ラストティーンの記憶3
残すこと
遺すこと?
十九の夏が終わったよ
二十を迎えること
十九が終わること
何が怖いのだろうか
十九の今
解き明かすことはできなくても
答えは出しておこうと思った
二十になると何が変わるんだろうか
何も変わらないことはわかっている気もするのだけど
ただ、
十九までの自分は
いつの間にか少しずつ崩壊して消えていくのだと思う
ただ、消えるだけの記憶でしかないのだろう
きっと
有限であることが怖いのだろう
もう二度と取り返せない、戻らない時間、自分
大人になることが不安だと言っているが、
本当にそうなのかは自分でもわからない
とりあえず、
今更気づいたタイムリミットに
慌てて恐れ立っているのだ
この前ふと寝る間に思い浮かんだ
遠い未来 で
あの人のことをなんと呼んでいるだろうと
名前で呼ぶだろうか
あの人 とか 名前も出せなくなっていやしないだろうか
旦那さん?貴方?
ふと気になったのだった
今のようには呼ばないだろうから
年齢を止めてしまいたい
「歳をとることを放棄しまーす」
そう堂々とどこかで宣言でもしようかと 本気で思ったぐらいには
ずっと十九でいたかった
ピーターパン症候群
せめて あと五日は
と思ったら五日ももうない
あと三、四日ぐらいは
毎日ここに向かうことを
頑張ってみようと思う
そういえば努力という言葉が嫌いだった自分がいた
できないくせに
ただの好き嫌いか