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駄文:メタいこと言うけどそれってVtuber活動である意味、あるの?
ちょっと久しぶりに思い付きだけの話を書きます。
ちょっとメタいことに触れるつもりなので、誰かに怒られたら唐突に記事を消すことなんかもあるかもしれませんが、ご容赦ください。
あと、ただの思い付きなので別に何かをダメと断じるつもりも、誰かと議論するつもりもないよ、ということもあらかじめ書いておきます。
とりあえず、気にならない人は全然気にしなくていい話になる予定です。
<4/19 一部文章を加筆修正しています>
先日、ホロライブの新しい音楽プロジェクト「Blue Journey」から第1弾の楽曲が発表になりました。
毎回思うことではありますが、新しい企画が動き出すという話題はいいものですね。なんというか、ワクワクさせられます。
🎧New Release🎧 #BlueJourney 第1弾楽曲
— Blue Journey【公式】 (@BlueJourneyInfo) April 16, 2023
『#僕は独りだ』
(歌唱:湊あくあ、宝鐘マリン、角巻わため)
🔽Music Videoはこちらから🔽 https://t.co/jIpiwzAlOj
🔽配信リンク🔽 https://t.co/yJKAY8d2Rt pic.twitter.com/eTKk683HZp
今回発表された楽曲『僕は独りだ』も、非常にいい曲だと思います。
メロディに疾走感はあるのに、歌われている「僕」は、同じ毎日、同じ失敗を繰り返してばかりで、変化を起こさなきゃいけないと分かっていながら、それでも日常から目をそらし続け、立ち止まってしまっている人で。
その「僕」の様子は、とても身近な存在であるようで。
前日に同時接続者を24万人も集めた「ぷよテト大会」で、はしゃいでいたグループから生まれたとはとても思えないほど、独特の湿度と雰囲気を帯びた曲でした。
個人的にも「Blue Journey」のリリース楽曲は、第二弾以降も本当に楽しみにしたいなと、今は思っています。
ただ、この「Blue Journey」という企画については、根本的に一つ、どうも引っ掛かっていることがあります。
それは、「Vtuberがオリジナル楽曲を出す企画をやるにあたって、こんなにも『Vtuberが歌っています感』を消す必要あるの?」です。
これについては、先だって1st LIVE「-Transparent Blue-」が行われた、にじさんじの音楽ユニットNornisの、ユニットデビュー頃のプロモーションとMV公開の時にも全く同じことを思いましたが。
あえてアバターや、その動きといった、Vtuberらしい個性を全く排除したその活動は、いわゆるVtuberの中の人、の歌い手としての活動と、いったい何が、どう違うのでしょうか?
私は、Vtuberって存在はとりあえず、Live2Dにしろ、3Dにしろ、アバターと動きありきのものだと思っています。
例えば黎明期のバーチャルYouTuber四天王なんかに代表される、2018年頃のVtuberにとってアバターと動きは、声や、ロールプレイと同じく「新しい個性を持った存在」を構成する、大事な一要素だったと思います。
2019年以降の、いわゆる生主、ライブ配信者感の強まったVtuberにとっても、中には立ち絵のみでの活動の人もいるので動きは置いておくとしても、アバターに関しては「なりたい自分になった姿」であり、Vtuberを名乗り、表現する為には必要不可欠な要素であったと思うのです。
ところが、今回のホロライブ「Blue Journey」という企画には、そういったVtuberらしい姿は今のところ全く見ることが出来ません。
