバー株式会社がとらなかったことで、私は彼女が自発的に卒業したのかどうかを今一つ信じ切れていません。

もっとも、仮に謝罪内容が実は嘘で、実態は2週間前告知の末に解雇だったとしても、それはそれで情報漏洩という自社への損害に対する企業判断なので、仕方ないことだと思うしかないのですが。



……と、色々ありましたが、彼女は卒業の道を選んだという結末になりました。その決断に「リスナーからの風当たりの強さ」が関わっていることは、もはやこのnoteを読んでいる方ならば、私以上にご存知の事でしょう。

冒頭で女性ライバーの交友関係に極端に清潔感を求められる箱になりつつある、とホロライブを表現しましたが、この清潔感潔癖感、そして正義感というべきものが妙に助長されている様子は、ホロライブに限らず、男女問わず、多くの箱運営企業系Vtuberに関するコメントで増えている印象を受けます。

私は視聴者が間違いに声を上げることも、問題提起することも決して間違ってはいないと思っていますし、現に私もこの記事内で多少やっています。

ただその問題提起によって巻き起こる風を悪用して、昨今個人の過去の過ちを再燃させたり箱同士の煽り合いに利用したりすることで、やがては箱やVtuber個人をも吹き飛ばそうとするかのような風神・雷神みたいな人たちが最近特に増えてみえるのは、個人的に残念なところです。

今回は企業や個人への真っ当な批評や意見の中で、そんな人たちが数多く荒れ狂ったように見えた件でもありました。

さて、今回の出来事の発端は「情報漏洩」でしたので、企業側、Vtuber個々人の社会的ルール順守の徹底はもちろん今後も期待したい所なのですが、同じように一部視聴側のマナーの悪化についても、なにか打てる手段というのはないのでしょうか?

企業やVtuber各個人が、風の強さになぎ倒されてしまうその前に。

私には今のところ個人宛訴訟等の実現困難な手法か、つい先日ニコニコ大百科で行われた一部掲示板の削除や、中傷記事を取り扱うまとめサイト等への勧告程度のことしか思いつかないのですが、業界の今後の為にどうすれば歯止めがかかるのか、皆さんの意見も聞いてみたいところです。


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