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ぐっときたセリフ:魚豊『チ。地球の運動について』

魚豊の『チ。』がアニメ化される。嬉しい。
しかもサカナクションが主題歌を担当する。嬉しい。
そこで、個人的にぐっときたセリフを書き留めて、アニメの予習としたい。

『第1集』フベルト

・私は命を張る場面でこそ直感を信じる
・構わない。不正解は無意味を意味しない
・怖い。だが怖くない人生などその本質を欠く

あつい男ですね。フベルト。渋くてかっこいい。渋かっこいいのが僕の好みだと気づきました。渋かっこよくなりたい。

『第2集』異端者

・君らはこの世の絶望から目を逸らすために、あるかも分からぬ天国に逃げてるだけじゃないのか?
(―不安を煽り我々を絶望へと突き放したいのだろう)
いや、君らが絶望”を”、突き放しているのだ。人は悲劇を肥やしに、時に新たな希望を生み出す。その場しのぎの慰めなんか、現実を変えやしない。だが、芯から湧き出た苦悩は、煮詰められた挫折は、或いは君の絶望は、希望に転化し得るのだ
・一生快適な自己否定に留まるか。全てを捨てて自己肯定に賭けて出るか。どちらを選ぶも自由だ

「強いな」と思います。読んでた当時はただただ惹かれたけど、今は「強さ」ゆえに見えていないところもあるのかなと思いました。それは自分が否定された気がしたからでしょう。でもこの「強さ」は今でも好きです。かっこいい。

『第3集』オクジー

や、やっぱり守りませんか? あの言いつけ
(―…は? 何故? もうこの世から消えたぞ)
でも、俺がまだ覚えちゃってるというか…な…なんというか多分、あの手紙を残した人は、箱を開けて読む人のことを信じてああ書いた気がするんです。今ここにいない人の想いを無視したら、何かが決定的に失われる気がして。
(―何かってなんだ)
れ、歴史というか
(―は? 聖書以外の歴史など私は気にしない。金を払いたいなら君の1割を譲れ)

バデーニとの対比がいいですね。史料が媒介するものは情報以外もあるんですね。素敵です。

『第3集』バデーニ

(―不思議だ。ずっと前と同じ空(モノ)を見てるのに、少し前からまるで違く見える)
だろうな
(―え?)
きっとそれが何かを知るということだ

バデーニの「知る(チ)」ことについての、私見です。視点の変化がその条件だそうです。

『第3集』ピャスト伯

もし……過去の積み重ねの先に、答えがないなら、真理にとって我々は無駄だったかもしれん。しかしたとえ…誤ちでも何かを書き留めたことは、歴史にとって無意味ではない。―と、願ってる

その通りです。真偽や正誤では測れない人間の営為とその意味はあるはずです。

全巻読みましたが、これ以降はメモしていないので、また追加できたらします。

あなたが経験に学び、思い出に救われるように、社会は歴史を要する。

これは私の言葉です。


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