日頃活動しているチャンネルとは別で新チャンネルを作っているので、YouTubeのチャンネルを見ただけでは、Vtuberの企画とは全くわからないほどです。
ただ、ここで勘違いして欲しくないのは、私は別に「Vtuberの個性が消えているからこの活動、企画はダメだ」と言いたい訳ではない、ということで。
私は「Vtuberの事務所が、自社のタレントの売りであるはずの個性をあえて隠して活動させる意味が、正直ピンと来ていない」のです。
ここについてはまさかとは思うのですが、「アバターを隠せばオタク臭さがパッと見で見えないから、日頃オタク文化をあまり良く思っていない一般顧客層の開拓ができる」などと企画者は都合よく思っているのではないかと、少々不安を覚えています。
では、なぜこんなことを今回思ったか、というと。
「Blue Journey」のYouTubeチャンネルのコミュニティに、こんな文章が掲載されていたからなのですが。
Blue Journeyの歌は、誰かの心に寄り添いたい歌。
これは誰の心のことなのか? そんな答え探しは、Blue Journeyには必要ありません。
タレントの歌声を聴きながら自分自身に語りかける、そんな時間をBlue Journeyと共に。
--- 第1弾楽曲『僕は独りだ』 4月17日(月)00:00公開 🎤歌唱🎤湊あくあ、宝鐘マリン、角巻わため
文章全体から漂う、なんか「意識高い系」っぽい、むず痒い感じなんかも、ちょっと気になるのですが。
私が個人的にいちばん気になるのは「これは誰の心のことなのか? そんな答え探しは、Blue Journeyには必要ありません。」以降の部分で。
口悪く表現すると、私はこの文章を「どんな個性の持ち主が歌っているかは気にすんな、歌でしんみりさせてやるから黙って曲聞いてろ」的な感じのことを言ってるの?この文章?って風に、最初とらえたんですね。
もちろんただの曲解かもしれませんが。
もし、このとらえ方が正しかったとしたら。
この企画の企画者は、「アイドル」という個性が一番大事なVtuberのことを運営している会社の企画でありながら、その個性を売る気が全く無い訳ですから、それはまさしくファンからしたら、意味がわからないプロデュースではないでしょうか。
それはまるで、あの「アイドル」の歌声には、こんな一面もあるんだよ?ではなくて、「この曲いいだろ?」ありきで曲に合わせて歌声をチョイスした企画のよう、というかなんというか。
それをVtuber事務所がすることには、どういう意図があるのでしょうか?
事実、今回の楽曲にしたところで、チャンネル登録者数と関わったほぼ全ての歌唱動画MVの総再生回数がとんでもなく多い3人、【湊あくあ(178万人)、宝鐘マリン(236万人)、角巻わため(136万人)】をキャスティングして歌った楽曲が1日で再生数が10万ちょっと。
3月に開設された「Blue Journey」チャンネルの登録者数がいまだ4.3万人、という現在のこの状況は、新人がデビューした日に十数万人のチャンネル登録者数を集める事務所の企画として考えると、少なくとも私は、現状この「Blue Journey」がうまくいっている気も、Vtuberファン以外の新規顧客層はおろか既存のホロライブファンに届いている気も、全くしていません。
同じ楽曲プロジェクトでもアイドル性を前面に押し出し、ホロライブ公式チャンネルを中心に展開した2020年末~2021年初頭の企画「Bloom,」の方が、よほど分かりやすかったとさえ思っています。
あるいは今後のPRや広告展開などで、この状況から大きく飛躍するような、そんな目論見が何か、ホロライブの運営にはあるのでしょうか?
ちなみに、先ほど一度例に出した、にじさんじ「Nornis」も、デビュー当初は国内VTuber事業統括プロデューサーの鈴木貴都氏がインタビューで、
「キャラクター性と人間性の両方が備わっていて、両方の側面でアプローチできる」ことは、VTuberの良いところだと思います。ただ、Nornisについては、歌1本で戦っていきたい。それが正解かどうかはわかりませんし、今後変わっていく可能性も十分ありえますが、少なくとも今はそのような気持ちでやっています。
「VTuberのシンガー」から「VTuber」というワードをなくした状態で世の中に認められることで、新しく間口が広がる。そうすることで、今まで見てくれなかった方々や、届かなかった領域に対しても、コンテンツが広がっていけばいいなと思います。
と語ったように、当初はあえてVtuberのユニットであることを意図的に隠した広告戦略を展開し、歌一本で戦う、という挑戦的なプロデュースを行っていましたが。
そんな「Nornis」も、昨年末のクロス新宿ビジョンでの楽曲リリース記念イベント、1カ月前頃のアバター姿のジャケットが掲載された個人のソロ曲をリリース、3Dライブ開催と、最近はいかにもVtuberらしい、アバターを全面に押し出したPR活動を見る機会が大幅に増えたように感じます。
しかし、それでも「Nornis」のチャンネル登録者数はいまだ10.9万人に留まります。楽曲の再生数も、デビュー曲の『Abyssal Zone』こそ490万再生となかなかの数字を残していますが、その他のオリジナル、カバー含めた10曲以上のMVなどは、どれも個性的ないい歌声であり、曲ではあるのですが、100万再生を突破した動画はまだありません。
先程のパターンで言えば、にじさんじが誇る歌姫3人【戌亥とこ(73.3万人)、町田ちま(61.2万人)、朝日南アカネ(23.4万人)】が、およそ1年弱活動してなおこの数字です。
VtuberがVtuberという個性を使わないで活動することが、いかに難しいか。
Vtuberが歌で勝負する際に、Vtuberの歌であるという個性を消すプロデュースを行うことは、少なくとも今のところはなんら特別な結果をもたらしてはいないということが、この結果からもある程度見えているように私としては思うのですが、皆さんはどうお考えになるでしょうか。
それとも、Vtuberの歌であるという個性を消すプロデュースの結果として、ユニットのチャンネル登録者数はそれほど伸びないが、Vtuber各個人のチャンネル登録者数は伸びる、みたいな目に見えづらい副次効果のようなものが、ユニットの別チャンネル展開には、実はあったりするのでしょうか?
そして。
仮にVtuberであることを隠した曲がヒットしたとして。
その曲の歌い手の評価は当然上がると思いますが、それは前述の鈴木氏のインタビューでいう「Vtuberの間口が広がる」事と、果たしてどうイコールでつながるものなのでしょうか?
あえて、もっとメタいことを言えば。
他に持っている武器をわざわざ隠して、歌い手として歌いっぽんで勝負してバズったり売れたり出来るのであれば、それはもう個人としてはともかく、企業所属のVtuberにはそもそもなる必要がない、とまで私としては思ったりもするのですが、それは流石に言葉が過ぎる、でしょうか。
まあ、なにはともあれ。
私としては、MVにVtuberらしさがサッパリないことも、わざわざVtuberらしからぬ別チャンネルを作ってオリジナル楽曲展開をプロデュースする意味も、どっちか一つならともかく、両方やる意味がさっぱり分からない。
そんな今回のホロライブ新音楽プロジェクト「Blue Journey」ですが。
こんなに好き放題書いておいてなんですが、私がこれだけいい加減に思い付きを書いたことをのちに反省するぐらい、企画として今後成功して欲しいなと今はそう思っています。
また、にじさんじ「Nornis」についても、直近のライブは非常にカッコいいアーティスト然とした素敵なライブであっただけに、今後の活動もガンガンVtuberアーティストらしい活動をやってくれないかな、という期待を持っていたりもします。
どちらもそもそもの歌の良さ、曲の良さに関しては、これまでも全く不満を持っていない企画でありユニットであるだけに、今後も活動は楽しみです。
そして。
これは実は実現可能なことかもしれませんし、逆にただの妄想にすぎないことかもしれませんが。
狙ってやるかどうかはともかく、VtuberがVtuberであるという個性を抜きにして、歌一本でバズってみせて、多くのVtuberに興味がない人を集める未来も、いつか見てみたいし。
逆に、Vtuberがアーティストとしてその個性を全開にして活動することで、これまでVtuberに興味がなかった人にVtuberの魅力を伝えて、新たにVtuber沼に引き込む姿も見てみたい。
それが可能かどうかは正直判りませんが、その時の光景はファン目線から見た場合、確かにどちらも面白くはあるなぁ。
なんてことをこのnote書きながら、なんとなく思ったりもしました。